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制覇3 完結編  作者: 渋谷かな
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陸奥・出羽1・京3

ライたちは津軽海峡を越えて本州に上陸した。雪ちゃんが次の竜まで案内してくれるという。


「さあ! 次の竜に会いに行きましょう!」


本州最北端の陸奥は辺り一面が雪ちゃんのテンションは高い。雪国は雪ちゃんの庭みたいなものである。


「雪ちゃんは元気だな。」

「師走ちゃんも元気だぞ!」

「はいはい。」

「情けないな。日頃の鍛錬が足らないんだ!」


ライと師走ちゃんは雪に足を取られ進むのに苦労していた。もちろん、へっぽこ忍者の睦月ちゃんの分身の師走ちゃんは強がりである。その時、雲の隙間から太陽の日差しが差してくる。


「ああ、溶ける・・・。」

「よくそれで人のことが言えるね。」

「おまえも鍛錬が足らないのだ。師走ちゃんの敵ではない!」


ライ・師走ちゃん・雪ちゃんはこんな感じなので全く京への道は遠かった。しかし、ここで主人公らしくライが良いことを思いついた。


「そうか! 竜の背に乗って行けばいいんだ!」

「おお! その手があったか! さすがライだ!」


ライは竜に選ばれた者として、竜の背に乗って高速移動することができる。しかし雪ちゃんは手をクロスして否定する。


「ブブ! 雪竜さまは雪が吹雪いている時しか助けてくれません!」

「そんな・・・。」

「雪ちゃんの役立たず・・・。」

「晴れてる天候が悪いので、私は悪くはありません。雪ちゃんはいい子です!」


恐るべし雪竜の高性能にライたちは呆れる。ほとんど進んでいないライたちに雪国の化け物が襲い掛かってくる。


「ゆ、雪だるま!?」

「あれは陸奥名物、人食い雪だるま!?」

「なんでも人食いと付ければいいと思っているな。師走ちゃんにはお見通しでござる。」


マグロに、リンゴに、雪だるま・・・人食いシリーズはこれからも続くだろう。ライは剣を構え、師走ちゃんは雪の中に体を隠して退避、雪ちゃんは降り積もっている雪をマシンガンのように人食い雪だるまに連発する。


「雪ちゃん必殺、積雪マシンガン!」

「ダメだ!? 剣でどんなに雪だるまを斬っても、地面の雪を吸収して、余計に大きくパワーアップしている!?」


ライと雪ちゃんが応戦するも人食い雪だるまは斬れば1つが2つに分裂し、地面の雪を吸収して姿が大きくなる。攻撃すればするほど悪循環だった。


「こうなったら火竜で一気に焼いてやる!」

「ダメだって!? 火竜さまは寒いのが苦手なんだから!?」

「ガガガ!」

「もうダメだ!?」


雪だるまが襲い掛かってくる。自分はここで死ぬのか、しかも雪だるま相手に自分の旅は終わるのかっとライは目を閉じて諦めようとした。


「撃て!」


バンバンバン! っと号令と共に大砲の連射が始めまる。大砲は雪の塊である人食い雪だるまを再生できないように粉々に粉砕した。ライたちの元に1人の若武者が近づいてくる。


「大丈夫か? 私は伊達政宗だ。」

「助けてくれてありがとうございます。俺はライ。」

「雪ちゃんです。」

「師走ちゃんだ!」

「なぜ雪の中から!?」

「気にしないでください。」


人食い雪だるまが倒されたことを確認して身の安全が確保されたので雪の中から師走ちゃんも起き上がり挨拶をする。こんな雪の中を伊達政宗はなぜ進軍していたのだろう。


「政宗さんはどうしてこんな雪の真ん中に?」

「私はこれから出羽に行き、人食いなまはげを退治する。」

「人食いなまはげ!?」

「そうだ。困っている人々を助けに行かなければ! すまないが町まで送ってあげることができないんだ。一緒に来るか、独自に進むか? どうする?」

「一緒に行きます!」

「はや、人食い雪だるまが怖いんだろう。」

「守ってくださいね。」

「分かった。一緒に行こう。」


ライたちは伊達政宗と一緒に出羽に人食いなまはげを退治しに行くことになった。



その頃、出羽では。


「だいたいの村は壊滅しました。黄玉さま。鋼玉さま。金剛石さま。」


人食いなまはげが3人の偉そうな妖怪に現状を報告している。3人はつまらなそうに時間を費やしている。


「なまはげちゃん、連絡ご苦労様です。下がっていいよ。」

「ああ~退屈だ。まさか陸奥と出羽を間違えてしまったなんて。」

「仕方がないだろう!? 辺り一面、雪でどこがどこの国かなんて分からないんだから。」


これが妖怪の最強の3人衆。黄玉、鋼玉、金剛石である。かなり強いはずなのだが、チャラそうだった。そこにまた人食いなまはげが伝令でやって来る。


「一大事です!?」

「どうした? ぬらり子さまが階段から転げ落ちたか?」

「陸奥の伊達政宗が出羽に向かっています!」

「なに!?」


報告を受けて3人の顔色が真顔に変わる。3人は元々陸奥に行き噂の若武者伊達政宗と手合わせがしたかったのだ。それなのに出羽に来てしまい意気消沈して腐っていたのだった。


