第89話 正義のダンジョンマスターだ
ミカハチロウの背中に、俺と桜子、それにほのかさんとご先祖様が乗っている。
四人も乗るとぎゅうぎゅう詰めになるかと思ったけど、ミカハチロウは身体がバカでかいのでまだ余裕があるな。
俺は持っていたタブレットで、配信開始ボタンを押した。
〈お、また配信が始まったぞ〉
〈ワクワク〉
〈ダンジョン配信はグロが見れるから好き〉
「グロだなんて失礼な! ミカハチロウはこんなにもかわいいのに! な、ミカハチロウ!」
俺がそう言うと、ミカハチロウは、
「ぱおおおおおん!」
と同意するように鳴いた。
鼻の部分はタコの足で、そのうち二本には人間の顔が付いている。
「いやグロいじゃん」
桜子の言葉は無視して、俺は侵入者たちに言う。
「俺がこのダンジョンの現ダンジョンマスターだ! 貴様ら、誰だ! 何しに来た!」
「お前が……このダンジョンのラスボスか……?」
「そうだ! お前ら、名を名乗れ!」
「ははは、モンスターごときに名乗る名前などないわ!」
とか言ってるけど、篠田と遊斗の首が、
「石郷丸先生~~~」
「流川先生~~~~」
と叫んでいる。
「なるほど、お前らは鳥屋野潟公園高校の教師、石郷丸と流川美子だな!」
俺は叫ぶ。
〈ほうほう〉
〈なるほど、こいつらは教師だったか〉
〈教師がダンジョン探索しているのか〉
〈でも、なんのために?〉
石郷丸たちは俺が今ダンジョン配信していることを知らない。
だから、きっといらんことをペラペラしゃべってくれると思う。
全世界配信でお前らの罪を赤裸々に話してもらうぜ!
「おい、理事長の娘……清野みのりは無事か?」
石郷丸がそう聞いてくる。
「ああ、無事だぜ! よし、レイシア、みのりを連れてこい!」
俺が言うと、レイシアがみのりの髪の毛を持ってずるずると床を引きずってきた。
ちなみにみのりは素っ裸だ。
「あはははははははえへへへへへへへへああーーーーあああーーーーーうううーーーーうううーーーーきもちいいいいいいきもちくておかしくななななああああああははははは」
ぶっちゃけ、みのりはレイシアによる性的搾取によってもはや正気を保っていない。
「おい、清野! しっかりしろ、おい! ……なんてひどいことを……」
石郷丸が言うが、俺もきっちり反論しておく。
「だってこいつ、人間の女の子をこのダンジョンに誘い込んで監禁してレイプして子供を産ませて、産まれた赤ちゃんをモンスターに食わせていたんだぞ! 俺はそれを救出しにきたんだ! 正義のダンジョンマスターだ!」




