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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第2章 ピルピル草栽培開始!

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第056話 優秀すぎるポンチョ探偵


 ()()二人(ふたり)をどうにかなだめ、(おれ)たちはゲージの中を入念に確認(かくにん)してみることにした。しかし(わず)かに残っている(あり)のほかに姿(すがた)はなく、やはりどこかへ消えてしまったらしい。


「そんな馬鹿(ばか)なことが!? 昨日(きのう)今日(きょう)で、あれだけいた(あり)がいなくなってしまうなんて!」


(あり)()げてしまった可能性はありませんか?」


「それはわかりませんが……。しかしゲージが(こわ)れている様子はありませんし、今もちゃんと温度管理や魔力(まりょく)管理の機能は働いています。なにより問題が起こって死んでしまったとしても、その亡骸(なきがら)はゲージの中に残っているはず。それが跡形(あとかた)もなくいなくなってしまうなどあり得ません」


「ゲージから()げた可能性は(うす)いと。もし仮に共食いしちゃったとしたらどうです?」


「共食いを起こしたにしろ、全体に対する体積が減ってしまうわけではありません。ですから残った(あり)たちに何らかの変化が見られるはずですが、そういった様子も見られない。であれば、(おそ)らく共食いの可能性も低いでしょう」


 (わず)かに残った(あり)たちを見つめながら呆然(ぼうぜん)と語るリッケさん。しかし生きている生物が、突如(とつじょ)として理由もなく消えてしまうなど普通(ふつう)ではない。しかも昨夜からまだ数時間しか()っておらず、()げるにしてもそれほど大量に()()すチャンスがあったとは到底(とうてい)思えない。


「だとすれば、意図的に(だれ)かが(あり)を……?」


 (つぶや)きに反応し、リッケさんが目をひん()いて(おれ)の服をたくし上げた。「貴様(きさま)かー!」と(いか)(くる)う様は(われ)(わす)れているご様子で、「そんなはずないでしょ!?」と反論(はんろん)しても、しばらく(いか)りが(おさ)まることはなかった。


「まずは落ち着いて、冷静に考えましょう。そうですね、でしたらひとつずつ可能性を消してみましょうか」


 (おれ)二人(ふたり)に「()ってー、ゆっくり()く~」と深呼吸(しんこきゅう)するように(うなが)した。しかし鼻息(あら)二人(ふたり)は、血走った(けもの)()でフンガフンガ(いき)り立っている。肉を目の前にした野獣(やじゅう)か!


「まず可能性として考えられるのは、(だれ)かがゲージを()(わす)れたとか、単純(たんじゅん)人為(じんい)的ミスですね。その点いかがですか?」


 するとリッケさんがフンヌッと手を挙げた。


「それはあり得ません。例えこの(わたし)がこの(とびら)()(わす)れたとしても、このゲージは自動的に()まるよう設計してあります。何より、これだけ楽しみにしている(わたし)(とびら)()(わす)れるはずがありません!」


 それにはマーロンさんも同調し、昨晩(さくばん)二人(ふたり)でしっかり確認(かくにん)し、ゲージを後にしたという。そこはしっかり見たのね。


「では次です。今度はこの中の(だれ)かが意図的に(あり)()がした場合でしょうか。いや、意図的でなくても()がしてしまう可能性はあるのかも。そこは如何(いかが)です?」


 しかし(おれ)の質問自体に()って()かった二人(ふたり)は、「そんなのあり得ない!」と反論(はんろん)する。むしろお前の仕業だろと(うたが)われることとなり、また(はり)(むしろ)となっております。


「で、では次の可能性を考えましょう。今度は偶然(ぐうぜん)の可能性ですかね。偶然(ぐうぜん)なんらかの現象が起こり、(あり)たちが()げてしまった、とか?」


漠然(ばくぜん)偶然(ぐうぜん)などと言われても……。(わたし)にはどんな偶然(ぐうぜん)が起これば(あり)()げてしまうのか想像もつきません」


 いじけたようにリッケさんが(つぶや)く。

 確かに偶然(ぐうぜん)でこれだけの数の(あり)がいなくなるとは考えづらい。となると残る可能性は(しぼ)られるが……。なんともそれを口にするのは少々後ろめたい気もする。


「だとすると、残る可能性はもう一つしかないですね……」


 場に緊張感(きんちょうかん)が増していく。

 それは当然、これから語る可能性が、(みな)にとって最重要事項(じこう)であることを全員が理解しているからだ。


(おれ)たち以外の第三者が意図的に(あり)()がした。もしくは処分(しょぶん)した、と考えるのが妥当(だとう)でしょうね」


 そう、残る可能性で最も大きいのはこれしかない。(いか)りのぶつけどころがなく、(おれ)の頭の上からポンチョを(うば)ったリッケさんは、「ポンチョちゃんは(あり)さんがどこへ行ったか知らないよね!?」と質問した。


「ポンチョ、アリさん知らな~い」


 (おれ)(となり)でずっと()ていたポンチョがそんなことを知る(よし)もない。これは(まぎ)れもない事実だ。


 ……しかし(おれ)は経験則で知っている。

 こんなときに限って、いつもポンチョがおかしなことを言い出すことを。


 (おれ)思惑(おもわく)を知ってか知らずか、突然(とつぜん)リッケさんの手を()り解いたポンチョがゲージの中を(のぞ)()んだ。そして(わず)かに残っていた(あり)たちを(うれ)しそうに見つめながら、「これすごーい!」と何かを指さして喜んでいる。一体何が(すご)いんだ?


 (おれ)たちはポンチョの言う(すご)いものを(さが)し、もう一度ゲージを(のぞ)いてみた。しかし特に(すご)いところはなく、中では数(ひき)(あり)が歩き回っているだけだ。


「ねぇポンチョ、何が(すご)いの?」


 マーロンさんがポンチョを(かか)えながら質問した。するとウチのモコモコさんは、身を乗り出すようにしてゲージに入り、箱の中から一ヶ所を指さして言った。


「え? ゲージの中?」


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