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帰り道

作者: 夜音沙月
掲載日:2013/02/02

 一年で一番寒い気がする一月下旬。この町にも雪が降り、毎日が寒い。


「うー、寒い!」

「そうだねー」


 『寒い』と叫んでみたところで、急に暖かくなるわけでもないことを判りつつ、私、七瀬理香は呟かずにはいられなかった。

 いつも通りの学校が終わり、友達の杉原桜花と駅へ向かっていた。

 数日前に降り積もった雪が残る道は、見ているだけで寒そう。それに、転びやすくなっているし。

 二月になったら、残り一ヶ月と少しで学年が終わる。四月には新学年になって、クラス替えが行われる。クラス替え。


「クラス替え、嫌だなぁ」


 考え事の途中で出てきた、一つの出来事。そのことについてぼやけば、隣を歩く桜花が不思議そうに首をかしげながらも、言葉を返してきた。


「早くクラス替えをしたいと思うよりは、嫌だと感じる方がいいんじゃないかな」

「どうして?」

「だってさ、クラス替えが嫌だって思えるってことは、そのクラスに良い思い出がたくさんあるってことでしょう?」


 なるほど、と思った。


「そっか。……そうかも、ね」


 普段は子供っぽいくせに、いつから……。


「何、思い出したの?」


 緩んだ口元に気付いた桜花が尋ねてくる。


「ひみつー」


 笑ってそう答えると、頬をぷっくりと膨らませる。


「えー、ひどーい」

「酷くないよ」


 だって、悔しかったんだ。

 桜花が大人っぽいことを言うから。

 ほんのささいな、くだらない嫉妬。


「もう」


 拗ねたようにふい、と前を向いてしまう姿はまだ幼い子供のようで可愛らしい。

 高校に入って出会った、この素敵な友達と、来年も同じクラスになれたらいいなと思いつつ。

 雪が溶けだしている道を、一緒に歩いた。


Fin.



…ひとやすみ…

 ある一月中旬の日、帰りの駅のホームで耳にした会話からできたお話です。

 私より1,2年下の女子高生二人がクラス替えの話をしていました。その会話が聞こえてきて、いいこと言うなぁ、なんて一人思いました。それで、ssに使えそう。というか、書いてみたくなって執筆しました(笑)


H25 1/27 執筆


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