「やった! 政宗キター!」

「自ら死ににキター!」

「おまえらアホか!?」


なぜ最強3人衆がチャラいかというとおじいちゃんの跡を継いで妖怪の長になったぬらり子が、どうせならカッコイイ家来が欲しい、爺やみたいな年寄りはいらないということで最強3人衆は軽い性格になるようにぬらり子に錬成された。


「なまはげの皆さん! 休憩後、政宗御一行のお出迎えの準備を宜しくお願いしまうす!」


出羽では妖怪の3人が異常な盛り上がりを見せていた。



京。足利屋敷。


「義輝さま!?」


将軍足利義輝の首が飛んだ。紫式部の持っていた本から火の悪魔ベリアルが現れ足利義輝の首を斬り落とした。あっけない将軍の最後であった。


「将軍足利義輝! 三好義賢が討ち取ったり!」


悪魔ベリアルとかした三好義賢が勝ち名乗りを上げる。側にいた足利尊氏も足利義昭もどうすることもできないぐらい一瞬で首を落とした。清少納言は燃え尽きて真っ黒になった紫式部の遺体を見て泣いているだけだった。


「兄上!?」

「義輝!?」

「紫式部さま!?」


足利陣営は混乱していた。将軍足利義輝を殺され、指揮系統が乱れた。ただ言えることは目の前の悪魔化している三好義賢を生かして帰すことはできないということだけだった。


「こら! 清少納言! いつまでも泣いているんじゃない!」

「だって愛しい紫式部さまが!? 紫式部さまが・・・うわんうわん!?」

「ダメだ。こいつは使い物にならないな。義昭さま、ここは私が戦いますので安全な場所にお逃げ下さい。」

「任せたぞ! 尊氏!」


次期将軍足利義昭は一目散に逃げだした。それを追いかけて足利家の血筋を根絶やしにしてしまおうとする三好義賢の前に歴史に名を残す者足利尊氏が行く手を阻む。


「待て! 足利義昭!」

「三好の悪魔め! ここは通さないぞ!」

「どけ! 化け物! 邪魔をするなら、おまえも燃やし尽くしてやるぞ!」

「燃やせるものなら燃やしてみろ!」


悪魔ベリアルと化した三好義賢と歴史に名を残す者の足利尊氏の戦いが始まった。足利尊氏は室町幕府を作った英霊であった。


「つ、強い!?」

「だてに幕府は作ってないんだよ!」


パワーだけで言えば足利尊氏の方が上であった。三好義賢の攻撃には火が補足としてついてくる。お互い一歩も譲らない武士としての戦いが繰り広げられる。


「闇の炎!」

「足利斬り!」


両者が必殺技を放つ。相打ちだった。足利尊氏も三好義賢も地面に倒れ込んだ。焼き尽くされた足利尊氏は死んだ。三好義賢も悪魔化の姿から解放され人間の姿に戻る。


「お疲れ様です。」

「な・・・何!? バカな!?」


もう息を引き取ろうとしている三好義賢の前に、焼き尽くしたはずの紫式部と清少納言が現れた。三好義賢は自分の目を疑った。


「なぜ生きている!?」

「私の魂は1番大切な所に隠してあります。行ってしまえばこの体はただのもぬけの殻です。」

「あなたは紫式部さまの計画通り生きたまま足利屋敷に連れて来られて、まんまと足利義輝を殺してくれたんです。おまけに足利尊氏も倒してくれるなんて、本当にありがとうございました。」

