表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

縁側から見る花火

作者: 朝日

銘尾友郎様の"夏・祭り企画"の感じに合う小説が書けたので、参加させていただきました。


※リアリティー?何それ美味しいの?(-ω- ?)くらいのゆるい感じの小説です。

 






 8/10日、季節は夏。




 私はここ二十年、毎年花火大会を河川敷に見に行っていたわ。




 でも、もう行けないの。




 二ヶ月前、転んで腰の骨をやってしまったのよ。


 階段から転げ落ちた、なんていう大きな話ではないの。


 ただ、日課の散歩から帰ってきて家に入って気が緩んで転ぶ…というより、ストンと座ったと言った方が近いかしら。ただそれだけで腰骨にヒビが入ってしまったのよ。杖をつきながらゆっくりならなんとか歩ける歩ける程度までは回復したわ。でも--




 --もうここから治る可能性はほぼないそうなのよ。歳をとるって、嫌ねぇ。




 そんなことがあって、今は貯めていた貯金を使って老人ホームで暮らしているのよ。孫や子供に迷惑をかけたくないもの。



 でも今日だけは、家からでもいいから花火が近くで見たくって頑張って帰って来たの。当然、一人で帰るのは反対されたけどねぇ。生い先短い婆のお願いという老人の特権を使って、なんとか聞いてもらったわ。




 楽しみで年甲斐もなくはしゃいじゃって。昔の浴衣まで出してきて、着てみたの。これがまぁピッタリな大きさでねぇ。吃驚しちゃった。




 ----そんなことがあって今、まさに花火があがる時間。




 しゅぅぅぅう~---ドカン!




 そんなことを思っていたら、ほら。光の演出のあとに、夜空に綺麗な花が咲いた。




 しゅぅぅぅ~--ドドドドドン!




 ドン!ドドドドドンッッ!!




 しゅぅぅう----ドガァァン!




 あら、大きな花火。これがあがったということは、もうそろそろ終わっちゃうのね。でも、それも醍醐味の一つなのよねぇ。




 しゅうぅぅぅぅぅぅぅ




 ----ドドドドドドドトドドドド~ンッ!




 最後にいつも打ち上げられる、大きな連続花火。この、いつ終わってしまうのかというドキドキ感がたまらないのよね。




 しゅぅ------ドーッッーン!!




 あら、終わっちゃった。本当に、いい花火だったわぁ。




 縁側から一人で見る、静かな花火もいいものねぇ。




 また、見たいわ。頑張って長生きして、骨を治さなくっちゃ。




 ----花火の後に残る少しの火薬の香り。さっきまでの騒がしい音と光が夢だったかのような吸い込まれてしまいそうな闇と静寂。そして、それを塗りつぶすかのように響く蝉の声。




「今年も、いい花火だったわねぇ。」




 私のぽつりと呟いた小さな声は、どこまでも続く静かな闇に吸い込まれていった。






最後まで読んでくださってありがとうございました。


企画を見てよっしゃ書くぜヒャッハーヘ(゜∀゜ヘ)なテンションで書いた小説なので、少々おかしいかもしれません。


おかしいと感じたところがございましたら、遠慮せず言っていただけると嬉しいです。修正します。


企画参加作品なのに短い?気にしないでください。企画参加だからって長く書かない、これこそ自分のスタイルなのです。


……嘘ですごめんなさい。書けるものなら長く書きたいです。しかし自分は勢いでしか書けない馬鹿なんです。花火の音に頼らなければいけないほど短くなるのは想定外でした。( ´゜д゜`)アチャー



追記:ドット絵描いたので載せときます。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] あぁ……夏っぽくっていいですね…… しかし気付けばもう9月……一年があっという間でしみじみしちゃいますわ…
2017/09/04 00:21 退会済み
管理
[良い点] 音と浮かぶ感情を織り交ぜて書くことで、そのなかにいるような気持ちになれたこと。 音が無くなり、明かりも暗闇に消えていった花火と、 お婆ちゃんの言葉が、静かな闇に吸い込まれていった。 とか…
[良い点] 短さの中に花火の魅力や風情がたっぷり詰まっていた作品でした ラストスパートをかける連続の花火はいつ終わってしまうのかと私もドキドキします そしてその後に残る余韻が好きです [一言] お婆さ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