第80話 おいしそうなショタになってますね
ミカハチロウが血まみれになったレイシアを運んできた。
市生たちは自分たちのパーティを回復するのに精いっぱいで、レイシアを連れていくミカハチロウには目もくれなかった。
「じゃ、ほのかさん、治癒魔法をお願い!」
「えー。この人、殺人鬼だし……このまま死なせてやっても良くない?」
「もう少し使い道があるかもしれないから頼むよ!」
俺の言葉に、しぶしぶレイシアに向けて回復魔法をかけるほのかさん。
「うう~~……あと少しで、あと少しでショタを食えたのに……しくしく」
ケガがある程度なおったレイシアは、悲しそうに泣いている。
そして顔を上げると、俺たちを見渡した。
「あれ……いつのまにか、みなさんもおいしそうなショタになってますね……」
「え? ああ、まだ催眠術がかかってるのか。あ! ってことは、今、俺のこともショタに見えてる?」
「ショタにしか見えません、へへへ……」
「じゃあ、今からサッキュバスの超絶技巧で俺のこと、きもちくしてもらっていい?」
桜子も賛成する。
「いいね、いいね、慎太郎、大人にしてもらいなよ! そのあと殺すけど」
ニコッと笑う桜子を見て、背筋に冷たいものを感じたので、やめておこう。
「……ま、それは冗談として。少し電源が足りないからさ。頼むな」
「まあしばらく出番ないから、我がダンジョンのエネルギーになっていてくれや。みのりも一緒にな」
ご先祖様はそう言って、いやがる二人のケツに無理やりプラグを差し込むと、となりの部屋に二人まとめて放り込んだ。
なにしろ冷蔵庫とかエアコン(取り付けは麗奈さんがしてくれた。あの人なんでもできる超人だよな)もとりいれてるし、慢性的な電力不足なのだ。
バタン、と扉を閉めると、扉の向こうで悲鳴が聞こえ始めた。
「待って、待って、私は女の子だって! 男の子じゃないの!」
「へへへ、どこからどうみても8歳の男の子にしか見えませんよ……へへへへ……いただきまぁす」
「いいいいいいやああああああああああ!」
「あれえ? 私に入れるべき器官がありませんねえ? 不思議です、男の子なのに」
「だから女の子なんだってえ!」
「ご心配なく、そっち方面の魔法は得意です。生やしてあげますね。そして私が性的に食べてあげます」
「やだあああああああ! なにこれぇぇぇぇぇ! いやっ! 触んないで! そんなとこ……そんなことしないでぇぇ! あっ、あっ、あっ、あっ、や、やめて……ああああああああああああ!」
うーん、あの扉の向こうではケツからコードを生やした二人がいまごろくんずほぐれつ……。
覗いてみたいけど、それより市生たちだ。
モニターを見てみると、やつらは地下八階まで来ていた。
俺たちのいるここは地下十階だから、そろそろ決戦が近いかもな。
とりあえず、地下八階を素通りさせてやることもあるまい。
「よし、マPは6000しかないけど……なにかトラップ設置できないかな?」
「トラップなら500マPで設置できるで」
「よし、じゃあそれで行きましょう」