「清少納言、うるさい。」

「すいません。」

「ハハハ・・・最初からおまえたちの手の平で動いていたとは・・・無念。」

「行きますよ。」

「は~い! 紫式部さま!」


三好義賢は息を引き取った。紫式部と清少納言は計画通り次の計画に移行する。いったい紫式部の魂はどこにあるのだろう。



その頃、足利屋敷の地下。


「ギャア!? 助けてくれ!?」


足利義昭が地下の隠し部屋に逃げ込んできた。ここには壁に閉じ込められている琉球の姫、首里姫と歴史に名を残す者のヤマトタケルがいた。


「あれ? 義昭さまじゃないですか? どうしたんですか?」

「み、三好だ!? 三好が攻めてきて兄上を殺してしまった!?」

「なんですって!?」

「なに!? なに!? なにがどうなったの!?」

「うるさい! お姫様は黙っていろ!」

「そんな言い方しなくてもいいでしょう!?」

「やれやれ。」


ヤマトタケルは足利義昭から聞いた情報を整理した。将軍の足利義輝が攻めてきた三好に殺されたというのだ。


「将軍には足利尊氏が護衛についていたはずだ。それなのに将軍が殺されたということは尊氏もやられたか、交戦中のはず・・・チャンスだ! ここから抜け出す!」

「壁から出れるの?」

「容易い御用だ。」


エイっと力を入れたヤマトタケルは壁を破壊して壁から抜け出した。そして隣に埋まっていた首里姫も助け出す。その様子を見ていた足利義昭はビックリして腰を抜かす。


「ああ~しんどい。同じ姿勢でずっといるのも楽じゃないのよね。」

「やっと出られた。はあ・・・。」

「助けてくれ!? 助けてくれ!?」


ヤマトタケルと首里姫に土下座をして命乞いする足利義昭。そこに一仕事を終えた人物たちがやって来る。


「元気だったようだな。」

「お久~!」

「紫式部と清少納言。」

「兄上は!? 尊氏はどうなった!?」

「分からないんですか?」

「出ますよ! 紫式部さまの冷たい一言!」

「あほう。」


グサグサグサっと紫式部の冷たい言葉が容赦なく足利義昭の心に冷たい棘として突き刺さる。足利義昭は落ち着いたというよりも意気消沈して静かになる。


「源頼朝、藤原道長がこの世を去った。」

「あれ? 足利尊氏も死にましたよ。」

「足利尊氏はまだ生きています。」

「ええ!?」

「足利尊氏も我々の裏切りを確かめるために三好義賢と相打ちになったと演じただけです。」

「そうだったんですね。さすが紫式部さま! なんでもお見通しですね。」

「だったら俺が行ってこよう。ちょうど肩慣らしにはいい相手だ。」

「相手は歴史に名を残す者ですよ? あなたも無傷ではいられませんよ?」

「いいね。戦いたいんだ。歴史に名を残す者同士。」


ヤマトタケルは地下から階段を上っていく。そして地上に出ると足利尊氏が行かれる表情で待ち構えていた。


「貴様ら! よくも裏切ったな!」

「怖い怖い。そんなんじゃ女の子にモテないよ?」

「茶化すな!」

「へいへい。」

「なぜ甦らせてやったのに足利家に忠誠を誓わない!?」

「あんたと違い、俺が足利家の人間じゃないからだろう。」

「正論なんぞ言いよって!」

「細かい事には興味がないんでね。剣で勝負を着けようか。」

「望むところよ! 引導を渡してやる!」

「悪いけど俺には草薙の剣がある時点でおまえに勝ち目はないのよね!」


ヤマトタケルと足利尊氏の戦いが始まった。歴史に名を残す者同士の戦いに実力差は無いように思えた。しかし一方的にヤマトタケルが押している。


「なぜだ!? なぜ私が押されている!?」

「おまえはいつも将軍の護衛ばかりで稽古も実践もしていなかっただろう。それに引き換え俺は壁に埋められるまで闘いの日々だったからな。差ができても当然だ。」

「ギャア!?」

「はい。おしまいっと。」


ヤマトタケルの剣が足利尊氏を斬りつけた。足利尊氏はあっさりとやられたかにみえたが、去ろうとしたヤマトタケルを後ろから斬りつけてくる。気配を感じ間一髪の所で致命傷は避けるが、足利尊氏の剣がヤマトタケルの頬を少し斬りつける。


「確かに切り倒したのに、なんで生きてるんだ!?」

「悪いな、私は剣には恵まれなかったが、私には15個の命がある。」

「15個!?」

「例え実力で劣っていても、命尽きる前におまえの命を1つ葬ればいいだけのことだ!」

「チッ!?」


足利尊氏は甦る度に元気になり、剣を交わしてヤマトタケルの剣の癖や太刀筋を把握していく。逆にヤマトタケルは息を切らせて披露していく。


「おまえの負けだ! ヤマトタケルよ!」

「クソ!? まだ10個くらい命があるなんて卑怯だぞ!?」

「足利家に謀叛する者は死ぬ運命なのだ!」

「それはどうかな。こい! 俺の鎧!」


ヤマトタケルの体が金色に輝く。そして鎧が現れヤマトタケルの体に装着していく。今までの疲労も吹き飛び体力全快の日本武尊に覚醒する。


「おまえの命が15個あるなら、再生しなくなるまで斬り続ければいいんだろ!」

「ギャア!?」


覚醒して鎧を身にまとった日本武尊は足利尊氏を斬りまくる。斬っては蘇り斬っては蘇る足利尊氏を休む間もなく只管斬り続ける。そして足利尊氏は断末魔の叫びをあげて倒された。


「悪いがまだ倒される訳には行かないんでな。」


日本武尊は勝った。これで歴史に名を残す者は聖徳太子、紫式部、清少納言、ヤマトタケル、平清盛、卑弥呼の6人となった。


つづく。

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