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異界強制送還  作者: ヤッスー
17/22

16話:正義の視点②

トーア達たち3人はイースデンへ入国し、馬車で首都ヴェルデへ向かっていた。


「そういえば、トーア先輩ってイースデンの出身っすよね?」


「ああ、ヴェルデよりもさらに東にあるド田舎だけどな。」


「もう長いこと帰ってないのよね?」


「入界管理局に入ってからは一度も帰ってないな。

 ヴェルデだって、小さいころに行ったっきりだと思う。」


「そーなんすね。俺なんて長めの休みが取れるたびに実家帰ってるっすよ。」


「それがいいだろ。」


ヴェルデまでの道中、3人で取り留めのない話をした。


「ところで、出発前にナヴィーさん気になること言ってなかった?」


「あー、前回とは違った難しさがあるってやつか。」


「そう!あれってどういうことなのかしら?」


「二人は貴族にどんなイメージを持ってる?」


「偉そうでいけ好かないっすね。」


「私も大体同じかな。お金持ちで偉くて別の世界の人って感じ。」


「まぁ大体そんな感じだよな。

 だけどイースデンは他国より更に貴族と庶民とで貧富の差が激しいんだ。

 同じ人として見ていないような奴だっている。

 だからイースデンの貴族は庶民から妬まれ嫌われているんだ。」


「へぇ、そうなんだ。

 それでそれが何の関係があるの?」


「じゃあ、自分の敵を次々に倒してくれるやつがいたらどう思う。」


「そりゃあ、心強いっすよ。」


「そうだろう?

 じゃあ、そんな心強い味方を捕まえようとするやつがいたらどう思う?」


「そんなの決まってるわよ。

 味方を捕まえようとするんだから敵でしょ?

 あっ、なるほどそういうことね。」


「えっ、どういう事っすか?」


「つまり、この事件の犯人は一般市民から見ると貴族を懲らしめてくれる味方で

 いわゆる義賊のような存在になってる可能性があるってことだ。 

 そしてそんな義賊を捕まえようとする俺たちは市民の敵になるってこと。」


「これまで私たちが相手をする異界人は皆、

 この世界の人にとっては迷惑でしかない人ばかりだった。

 だからみんな、快く協力してくれた。

 でも今回はそうはいかないってことね。」


「そういうこと。」


「この任務は異界人が云々の前に単純に事件として解決が困難になると思う。」


「マジっすか~。俺そういうのは苦手なんすよね。」


「俺だってやりたくねぇけど。

 仕事だ。やるしかないだろ。

 とにかくもうすぐで首都ヴェルデに着く。

 着いたら、アイゼル侯爵の屋敷を訪ねるようナヴィーさんから言われている。

 くれぐれも粗相のないようにな。」


「へーい、了解しましたー。」


会話をしているうちに

3人を乗せた馬車は首都ヴェルデへと到着した。

早速、トーア達はナヴィーに言われた通り話を聞きに

アイゼル侯爵の屋敷を訪れた。

屋敷は大きく、広大な庭付きでこれぞ貴族の家と言った感じだ。


「でけー!これが貴族の家っすか。」


「ちょっと、ザッシュ君。

 これから貴族様と会うんだから本当に言葉には気を付けてね。」


「分かってるっすよ。」


呼び鈴を鳴らすし、しばらく待つと家政婦が出てきた。


「入界管理局の方ですね?

 話は旦那様から伺っています。

 どうぞお入りください。」


家政婦に屋敷の中へ通され、アイゼル侯爵がいる部屋まで案内された。


 コンッ、コンッ


「旦那様、入界管理局の方々を連れてまいりました。」


「通せ。」


家政婦が扉をノックし声をかけると、一言返事が返ってきた。


「失礼します。」


家政婦が扉を開け、部屋に通される。

中のアイゼル侯爵はひげを蓄えた凛々しい顔立ちの中年男性だ。


「入界管理局一行、遠いところよく来てくれた。

 私はファギス・アイゼルである。」


「入界管理局のトーア・メギスです。

 お招きいただきありがとうございます。

 そして左からザッシュ、トキナです。」


「メギス、そうか君が…。

 君のことはよく知っているよ、

 この世界で唯一、異界人を倒すことができるスキルを持っていると。」


「えっ?」


「驚くこともあるまい。

 異界人に対抗できる力を持ったこの世界の希望。

 そんな存在がこのイースデンが現れたとなれば、知らないはずがなかろう。」


「恐縮です。」


「そう硬くならなくてもよい。

 さて、挨拶はこのくらいにして早速本題に入らさせてもらう。

 まずは座ってくれ。」


侯爵に促され3人は席に着いた。





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