第7話。
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「さて、来たか。」
大型の輸送車が自分のレーダーの感知範囲に入った。
「ほぉー、ホントに来たなぁ。」
クーゴが嬉しそうに呟く。
「でもあれは回収に来ただけなんだろ?ATでも積んでりゃもっともうかったのにな。」
「いや、多分積んでるよ。」
「何?」
一番機は完全に大破させてしまったが、二番機と三番機の機能は生きていた。二番機と三番機には恐らく敵の本部と思われる所から通信が入っていたが、敢えて返信をせずに放っておいた。
(全滅したと思って増援を寄越してるはずだ。)
クーゴに敢えて言わなかったのは確証が無かったからと、不安を覚えさせて取引を切られたくなかったからだ。いかに説明をしても4対1でも勝てると信じてもらえないだろう。
「おい、お前騙したのか?」
「自信がなかったから言わなかっただけだ。それにまだATが積んであるかどうかわからんだろ。」
「………………。」
何も言ってこなかったが、納得していなさそうな息遣いが伝わってくる。
数分間クーゴとは何も話さなかった。クーゴも俺と同じく緊張していたのかもしれない。レーダーに映った輸送車が止まり、そのまま動かなくなった。
(何かやってるのか?)
試しに通信傍受をかけると、よくわからないノイズまみれの未知の言語を拾った。
(何だ今の?)
そう考えるとヘルプウィンドウに「音声暗号通信」という項目が追加された。
「おい、今のはなんだ?」
突然のことでクーゴを驚かせてしまったようだ。
「敵の通信を傍受したんだが、暗号通信を使ってるらしく何を言ってるか解らなかった。」
簡単に返答し「音声暗号通信」の項目を読んでみる。
(なになに、だいぶ難しい書き方をしてるが、要は音声を暗号化するってだけか。)
「AT 出てきたぞ、4機。」
レーダーの敵の光点が増えていた。その内の1機の光点が一瞬だけ震えた。
(発砲?)
ゲームと同じ仕様であれば、敵味方問わず発砲した機体の光点が震えるように表示される。
(あんな位置で撃つとしたら何を撃つんだ?誤射か?)
「おい、位置がバレてんだぞ、早く動け!」
クーゴが焦りを露にする。
「えっ?」
「暗号通信の周波数から変えろ!こっちの位置がバレバレだ!」
音声暗号通信の項目をよく読んでみると、送信側と受信側はお互いの位置情報を共有するというような内容が書いてあった。
「マジかよ!?」
(周波数合わせた時点で位置バレしてたのか!ってことはさっき撃ったのは……………)
咄嗟に視点を上に向けた。煙を引いて落ちてくる砲弾が見える。
(迫撃砲!)
そう思うなり勝手に体が動き出していた。ゲームのように、いやゲームよりも自由度が高い。まるで自分の身体そのもののように、12メートルの巨体が走り出していた。