京5、あとがき、おまけ1
ライは9竜目、聖竜の力を得て、悪魔サタンとの最後の決戦に挑もうとしていた。ついに長かった戦いに終止符が打たれる!?
「全て消えて無くなれ! 9竜雷破!」
「ギャア!?」
ライの放った9竜が稲妻を伴い魔王サタンに襲い掛かる。いつものように魔王サタンは断末魔の叫びをあげて復活するかにみえたが、魔王サタンはダメージを受けただけで完全な状態での再生はしなかった。
「なんだと!? 体が再生しない!?」
「効いてる!? 魔王サタンにダメージを与えているぞ!?」
「いったいどういうことだ!? 私がダメージを受けているだと!? はあ!? まさか!? 聖なる力!?」
「その通り、俺の放った竜には聖竜の力が宿っている! 魔王サタン! おまえはもう甦ることはできないぞ!」
「なにを!?」
不死身のはずの魔王サタンが慌てている。魔王の復活する力を聖竜の聖なる力が抑え込んでいる。これでもう魔王サタンは再生ができないので、ダメージを与え倒せるだろう。
「へえ~、少しはできるようになったな、青年。」
「ライです。」
「いいね。腑抜けから鋭い視線ができるようになってる。こいつを倒して、傷が完治したら、もう一度、俺と戦おうぜ。楽しそうだ。」
「いやです。」
「なんで?」
「戦うこと理由がありません。」
「連れないね。」
「貴様ら!? もう、この私に勝ったつもりか!? バカにするな!?」
「行ってこい。行って戦いを終わらせて来い。ライ。」
「え? ・・・承知。」
ヤマトタケルに名前で呼ばれた。一度戦って敗れた相手に認められたような気がしたライはなんだか嬉しかった。それは魔王サタンを倒すよりも1人の戦士として嬉しいことだった。
「これが最後の9竜雷斬だ!!!」
「ギャア!?」
ライの放った9竜の斬撃が魔王サタンを切り裂く。魔王サタンの体は真っ二つになる。そんな姿になっても魔王サタンの意識はあり、魔王サタンは滅びていかなかった。
「わ、私は魔王サタンだ! 決して滅びはせんぞ!」
「化け物め!?」
「魔王を倒すことはできないのか!?」
斬られても滅びない魔王サタン。その様子を見ていたアマがついに動く。手をパンパンと叩くと、どこからともなく忍者が現れた。そう放浪中のへっぽこ忍者の睦月ちゃんであった。
「睦月ちゃん、例の物は見つかった。」
「はい、ここに。」
「牛、剣を寄こせ!」
「ギュウだっつうの!? ほれ。」
睦月ちゃんが探し出しアマに差し出したのは3種の神器の八尺瓊勾玉は八咫鏡だった。そして牛・・・ギュウから天叢雲剣をもらい受ける。アマのもとに3種の神器が揃った。
「迷惑な邪悪な魔王サタンよ! 3種の神器の偉大なる力でおまえを封印する! 天照大神・天岩戸!!!」
「ギャア!?」
アマさんが3種の神器の力で魔王サタンを天の岩に吸い込ませ封印した。アマもライと一緒で神を宿す者だった。アマが宿しているのは太陽神の天照大神。その気になれば魔王サタンくらい太陽熱で消滅させることができたかもしれない。
「睦月ちゃん、ありがとう。」
「女神さまのお役に立てて光栄でござる。」
「アマさん!」
「ライ!」
「アマさん! おいしいところを持っていくために、戦闘にさんかしなかったんですね!?」
「まあ、いいじゃないか。魔王も倒したんだから。」
「睦月ちゃんも、いつからアマさんに使えるようになっただ!?」
「武将たちの睦月ちゃんに対する態度が冷たいので、女神さまに仕えることにしたでござる。おかげで最後のおいしい登場であった。」
「はあ・・・。」
アマさんが自由気ままな性格であれば、雇われた睦月ちゃんもアマさんのような性格になってきた。やはり雇い主によるのだろうか。呆れるライだが、アマさんとへっぽこ忍者からナイスアシスト忍者に昇進した睦月ちゃんのおかげで魔王サタンは封印された。
「ライ、勝利おめでとう。」
「首里姫、ありがとう。」
「魔王サタンも倒したことだし、勝どきをあげましょうよ。」
「そうだね。でも、この勝利は苦難や困難を共に戦った、みんなで勝ち取ったものだから、みんなで勝どきをあげよう。」
「ライ、よく言った。」
「お兄ちゃんが他人のことを考えてる!?」
「義久さん、よろしくお願いします。」
「ライにしては目上の人に気を遣うとは、できる子になったね。」
「海ちゃん、うるさい・・・。」
「兄上、揉めて収拾がつかなくなる前に勝どきをあげましょう。」
「そうだな。それではいくぞ!」
ここまで長い道のりがあった。武将、竜、歴史に名を残す者、悪魔、妖怪などたくさんの出会いと別れを繰り返し、やっとグランドフィナーレを迎えることができる所まで来たのだった。
「日本を制覇!!!」
全員が笑顔で拳をあげて勝利を喜んだ。武将や竜の使いも和やかな雰囲気で勝利に酔いしれている。抱きしめ合うものハイタッチをして日本を制覇したことを喜んだ。イマドキの作品にしては珍しい、ハッピーエンドの最後に相応しい場面だった。
