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異界強制送還  作者: ヤッスー
15/22

14話:神世教

「いやー、相変わらずここは発展してるっすねぇ。」


「そうだな。」


差形の一件の疲れも抜け日常に戻ったある日。

トーア、トキナ、ザッシュの三人はお昼休憩で

昼食を食べにユニオン本部の西側に位置する

宗教国家フォルテックまで来ていた。


ユニオンは超国家組織として設立されているため、

所在地も複数の国境線の交点となっている。

そのため、どこの国にも属しておらず、いくつもの国と接している。

西に出ると宗教国家フォルテック、南に出るとストラトス帝国といった具合だ。


「先輩たちは何が食べたいっすか?」


「そうねぇ、ここは美味しい食べ物がたくさんあるから迷うわね。」


「俺は、アレが食いたい。なんだっけ、あの細長い麺が入ってるスープ料理。」


「もしかしてラーメンの事っすか?」


「ラーメン!それだ!それが良いなー。」


「ラーメンいいっすね。でもあれスープ料理って言わないっすよ。」


「うるせぇな。仕方ないだろ。

 異界の料理の名前は馴染みが無くて覚えづらいんだよ。」


「そうよね。しかもここ以外ではなかなかお目にかかれないしね。」


「日ごろからイカれた異界人相手にしている身からするとお気楽なもんだよな。

 異界人や異界の文化をここまで受け入れるなんて。」


「トーア、気持ちはわかるけど異界人全員が悪人って訳じゃないわ。

 それに異界の知識や技術がこの世界を大きく発展させたのも事実よ。」


「それは分かってるんだけどさ…」


「トーア先輩はそもそも神世(しんせい)教が嫌いっすもんね。」


神世教、この世界最大の宗教。

この世界は女神によって創造され、今も女神の加護により守られているという教えを掲げている。

この世界の人間は15歳になると教会で女神よりスキルが与えられる。

そのため女神の存在を疑うものはほとんどおらず、スキルという特別な力を授けてくれる点からも

神世教は多くの人々から支持され信仰されている。


神世教では女神が見守ってくれているという教えの元から

全ての事象は女神の意思による、この世界がより良くなるためのものと考えられている。

そのため、異界人が現れたことも女神の意思によるものだと考え

積極的に異界人や異界の文化を受け入れている。


「別に嫌いって訳じゃないけど、なんかな。

 すべては神のご意思だとか、神が俺たちを見守ってくれているとか

 そういうのが信じられないってだけだよ。」


「でもトーア先輩だって、15の時に女神さまから

 スキルを与えられたんすよね?

 それでも信じられないんすか?」


「いや、神の存在を信じてない訳じゃないんだよ。

 神が俺らを見守っているとかっていうのが信じられないって話。」


「なるほどっすねー。よくわかんないっすけど。」


「ちょっと、2人とも。神世教を国教に掲げている国でなんて話してんのよ!

 周りの人に聞かれたら怪我じゃすまないわよ。」


「へいへい。」


トキナに怒られながら、3人は目的のラーメン屋へと着きラーメンを堪能した。


「いやーうまかったすね!」


「本当に何度食べても美味しいわね。

 こういうところは異界人に感謝ね。」


「あぁ、うまかった。

 悔しいが、異界人たちが持ち込むものは

 ことごとくこの世界のものを凌駕する。

 異界人たちがいた世界ってのは相当に発展した世界なんだろうな。」


「そうね。どんなところか少し興味あるわね。

 いつか行けたりするのかしら。」


「さすがに無理だろ。」


3人がラーメン屋の前で少し話していると、大勢の人が同じ方向へ向かっているのが見えた。


「あの人たちどこに向かっているんだ?」


「多分、この先の広場ね。

 今日この後、神世教教皇ルミナ・セレストによる演説?があるみたいよ。」


「へぇー、教皇って言ったら神世教のトップっすよね?

 そんな人がこんな国の外れまで来てるんすか?」


「まぁ、確かに聖都から離れた場所だけどここも貿易とかで人の往来が多くて

 賑わっているからね。」


「それにしても随分と熱心だよな。

 教皇が来るとは言え、こんなに大勢集まるなんてな。」


「ルミナ教皇は歴代最年少で教皇になって、

 『神に愛されし男』なんて異名を持つくらいだから

 人気もすごいのよ。それに加えて顔もカッコいいって話よ。」


「トキナは興味あるのか?その教皇の演説。」


「私は別にかなー。トーアほど嫌ってはないけど私も信者って訳じゃ訳じゃないからね。」


「ふ~ん。じゃあ昼飯も食ったし、戻るか。」


「ちょっと、俺はルミナ教皇見てみたいっすよ!」


「えっ、ザッシュって信者なんだっけ?」


「そこまで熱心な信者って訳じゃないっすけど、普通に信じてますよ。

 俺もスキルもらったときに女神さまを見てるっすから。」


「そっか、残念だけどまた今度だな。さっ、戻るぞ!」


「そりゃないっすよ!トーア先輩。」


「まあまあ、ルミナ教皇はしばらくこの辺り滞在するそうよ。

 それにユニオン本部にも講演しに来るって噂よ。」


「まじっすか!?」


3人は話をしながら入界管理局の職場へと戻っていった。

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