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異界で怪盗  作者: Klein
プロローグ
7/42

森1




「ショートカットするなら最後まで行ってくれよ…」


チンッ!と音を立ててエレベーターの扉が開いて、見えてきたのはでかでかと壁に書かれた「B25F」の文字

どんな関係があるのか知らないが美術館の地下にあったエレベーターと全く同じ階層である


「こうなってくるとタイムスリップしたとか言われても信用できそうだ」


ぶつぶつ言いながらも美術館の地下の通り道を思い出しながら先に進むことにする

別の道が増えていたりなんかしたが階段への道は変わっておらず特に迷うようなこともなく進むことができた


途中でガイコツ戦士が出てきたり定番のスライムが出てきたりしたが、もうミノタウロスと遭遇済みであるケイは特に感想も抱かずにメイスで潰していく


そして24階層を昇りきり後はこの階層を残すのみである

逸る気持ちを抑えてついに階段を発見する

心なしか今までの通路に比べて明るいような気もする


そしてついに階段にたどり着き、ゆっくりと登っていく


思えばこの迷宮にいた時間はそんなに短くもなかった

門のある部屋で24時間を過ごし、この迷宮も道がわかっていたとはいえ襲撃もあったしおそらく4~5時間は費やしたのであろう

美術館に忍び込む前から換算するともう2日くらい太陽の姿を拝んでいなかった


階段の先にある扉に手をかける


「やっと、ついにこの時が!」


この迷宮の出入り口だからなのだろうか、今までの飾り気のない扉ではなくて両開きの豪華な扉である

その扉をゆっくりと力を込め開く

扉の隙間から光が差し込んでくる


「おぉ!」


思わずもれる感嘆


「緑だ!水だ!太陽だぁぁぁーーー!!!」


両手を天に突き上げながら叫ぶ


完全に開いた扉から見えるのは木

大量の木、もう素直に森と言った方がいいくらいの木である

そし近くを流れているのであろう水の音


通常なら人の気配がない森の中に出されたらさらに気力を殺がれるところだが現代人であるケイが太陽を拝めずに化け物が闊歩するようなところで2日も閉じ込められていたのである

特に喚いたりとかそういう行動を取らなくてもガッツリと精神に来ていた

そんな状態で見る太陽や木といった見慣れたものを見るのは単純に嬉しかったのだ























「うめぇ…」


川の水で喉を潤し、これからのことを考える


地上に出てきたのに美術館どころか森になってるし、完全に別の場所だ

とりあえず情報が欲しいので人を探さなければいけない

木に昇って周りを見渡してみるも特に煙が上がってるとか人里が見えるとか言うわかりやすいのはないため、独力で探し出さないといけないのである


(これ以上考えててもどうにもならないか…)


休憩を終え立ち上がり、当てもないので川沿いに歩いていく

このまま行けば最悪森は抜けられるだろうし、そのまま農業地帯なんかにぶつかれば儲けもんである









しばらく森を観察していて色々と気づいたことがある

まず野生の動物が多い

さっきからウサギ(のような生き物)だのサル(決してゴブリンではなかった、決してだ、俺の目がおかしいのである)だのオオカミだのがこちらを木や草の陰からチラチラと窺ってくる

迷宮の中のガイコツ戦士とかと違って発見された瞬間に襲われるようなことはないので楽なのだが、監視されてるようで落ち着かない

それに空を見上げると物理法則に反した大きさの鳥が飛んでたりする

あ、植生なんかについては元々詳しくないので木なんか見たって種類の判別とかつかないから特にない


「うん、異世界だな」


もう無理やり納得することにする

そうなると心配になってくるのは言葉である

神様や魔法で召還されたわけではないので(門は通ったが)翻訳機能とか装備されているのだろうか

メイスに刻まれていた文字が読めなかったために非常に不安である


「人にあっても言葉が通じないんじゃなぁ~、文字はダメでもせめて言葉は通じて欲しい」




考え事をしながらも周囲を警戒しながら進んでいくのであった



新しい人物登場しなかったけど、前回のあとがきって完全にフラグだったよね(^^;

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