「首里姫、琉球まで送りますね。」
「ありがとう。ライ。」
「ライ! 見つけた!」
「へ?」
「ヨナちゃん!?」
「ライ! 私という者がありながら、なによ!? この琉球女は!?」
「あなた悪魔でしょ!? 魔王サタンは消えたんだから、あなたも消えなさいよ!?」
「残念! 私は偉大なる邪神テスカトリポカさまの化身であって、魔王サタンとは関係がない! ライから離れろ!」
「何よ!?」
「何なのよ!?」
幸せそうなライと首里姫。そこに現れた悪魔のヨナちゃん。首里姫とヨナちゃんの殴り合いのケンカが始まったので、巻き込まれないようにライはヤレヤレと席を外し、そのままライは手を振って祝宴の中に消えていく。
制覇 3 完
あとがき。
これ以上、書くと「制覇4」を書かないといけなくなるので、書籍化とかアニメ化されない限り続編は書かないぞ(大変なので)。まあ、コネは無いので採用されることはないだろう。まずコネがないと作品化は無理な業界だから。
最近の大賞・書籍化・アニメ化は小手先だけの設定替えで内容パクリが多いので、文章力は置いといて、現代にしてはスケール大きな作品に進化したと自画自賛。30万字ということで3冊確定コンテストにも応募できるしね。
この作品の途中ぐらいから、2行描写から3行描写に切り替えた。それでも、まだ分かりにくいかもしれないが、2行よりは分かりやすく、1行増やしたので字数を稼ぐのは簡単になった。しかしテンポは悪くなっただろう。
怖いので終えたが、あと6000字で10万か・・・。整理も兼ねて、気軽に書いていこう。制覇はおまけで考えついたものを採用して大作になったということは否定できない。書き続けることに意味があったことが実証された。
おまけ1
万が一の続編、ゲーム化したらのラスボス以降のステージのようなものを描いてみよう。
①天使
日本を制覇して喜んでいる武将たちを上空から見下ろして不敵に笑う4人の影があった。4人は頭に輪っかがあり、背中に羽が生えていた。こいつらは天使である。
「ミカエル、喜ばしておいていいの?」
「今日くらいはいいんじゃないか。」
「そうそう、我々が魔王を退治しなくて良くなったんだから。」
「そうだね、今日ぐらいは喜ばしてあげようよ。」
「ガブリエル、ウリエル、ラファエル。我々は歴史の通り物事を運ぶだけだ。個人的な意思で歴史を変えようとする者と戦わなければならない。その事だけは忘れるなよ。」
「おお!」
天使はライたちの上空から去って行った。去って行ったというより見逃してくれたという方が正しいのかもしれない。もしも天使が今ライたちに襲い掛かかっていれば、ライたちに勝ち目はなかっただろう。
②妖怪。
妖怪たちは魔王サタンとの決戦を終え、本拠地の蝦夷に帰ってきた。8竜の鎧の持ち主カーも一緒だった。母親殺しの件はカーの精神的成長を認めて、アマとギュウは今回は不問に伏した。
「いや! 蝦夷はいいわね!」
「ぬらり子さま! はしたないですぞ!」
「爺や、うるさい。」
平和な日常が妖怪たちにも訪れた。妖怪の長のぬらり子はいつものように爺やに怒られていた。カーは妖怪たちから離れ、蝦夷の人間と妖怪の共存している村にやって来た。
「あ! カーだ!」
「カー!」
「おまえたち、元気だったか?」
「うん!」
カーを迎える子供たちがいる。カーが命を救って蝦夷まで連れてきた子供たちだった。いつしかカーは孤児を集めて、自分たちで生活ができるように面倒をみるようになっていた。
「クソ!? 今度の合戦の時は、こうはいかないぞ!」
「俺たちはもっと経験を積んで強くなるぞ!」
「カーに負けてられるかってんの!」
妖怪3人衆の金剛石、鋼玉、黄玉は自分たちの不甲斐なさを反省し、厳しい雪山で修行して強くなることを誓った。そして、戦闘とは関係のない滑石ちゃんと石膏の癒し女のおみっちゃんは雪だろまを作って遊んでいた。
「ヨイショ。ヨイショ。」
「ヨイショ。あれ? こんな所に雪だるまなんて、あったかな?」
滑石ちゃんとおみっちゃんは雪だるまを作りながら去って行った。中身は魔王サタンが封印されて消えてしまっているが、中身は悪魔サキュバスだった。聖徳太子に蝦夷を支配するように言われてやってきた。
「ガガガ!」
吹雪の中で何かの叫び声だけが鳴り響く。未開の地の蝦夷にはいったい何がいるのだろうか。その存在を知っている者はいない。雪男、雪女、それとも、死んだはずのぬらり子のお父さんかもしれない。
③ アドラメレク。
「ライ! 早くやってこい! 来ないなら、おまえの大切なものを1つ1つ壊してやる!」
太陽神の邪神アドラメレクは富士の樹海でライへの復讐だけを夢に見て生き続けていた。光と闇を併せ持つ化け物として、富士の樹海の邪魂を受け入れたためにアドラメレク自身は土地に縛られて動けない。
つづく。




