迷宮2
PVが1日で300超えました!
嬉しいです!ありがとうございます!
これからも頑張るのでよろしくお願いします
「お腹減った…」
さすがに丸1日野宿する予定なんてなかったから食料なんてものはなく、断食する羽目に…
暗闇の中でどうやって時間の経過を確認するのかというと腹時計ならぬ能力時計の存在である
チャージが半分くらいまでできていること確認してから、メイスやバックラー、道具袋を装備して扉のノブに手をかける
「いざ、尋常に…」
ゆっくりとドアを開けるといかにも迷宮って感じの廊下が一直線に伸びていた
しかもありがたいことに廊下の壁の一部が一定の間隔で非常灯のような淡い光を発しているので視界にも困らない
それでもケイにとっては一長一短だった
(おおぅ、これは微妙だな…奇襲を受ける心配はないが逆に俺より強い相手だった場合に奇襲も隠れてやり過ごすこともできないな…)
心配は残るが前進以外の選択肢がないので慎重に進んでいく
何事も起きないまましばらく進むと上へ向かう階段を発見した
(そういえばここって地下何階くらいなんだろう…地下25階までしか階数表示なかったしな…)
再び25階以上の階段を上らなければいけないのかと思うと嫌気がさしてくる
ウンザリしながら階段を上っていくと警察の目から逃れるために鍛え上げた第六感が何かを察知した
(何かいる!?)
階段の壁からヒョコって感じで頭だけを出してちょっとした広間になっている空間を確認する
そしてここに来て何度目かわからない思考の停止を味わう
牛がいたのだ
いや、ただの牛なら別に思考停止に陥るほど驚きはしない
こんな場所になんで牛?くらいの疑問で済んだだろう
だが、そこにいたのは牛の頭を持った人型がいたのだ
それだけなら被り物を被った人のドッキリで説明がつく、だけれども多きさがおかしい
何度も目をこすって見直しているのだが、何回見ても結果がかわらない
もしアレがフツーの人間サイズならちょっと遠慮したいくらいの近さにいることになるし、もし見えてる通りの大きさだった場合もちょっとお近づきになりたくないくらいの巨体なのである
「おいおい、ミノタウロスに大迷宮かよ…冗談きついぜ…」
引きつった苦笑いとともに思わず声に出してしまった
と同時にミノタウロスの頭がぐるんっ!と回転してこちらに向き、お互いの目がばっちりと合ってしまった
(おぅ…やらかしてしまったぜ…)
ツゥーっと冷や汗が背中を伝う
そんなケイの存在なんか気にしないようなゆったりとした動作で近くに転がっていた大剣なのか棍棒なのかよくわからない棒状の塊を拾い上げる
自然な動作だったので戦わなくて済むのかと一瞬思ったが、持ち上げたのが明らかに武器なのでそんな簡単な話なんてないよなと自分に気合を入れなおし、メイスをしっかりと握りこむ
他にも武器は軍用ナイフや短剣、改造エアガンなんかもあるのだが、明らかに攻撃力不足なので当てにできる武器が使い慣れてないメイスだけだというのもさらに不安を煽る
どの道先に進にはミノタウロスの後ろにある道しかないので相手の準備が整う前に一撃を入れるために身体強化を発動しミノタウロスに向かって突撃するのだった
「せいっ!」
ミノタウロスの右側のわき腹に向かってすれ違いざまに一撃入れる
バコォ!
と言う音とともに肉ではなくてとても硬いものを叩いた感触がする
「かってぇ!」
あまりの硬さに一瞬硬直してしまう
その隙を突くようにミノタウロスの腕が振るわれるがそれをバックステップでかろうじてかわし、再びメイスを構え前を向くと反対側の手に握られていた大剣の一撃が目の前にまで迫っていた
(マズッ!)
既に回避できるような状況ではない
「ブォォォオオオーーー!!!」
ミノタウロスも勝利を確信したのか咆哮を上げながら攻撃を仕掛けてきている
この状況でバックラーで防御しようものならバックラー諸共ぶっ飛ばされて終わりだろ
そうなるとメイスで大剣の軌道をそらすしかない
(くっ、間に合え!!!)
ケイは急いで身体をさらに強化する、この状態だと強すぎる筋力のせいで身体が一撃ごとに負傷してしまうのだ
それにこの力で振るわれたら例え頑丈なメイスであっても質量差が激しいミノタウロスの大剣と打ち合ったら砕けてしまうだろう
ほぼ唯一と言っていい有効打を与えられそうな武器を早々になくしてしまうのは痛手だが背に腹は代えられない
幸い構え自体はできているので気合とともに振り上げる
「うぉぉぉおおおーーー!!!ぉぉお!?」
語尾が疑問系になったのは許して欲しい
メイスを振り上げた時に「異界の門」に触れたときと規模こそ違うが同じように力がメイスに奪われるような感覚がしはじめた
それだけでなくなんとメイスが輝きながら銀の粒子を撒き散らしはじめたのだ
ガッキィイーーーン!!!
甲高い金属音が辺りに響き、信じられない光景がそこにはあった
メイスが銀の軌跡を描きながらミノタウロスの大剣を砕いたのだ
硬直するケイとミノタウロス、お互いに目の前の光景が信じられないのだろう
先にこの硬直から立ち直ったのはケイ
酷使した腕に激痛が走ったのと既に理解の範疇を越えた出来事に遭遇し過ぎて諦めの境地に似た心境だったためである
骨が折れたのか激痛の走る腕をどうにか持ち上げ
強化された脚力で一気に飛び上がり銀に輝くメイスをミノタウロスの頭に叩きつける
グシャァ!!
先ほどとは違いしっかりと肉を叩く嫌な感触が手に伝わってくる
「ブモォ!」
頭を潰され断末魔もろくに発せずに崩れていく巨体が粒子になって消えていく
「お、終わった…のか?」
酷使した右腕の再生をしながらミノタウロスの消えていく様子を見届け
完全に消滅するのを確認してから息を吐きその場に座り込むのだった
再生能力なって持たせちゃったからピンチにさせるのが難しい
かといってなくしちゃうとたぶんケイはすぐに死んでしまう(苦笑)
能力をちょっと劣化させることを考えます




