表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第2章 ピルピル草栽培開始!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/249

第062話 村人大集合


「このたびは、おいらたちを受け入れていただき感謝いたしますだ。ウチのバカが勝手に皆様(みなさま)(あり)を食べちまったことのお()びも()ねて、どうにかおいらたちもハク様のお役に立てるよう頑張(がんば)るつもりなんで、どうかよろしくお願いしますだ」


 マルさんが連れてきたミナミコアリクイ族の族長が深々と頭を下げた。(そろ)って挨拶(あいさつ)を聞いていた(ねこ)族の族長やボアボアたちもなぜか満足気なのですが、この人たちはどうして(おれ)に頭を下げているのでしょうね……


(みな)さん、言っておきますが、(おれ)(みな)さんにここに住まわせてもらってる立場なんですよ。ですから、(おれ)に頭を下げるのは筋違(すじちが)いなんですって!」


 しかし全員が(そろ)って首を横に(たお)し、「???」とハテナマークを頭上に(ただよ)わせている。そもそもこの人たちは、(おれ)が森にやってきたばかりの新参者だって本当にわかっているんだろうか。


「安心しろ、(こま)ったときはお(たが)(さま)だ。それに食料の問題に関しても、ハクがいることだし何も問題なかろう。そうですよね、族長?」


 マーロンさんと族長がウンウン(うなず)きながら勝手なことを言っている。あまり調子の良いこと言わないでいただけますかね……?

 それにしても、これはまた大袈裟(おおげさ)なことになった。(ねこ)族の村人や、ボアボアを初めとするボアたちの群れ。それにミナミコアリクイ族の面々が一斉(いっせい)に集まると、これはもうそれなりの規模(きぼ)だ。


 しかもそれぞれが(そろ)って全員モコモコで、真面目(まじめ)な顔をしていても、どうにも顔がほころんでしまう。これはいかん、どうしたものだろうか!?


 知らぬ間に(おれ)自宅(じたく)近くへと村を完全移転させた(ねこ)族に加え、裏庭(うらにわ)同然の沼地(ぬまち)にはボアたちが。そして畑の(わき)に余っていた土地にマルさんたちの(うち)を建てることが決まり、(おれ)たちはピルピル草の栽培(さいばい)並行(へいこう)して諸々(もろもろ)の作業を進めていくことで合意した。


「それにしても意外でしたよ。マーロンさんやリッケさんは、(かれ)らの移住に反対するものだと思ってましたから」


「え、どうして?」とマーロンさんが聞く。


「だって、あれだけ苦労して(つか)まえた(あり)たちを食べちゃった人ですよ? 普通(ふつう)抵抗(ていこう)あるでしょ。今後も勝手に食べちゃうかもしれないんですから」


「確かに」とリッケさんは笑っているけど、それなりに問題な気もするんだけどなぁ、(おれ)は……


「ところでおひとつ確認(かくにん)なのですが、リッケさんはいつまでこちらにいらっしゃるおつもりで? あれからずっと町へ(もど)らず村にいらっしゃいますけど、大書庫のお仕事は如何様(いかよう)に?」


 ポンと手を打つリッケさん。

 しかし(みょう)冷笑(れいしょう)()かべたまま、(おれ)のことをジッと見つめている。

 ……何やら(いや)な予感が。



「―― めました」


「……ハイ?」


()めましたよ、ウフフフフ」


「…………や、やめた?」


「大書庫の仕事はもう()めてきました。あそこにあった書物の中身はもうほとんど頭に入っていますし、最近はずっと退屈(たいくつ)でイライラしていたところだったんです。ですから今後は、こちらの村でお世話になろうかと!」


 指さす先にはゲスト用の建物が。どうやら家財道具一式(いっしき)(すで)()()()みらしく、(ねこ)族の(みな)さんにお願いしたのか彼女(かのじょ)の荷物を整理している真っ最中だ。


「……は、はいぃ?」


「ということでハクさん、これからもよろしくお願いしますね♪」


 アリクイ族の族長と固く握手(あくしゅ)()わしたリッケさんは、「ウフフフフ、モフモフよ、モフモフ♪」と上機嫌(じょうきげん)なご様子。冗談(じょうだん)ですよね?


「いやいやいやいや、さすがにそれはどうでしょうか!? リッケさんの人生までは、さすがに背負(せお)えませんよ!」


 すると不思議そうな顔をした彼女(かのじょ)は、(おれ)のあご下に(やさ)しく()れながら、「(わたし)の人生って?」と(あや)しく聞き返した。


「し、収入面(しゅうにゅうめん)や仕事面など、生活の保証に決まってるじゃないですか。(ほか)に何があるって言うんですか」


「な~んだ、ハク様が(わたし)の一生を面倒(めんどう)見てくれるってことじゃないんだ。ざ~んねん、フフフ♪」


 (おれ)が顔を赤くするのを楽しんでいるのか、フッと耳に息を()きかけ、「引越(ひっこ)しの様子を見てきま~す♪」と行ってしまった。


 しばしひとり呆然(ぼうぜん)としていると、(となり)から「オホンッ」と咳払(せきばら)いが聞こえてくる。すぐ(われ)に帰るも、ジトーっとした視線(しせん)(おれ)を見つめていたマーロンさんが、「ずいぶんと(うれ)しそうですね」と一本調子に言った。


「え!? いや、別にそんなことは!?」


「ですよねー。やっぱり人族は人族の女性の方が好みですもんねー。『ハク様』もやっぱり人族ですもんねー。ですよねー」


 無表情でくるりと()(かえ)るマーロンさん。

 これはマズい、なんだか急激(きゅうげき)にマズい気がしてきたぞ!!


「いや、そんなのないから! 人族とか、(ねこ)族とか、ましてやそんな目でも見てないというか、なんというか!!?」


 上手く言葉が出てこない!

 (だれ)か、(だれ)か助けてー!!


「ふふっ、バーカ! もう知らない!」


「ご、ごめん、ごめんなさいって!?」


「別に(あやま)ってもらう必要ないよ~だ。ね~、ポンチョ?」


 欠伸(あくび)していたポンチョを持ち上げ、(おれ)の顔に()()ける。「ポンチョお面じゃなーい!」と(いや)そうにバタバタするモコモコさんを()()みながら()きついた彼女(かのじょ)は、「また仲間が増えて良かったね」と笑った。


 確かに、それはそうですね。

 彼女(かのじょ)はいつもそう思わせてくれる魔力(まりょく)みたいなものがあるのかもしれない。


 ムキー!と(おれ)の顔を遠ざけようと抵抗(ていこう)しているポンチョのプニョプニョの肉球を鼻にあてたまま、「ムハハハハ!」と笑い返してやる。すると「ポンチョもやるー!」と、モコモコさんも()られて笑っていらっしゃる。


 これから何が起こるかわからないけど、なんだかもう深く考えるだけ損な気がしてきた。今はただこの幸せでしかない一瞬(いっしゅん)を、どうにか楽しめばいいんじゃないかな。


 うん、多分そうだ!

 そうに決まってる!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