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異界強制送還  作者: ヤッスー
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4話:侵略村②

トキナとザッシュはヒューブリッツのネコン村に来ていた。


「トキナ先輩、これからどうするっすか?」


「とりあえず宿にむかいましょ。

 荷物を置いたら村の住人への聞き込みね。」


「了解っす。」


2人は村唯一の宿へ向かった。


「いらっしゃいませ。

 人探しに来られた方ですよね?

 話は聞いています。

 2部屋、ご用意していますのでご利用ください。」


「えっ、ありがとうございます。」


「なんか用意良すぎじゃないっすか?」


ザッシュが小声で話す。


「そうね。用心しましょう。」


トキナも小声で返す。


「ところで、店主さんいくつか質問いいですか?」


「質問ですか?」


「はい、この2人の行方に心当たりはないですか?

 この宿に泊まったと思うんです。」」


トキナは調査員たちの似顔絵を見せた。


「さぁ、どうだろうねぇ。

 見覚えある気もするけどよく覚えてないねぇ。

 それに仮に泊まっていたとしてもそのあとどこ行ったかなんて

 知ってるわけないだろう。」


「そうですよね。

 ちなみに最近この村で何か変わったことありませんでしたか?」


「変わったこと?

 何もないよ。いつも通り退屈な村だよ。」


「そうですか。ではなぜこの村は今、外部からの立ち入りを禁止しているのですか?」


「そ、そんなことアンタたちには関係ないだろ!

 この村の事情ってやつだよ。

 さっ、もういいだろ。仕事の邪魔だよ。」


「ありがとうございました。」


質問を終えて用意されて部屋へと向かった。


5分後、ザッシュの部屋で2人は今後について会話していた。


「ここの店主、絶対何か隠しているっすよ!」


「そうね。

 何か探られたくない腹があるのは間違いないわね。

 それでも私たちを迎え入れた。

 やはり私たちがこの村に滞在しているうちに何か仕掛けてくるつもりね。」


「まじっすか!?でもなんでなんすか?

 異界人に脅されているんすかね。」


「分からないわ。ただもうこの村は敵地だと考えた方が良いわ。

 可能な限り聞き込みをしたら、私のスキルで帰る。

 いいわね?」


「了解っす!」


「ただその前に。」


そう言ってトキナを部屋を出て廊下を探り始めた。


「トキナ先輩、どうしたんすか?」


「入界管理局の調査員は諜報活動のエキスパートよ。

 どんな状況に陥ったとしても何か手がかりは残しているはず。

 ザッシュ君も何かおかしなところはないか探して!」


「了解っす。でもなんで部屋の中じゃなくて廊下なんすか?」


「ここは宿屋よ、誰でも自由に部屋に出入りできるわけじゃない。

 そうなったら廊下に残すのが一番見つけてもらえる可能性があるでしょ。」


「なるほどっすね。」


しばらく宿屋の廊下を探索した。


「トキナ先輩!」


ザッシュが声を上げた。


「どうしたの?何か見つけた?」


「はい!ここの壁なんすけど、何か剥がれそうなんすよね。」


そう言って、壁を引っ搔くと一部がシールのように剥がれた。


「トキナ先輩、これ。」


そう言って手のひらほどの剥がれたシールを見せてきた。

シールには『サガタ 支配』と書いてあった。


「支配はともかく、『サガタ』ってなんすかね。」


「おそらくは異界人の名前でしょうね。そして何らかの力で村人を支配している。

 連絡で言っていた、侵略という言葉も併せて考えると、

 村人を支配することで次々と村を侵略しているってところね。」


「じゃあこれまでの交流が途絶えた村は全部…」


「侵略されたと思ってよさそうね。」


「マジっすか。」


「とにかく、あと少し聞き込みをしたら一度戻るわよ。」


「了解っす!」


そう言うと2人は再び、外へ繰り出し聞き込みを始めた。


「すいません質問よろしいでしょうか?」


通りすがりの村人へ声をかけた。


「な、なんですか?時間がないから手短にしてくれよ。」


「もちろんです。ではさっそく、異界人について何かご存じないですか?」


「い、異界人?そんなの知らないよ。こんな辺境にいるわけないだろ。」


「そうですか?ギゼルという村にいると聞いているんですが。」


「だから知らないって言ってるだろ。もうどっか行ってくれ!」


「分かりました。では最後に『サガタ』という言葉に聞き覚えは?」


そう言うと村人はひどくおびえ始めた。


「知らない!俺は何も知らない。

 もういいだろう。アンタらも早く帰った方が良い。」


「そういわれてもですね…」


「どうかされましたか?」


トキナと村人が話していると別の村人と思しき男が話しかけてきた。

男が近づくとそれまで話していた男は急に姿勢を正した。

少しおびえているようにも見えた。


「お話し中ですか?なんの話か私にも聞かせてください。」


「そ、それが異界人を知らないかと聞かれていまして…。」


「そうですか。ありがとうございます。もう行っていいですよ。」


男が村人にそう言うと、村人は足早に去っていった。


「それにしても、あなた方の尋ね人は異界人だったのですか?」


「えぇ、まあ。」


「そうですか。では、私たちではお役に立てなさそうですね。

 異界人なんてこの辺りでは見たことも聞いたこともないですからね。」


「そうですか。では『サガタ』という言葉に覚えは?。」


「さぁ、知りませんね。誰ですか?」


「誰?私、人の名前なんて一言も言っていないのによく人の名前だってわかりましたね。」


「な、なんとなくですよ。」


男は慌てて反論する。


「いいえ。この世界で『サガタ』と聞いて名前だと思う人間はいないわ。

 そう思うのは『サガタ』という名前の人間を知っている人だけだわ!」


「うっ、」


男は図星を突かれたように声を出した。

そして、開き直ったように語り始めた。


「はぁ、あなた方には困ったものです。入界管理局さん。」


「へぇ、分かってたんだ。」


「異界人を探ろうだなんて、入界管理局の方ぐらいでしょう。

 お仲間も姿を消したというのに懲りない連中ですね。」


「やっぱり、あの2人のことも知っているのね。」


「えぇ、あの方たちは運が悪かった。」


「あの2人をどうしたの?」


「死んではいないと思いますよ。今頃はサガタ様のもとでしょう。」


「ギゼルね。」


「えぇ、サガタ様の拠点となっている村ですから。」


「急に素直ね。観念したのかしら?」


「いいえ。どうせあなた方はもう帰れないですから。」


そう言うと男は大きく手を叩いた。


 パンっ!


すると、村中から武器を構えた村人が現れた。


「まるで軍隊っすね!」


「さぁ、逃げ場はありません。おとなしくしていただきましょう。」


「さーて、それはどうかしら。

 ザッシュ君!!」


そう言うと、トキナは筒状にして持っていた布を地面に広げた。

布には複雑な模様が描かれていた。

トキナが模様に魔力を通す。


 結界術スキル、第三技能(サードアーツ):『瞬転結界』


トキナとザッシュが光に包まれる。


「何かする気だぞ!やれー!!」


男の叫ぶ声も虚しく、トキナとザッシュはその場から姿を消した。


「すぐにサガタ様に報告だ!!」



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