↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
序章 解放と再スタート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/441

第013話 ボアの大量発生


 ―― 翌朝(よくあさ)




 コイツらは育(そだ)ち盛(ざか)りか?

 育(そだ)ち盛(ざか)りなのか!?


 俺(おれ)よりずっと早く寝(ね)ておきながら、まだ気持ちよさそうに眠(ねむ)り続(つづ)けている。ポンチョはまだしも、こちらの獣人(じゅうじん)様はよほど疲(つか)れていたのか、あまりにも無防備に起きる素振(そぶ)りすらない。


「……こうなったら仕方ない、実力行使だな」


 睡眠欲(すいみんよく)の次にやってくるもの。

 それは食欲(しょくよく)だ!


 昨晩(さくばん)のうちに作っておいたカリカリに焼いたベーコン風干(ほ)し肉(にく)や、挽(ひ)いた肉を炒(いた)めて味付けし固いパンの上に置いたものをベッドサイドのテーブルに置き、温めながらパタパタと団扇(うちわ)に見立てた紙で扇(あお)いでやる。さらには早起きして町で購入(こうにゅう)してきた米風穀物(こくもつ)を皿に盛(さか)り、その上に野菜とそぼろ状にした肉を敷(し)き、わざとらしく手に握(にぎ)って奴(やつ)らの鼻に近付ける。


「ふぅん、クンクン……、ぐこっ! ご、ごはん!? ゴハーン!」


 クククッ、単純(たんじゅん)な奴(やつ)め。

 朝飯の匂(にお)いに釣(つ)られてポンチョが目を覚ました。しかし完全覚醒(かくせい)には程遠(ほどとお)く、半開きの目でイモムシのように皿にしがみついている。「お行儀(ぎょうぎ)が悪いですよ!」とお尻(しり)をパチン。


「……ん、んんん……、ハッ!?」


 ようやくマーロンさんもお目覚めですか。


 しばし周囲を確かめたのち、パタパタ風を送っている俺(おれ)を見つけ、「何をしているんだコイツは……」という顔でこちらを見ている。ほっとけ。


「いつまで寝(ね)ているのかねキミたちは。もうとっくに朝ですよ、さっさとご飯食べちゃいなさい!」


 大阪(おおさか)のオカンのように、フライパンをカンカンして叩(たた)き起(お)こす。マーロンさんは妙(みょう)なテンションについてこれないようだが、ポンチョはいつものように上機嫌(じょうきげん)で、もう勝手にご飯を食べている。自由か。


「……◎△$♪×¥○&!?」


 しかし我(われ)に返ったのか、マーロンさんは見知らぬ人物の部屋(へや)で寝入(ねい)ってしまった自分に驚(おどろ)き、顔を赤らめている。いや、今さらかい!


「それ食べたら、今日(きょう)も一日お仕事ですよ。マーロンさんはどこに住んでるのか知らないけど、よろしければついでに送っていきますけど」


「♪×¥、○&◎△$♪×%#」


「いや、わからん。あとでギルドに寄るので、そこで話を聞かせてください」


 微妙(びみょう)な空気が漂(ただよ)う中、食事を終えた俺(おれ)たちは身支度(みじたく)を整え再びギルドへ向かった。朝一のギルドは冒険者(ぼうけんしゃ)の姿(すがた)が多く、活気に溢(あふ)れ、ハツラツとした空気が漂(ただよ)っていた。しかし反対に受付窓口(まどぐち)にいるローリエさんは、なぜか朝から頭を抱(かか)え、酷(ひど)く落(お)ち込(こ)んでいるご様子。何かあったのだろうか?


