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俺の塩街道

 おう俺は山賊だ。

 今もまだ塩街道を根城にしてる。

 客は変わらずの商人だが、徐々に旅人も増えてきたな。

 俺も変わらずシャルと二人で稼いでるぜ。

 

 だんだんと肩の力も抜けて来たな。

 旅は良好、日差しは良好、俺とシャルでの二人の旅行ってな。

 なんだろうなこの感じはよ、俺の親分力が戻ってきてるのを感じるぜ。

 これなのかマーシェが言っていた、なんかイケる気はするが切欠が欲しいってやつは。

 俺にも魔術師としての才能があったりしてな。

 陸でも海でも魔術でもイケる全方位OMS、オールマルチ山賊頭の誕生だな。

 まあいつか目覚める力は置いといてこれからだな。


 どうもユステルっつうのは国の名前らしいな。

 神々に打ち捨てられた国ユステル。

 俺はてっきり街の名前なのかと思ったんだが、国かあ…。

 それにしても大仰な冠名を掲げた国だな。

 盗賊がいるっつうことはリーファイス様系列を崇めているんだろ、善神から捨てられた街ねえ。

 なんかワクワクしてきたな。

 そこで俺の山賊としての力を大いに振るってやるとするか、金も溜めこんでやがるだろうから一気にビアナの足を治す金も作れそうだな。

 後はえれえ司祭様か、リーファイス様の神官でも使えればいいんだが、悪徳の神の神官で神癒なんた聞いた事ねえからな、どうしたもんかな。

 アイリはどうするつもりだったのか。

 それとも秘密の教会かなんかの情報があるのかもな。

 まあ何はともあれ、ユステルに着いてからか。

 

 お、なんだシャル。

 飯かわかった、ちょっと待て。

 ホラよチーズだ。


 こいつも可愛い奴だよなあ、すげえ慕ってくるし、無垢だし、まあちょっとチーズにはうるせいか、……けど陰口は叩かねえからな···、っおっといかんいかん、親分力が乱れ始めた。

 シャルを良く見て癒されねえとな。

 …可愛い子分だぜ、うへへ。

 おっと食事姿を見続けるのは無粋だったか、悪いなシャル、ホラっお詫びのカース・マルツゥだ。

 っ噛むなよ、冗談だよ。ウジ入りチーズなんてネズミのおめえでも食えたもんじゃねえよな。

 本当はこれだゴルゴンゾーラ・ピカンテだ。

 おめえの大好きな辛口だぞ。

 この前おめえが寝てるときに商人が恵んでくれたんだ。

 最初はドルチェの方をくれたんだが、おめえゴルゴンゾーラだとピカンテ派だろ?

 樽ん中じゃあそればっかりだったもんな、だから無理言ってピカンテをもらったんだ。

 へへっ、話聞いてやがらねえな。

 おうおう夢中に食いやがって、おめえは本当に可愛い子分だぜ。


 いつもどおり街道の隅でシャルを可愛がっていると、通りすがる奴等が何か言ってやがるな。

 まあ高まった親分力のお蔭でもうそんなクソみてえ評判は怖くねえけどな。


 





 俺はいつものように街道から外れた場所に腰を下ろすと火を起した。

 俺達は二人だった。満点の星空に見守られながらの晩飯だ。

 俺はゆっくり獲物を見定め所定の位置に着いた。


 チーズフォンデュ・フォーメーションだ。


 鍋に白ワインを注ぎ、程よく温まったところでシャルに不人気のチーズを突っ込むのだ。

 船から盗んだビスケットを美味しく食べる為に考えた俺の食欲溢れるの陣形だ。

 この陣形を使うようになってからは、チーズの減り方に偏りがなくなった。 

 俺は信奉する悪徳の神リーファイスに祈りを捧げた。

 そろそろチーズを補充させて下さいってなあ。


「オイオイ鳴くなよ、今小皿に分けてやっから」


 いつもの口上、いつもの陣形、いつもの獲物。

 俺は笑みすら浮かべ奴に迫った。

 これは俺の美学だ。シャルが好きじゃないチーズといえでも食べ物は食べ物、好き嫌いが治るように考え抜いた俺の度量が示す晩餐だ。っつってもウジ入りチーズはないぜ、あれはもらった瞬間に商人の口に突っ込んでやったらからな。

 俺はいつものように鍋を振るってスプーンでかき回すとチーズが蕩けやがる、そしたらいつものように子分がチュウチュウと合図を送ってきやがる。俺は小皿に溶けたチーズを入れ、砕いたビスケットを添えてやる。そうするといつものようにがっつき始めるシャル。


「たっぷりあるからな、ゆっくり食えよ」

また少しだけ

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