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異界強制送還  作者: ヤッスー
12/22

11話:侵略村⑨

時間は今に戻る。


「(どうする?考えろ!このまま元の世界に帰るなんてまっぴらだ!)」


差形は必死に考えを巡らせていた。

しかし、差形に追い打ちをかけるように

ついにトーアの『異界送還』の魔力チャージが完了した。


「来た来た!局長!行けます!」


「おっ、どうやら準備ができたようだな。

 サガタといったか?

 お前を元の世界に戻す準備が整ったようだ。

 もう抵抗もできないだろうが、おとなしく受け入れてくれ。

 そして、元の世界でやり直すんだ。」


無言の差形。

そしてトーアが差形に近づいてくる。


「嫌だ。」


差形がつぶやく。


「何か言ったか?」


レヴァンが聞き返す。


「嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤダ!!!!!!」


差形は狂ったように叫びだした。

そして一瞬驚いたような顔をした後、今度は笑い始めた。


「はっ、ははははは

 神は僕を見捨てていなかった。

 ははははははは。」


響き渡る差形の笑い声、それを聞いて

レヴァンは何かを察したのか焦りだした。


「トーア!急げ!」


「そんなに焦ってどうしたんですか?

 両手を失ったやつに何ができるんですか。

 絶望しておかしくなっただけですよ。

 元の世界にいい思い出が無いんじゃないですか?」


「いいから早く!!」


レヴァンに促され、トーアは駆け足で差形へ近づく。

そして右手で差形へ触れようとしたその時

 キィィィン!


「えっ?」


驚くトーア。

トーアと差形の間にレヴァンが割って入ってきていた。

そしてレヴァンは剣を抜いて、差形の手刀を受け止めてた。


レヴァンはそのまま剣を思いきり振りぬいた。

再び宙に飛ぶ差形の右手。


すぐさま差形は後方に下がり距離を取った。


「そんなバカな…」


差形を見て驚愕するトーア。

差形の両手は先ほどレヴァンに切られたはずの左はおろか

たった今切り落とされたはずの右手も治っていた。


「新しいスキル。いや技能か?」


レヴァンは冷静に分析する。


「ご明察!君たちに与えられた絶望が僕をさらに強くしたんだ。

 せっかくだから教えてやる。

 僕のスキル『支配者(ドミネーター)』の第五(フィフス)技能(アーツ)我が為の民(オール・フォー・ミー)』!

 僕が被ったすべての事象を僕の支配下の誰かに肩代わりさせる力。

 つまり僕の支配下の人間すべてが僕の命の、体のストックってわけだ。

 お前たちが僕を傷つければ僕ではない誰かが傷つくことになるぞ!」

  

「そんな…。局長、どうしますか?」


「こりゃ少し、不味いことになったね。」


「そこのお前。お前のその右手が僕を元の世界に戻す鍵なんだろ?

 だったらお前を殺せば僕の勝ちだ!」


「おいおい。俺のことは無視かい?

 何もできずに手を切り落とされたのを忘れたのかい?」


「そうだな。お前は確かに脅威だった。」


「だった?」


「そうだ。今の俺の敵じゃない!

 僕にはまだ奥の手があるんだよ!」


そう言った差形の体からは視認できるほどの膨大な魔力が

あふれ始めた。

そして、魔力が次第に剣をマントを王冠を形作り始めた。


「これが僕の奥の手『犠牲の上の王(ザ・タイラント)』だ!」


次の瞬間、差形がレヴァンの目の前に立っていた。

差形が魔力の剣でレヴァンに斬りかかる。


「なにっ!?」


咄嗟に剣で受け止めたレヴァンだったがそのまま弾き飛ばされてしまう。


差形がトーアに斬りかかるが、レヴァンも瞬時にサガタの元まで移動し剣で差形を弾き返す。


「まさか一瞬でここまで強くなるとは、驚いたよ。」


「僕もです。局長さん。

 アンタがここまで強いとは。」


「良ければその技能の種明かしもしてくれないかい?」


「これは別に新しい技能なんかじゃないよ。

 ただ、第四技能『王の(キングス)徴収(レヴィース)』によって全配下から魔力を集め続けているだけさ。

 わずかな魔力しか持たないこの世界の人間でも数を集めれば膨大な量になる。

 それだけの話だよ。」


「おい!そんなことしたら村の人達は…。」


「あぁ、長くはもたないだろうね。 

 だからこの状態を保てるのも数分が限界だ。

 でもそれだけあればお前たちを殺すのには十分だよ。」


「なんて酷いことを。異界人サガタ!

 この世界の人々の命を脅かす脅威として

 入会管理局局長レヴァン・カリバールが処刑する。」


レヴァンが一歩前に出て両手に剣を構える。

トーアに向かって小さな声で言った。


「トーア、トキナと一緒に動け。チャンスを見逃すなよ。」


「はい!絶対にこの手をアイツに届かせます!」


差形に支配されたすべての人の命を懸けた最後の戦いが始まる。

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