「おはようございますローリエさん、なにやら元気がないみたいですが?」


 重そうな頭を持ち上げながら、取(と)り繕(つくろ)った表情で「おはようございます」と挨拶(あいさつ)した彼女(かのじょ)は、途端(とたん)に据(す)わった目で掲示(けいじ)板に視線(しせん)を移しながら呟(つぶや)いた。


「アレですよ、アレ。ホント、朝から勘弁(かんべん)してほしいです~」


 どうやらクエスト掲示(けいじ)板に貼(は)られた何かが原因らしく、俺(おれ)たちは彼女(かのじょ)の指さす先を覗(のぞ)いてみた。そこでは既(すで)に集まった冒険者(ぼうけんしゃ)たちが紙を覗(のぞ)き込(こ)みながら、口々に噂話(うわさばなし)を広めていた。


「ええと、なになに。モリスの森、西南の最深部にて、ゴールデンワイルドボア発生の目撃(もくげき)情報有。至急(しきゅう)討伐(とうばつ)されたし……?」


 俺(おれ)が知る限り、ゴールデンワイルドボアはワイルドボア亜種(あしゅ)のさらに上位種で、普通(ふつう)の環境(かんきょう)ではまず発生しない超(ちょう)がつくレアモンスターだ。しかも町からほど近い森に発生することは稀(まれ)で、仮にそのボアたちが徒党(ととう)を組んで町を襲(おそ)うようなことがあれば、万単位の人が住む町ですら滅(ほろ)ぼされかねない。どうしてそんなモンスターが近くの森に?


 他人事のように見つめていた俺(おれ)とポンチョの隣(となり)で苦々しい顔をしているマーロンさん。彼(かれ)と出会った状況(じょうきょう)を考慮(こうりょ)すれば、それが関係していることは聞くまでもないが……、どうしたものか。


「俺(おれ)たちは今日(きょう)も森へ薬草採取に出かけるつもりですが、マーロンさんはどうします? まずは自宅(じたく)へ帰りますか?」


 しかし俺(おれ)の質問に答えるより先に、彼(かれ)が慌(あわ)てた様子でギルドを出ていこうとする。だが焦(あせ)って飛び出したところで、良い結果に繋(つな)がるとは限らない。俺(おれ)はすぐに彼(かれ)の手を掴(つか)み、「もう少し情報を集めませんか」と提案してみる。


「○&◎△$♪♪×%#」


「うん、わからん。ちょっと待って、ギルドの担当(たんとう)さんにお願いしてみるから」


 俺(おれ)はローリエさんに依頼(いらい)し、獣人(じゅうじん)語が話せる職員さんに通訳(つうやく)をお願いした。すると彼(かれ)は通訳(つうやく)の職員に「情報の出どころを留めてほしい」と前置きしてから、俺(おれ)たちに打ち明けてくれた。


 数週間前からモリスの森の西側でワイルドボアの大量発生が起こっているらしい。彼(かれ)はその原因を探(さぐ)るため西の森で情報を集めていたところをボアの襲撃(しゅうげき)に会い、そこで俺(おれ)に遭遇(そうぐう)した、ということらしい。


「だとしたら、我々(われわれ)はすぐにでも対策(たいさく)を打たなくては……。こうしてはいられない!(※通訳(つうやく)さんのセリフ)」


 聞くところまで聞いて、通訳(つうやく)さんがギルドマスターに情報を伝えるため飛んでいってしまった。「まだ話の途中(とちゅう)なんですけど!?」という俺(おれ)の引き止めは、虚(むな)しくも無視(むし)されてしまった。ちょっと酷(ひど)くないですか!?


「ですが、もしマーロンさんの言葉が正しいとしたら大問題ですよ。私(わたし)たちがこうしている間にも、徒党(ととう)を組んだボアたちがいつ攻(せ)めてくるかも……。マーロンさん、どうしましょう!?」


 隣(となり)で話を聞いていたローリエさんが錯乱(さくらん)気味に慌(あわ)てている。その証拠(しょうこ)に、今後のギルド方針(ほうしん)をなぜかマーロンさんに訊(たず)ねている。それを決めるのが貴方(あなた)たちギルドの仕事でしょうに……。



 しかしまぁ、それはそれとして――



「クエストを受けたいのですが。昨日(きのう)と同じやつを」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。