迷宮1
2章始まりました
そろそろ他の登場人物も出していきたいですね(笑)
目を覚ますと暗闇だった
「ん…ここは…?」
徐々にはっきりとしてくる意識
「なっ!やばっ!気を失っていたのか!?」
慌てて周囲を確認するも暗闇でよく見えない
能力を発動しようとするがここで驚愕する、能力を使うための力が1/8も残ってなかったのである
(ヤバイ、マジかよ。エネルギーもっていかれたのって気のせいじゃなかったのかよ!)
能力の使用可能時間からして気絶していたのは5時間ほどだと思われる
しょうがないので能力を使わずに周りを見回してみる
(なんだ?さっきと雰囲気が違うぞ?)
振り返るとそこには先ほど光り輝いていた門はしっかりとある、あるのだが何かがおかしい
(なんだ?この違和感は?しっくりきすぎて逆に違和感満載なんだけど…)
目が闇に慣れてきてからようやく気がついた、そう違和感がないのである
さっきまでは近未来的な機材に囲まれていたはずなのに今の門の周りにはそういったものがなく代わりに祭壇の様なものや使い方のよくわからない石や木でできている道具がチラホラと転がっている程度なのである
(何が起こったんだ?まさか光り輝いた門のせいで異界に来たのか?まさかな…)
顔が引きつるのを無視してとりあえず異界の線は頭の隅に置いといてそれ以外の状況を考察する
装備は深いフードのついたマント、ノリでつけていた仮面、黒いジャケット、その下にいろんな小物が入るポケットのついたベスト、腰には軍用ナイフに改造エアガン、チノパン、消音性の高いブーツ
(うん、装備は問題ないな)
こうなると捕まった可能性は一気に低くなる
そうなると「異界の門」の中と言う可能性しかもう残ってない、門が開いたことは覚えてるので門の向こう側に来てしまったのだ
とりあえずすることもないので恐る恐る門に触れてみるが力が引き抜かれるような感覚もないし、門自体も開くような気配を見せない
(困ったな…向こうから閉められてしまったのか?)
一気に嫌な予想が頭を駆け巡る、罠だった可能性が否定できないからだ
このまま門が開かなかったら餓死してしまう
(くそぅ!こんなことなら予告状なんて出すんじゃなかった!!!)
仮面にマントに予告状の三拍子そろって初めて怪盗を名乗れると言う趣味全開だったことを今更後悔したって後の祭りである
もし生きてここから出れたらもう予告状なんて金輪際出すまいと心に硬く誓ったのである…
下手なことをして後悔したくないので能力がしっかり使えるまでここで休むことにしたのだが、如何せんヒマなのだ
脱出方法を考えようにも情報が少なすぎるし
先ほど門と反対方向に見つけた扉を開けて進むのもこの状態で行くのははばかれるし
かといって疲労のために休んでるわけでもないのでおとなしくしておくと言うのもなかなか酷な話なのだ
だから部屋の中を物色し始める、RPGでの王道である
なので部屋の中から間の抜けた声が時々聞こえてくる
「お!金貨はっけーん!」
とか
「これって儀式用の杖?でも先の形状見るとメイスか?これも貰っていこう」
とか
「うわっ!なんだよ!祭壇の供物腐ってんじゃねーかよ!」
とかetc…
「ふん、なかなかそろったな」
経年劣化が激しくて使えるものは少なかったがなかなか集めることができてちょっとテンションが上がっている
そこそこの数の金貨や銀貨
磨いたら輝きを取り戻したメイス
なぜか保存状態がよい木材の表面を金属で覆ったバックラー
短剣3本
物を入れても重くならない不思議な袋
ちょっとしたRPGの戦士装備である
防具の類はさすがに抵抗があったために装備はしないが…
…
……
………
なんだこの袋
短剣を装備する鞘がなかったのでとりあえずボロ布で包んで袋に入れてみたところ重くならない、重くないじゃなくて重くならない
しかも明らかに入りそうになかった大きさのメイスを入れてみると何の抵抗もなくするりと入ってしまった…
もうビックリである、思考が数秒とまったほどである
(なんだ!?なんだなんだなんだ!!?)
真っ先に異界説を却下した身としては存在して欲しくないものだった
が、ケイは超能力すら「便利な力だ!」で済まして特別な存在だとかそういうことを言いふらさなかった男である
この程度の不思議体験などまだまだ許容範囲である
そもそも異界であることを真っ先に否定したと言うことは真っ先に頭に浮かんだのはここが異世界であるかもしれないと言うことである
しばらくフリーズした後に立ち直り、本格的にここが自分の常識が通用するような場所ではないのかもしれないと本格的に警戒しはじめたのだ
(扉の向こうはモンスターとかマジでありえそう…やめて欲しいのに…)
そうなると急に動く気がなくなるケイである
結局その後も部屋をうろうろしてみたり寝っ転がったりそのまま寝てしまったりと1日を「異界の門」がある部屋で過ごしてしまったのである




