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第8話 慎太郎の家にて【※※※和彦視点】

 和彦たちのパーティ三人は、今慎太郎の家にいた。


「そうですか……うちの慎太郎は、モンスターを前におびえて仲間を捨てて逃げたんですか……」


 慎太郎の母は、顔を覆ってさめざめと泣く。


「はい……ボクたちも慎太郎君を追いかけようとしたんですが、モンスターに阻まれまして……。。そしたらダンジョンの段差に足をひっかけて転んで頭を打って気絶したところをモンスターに襲われて……。僕らも助けたかったんですけど、力及ばず……。申し訳ございません」


 和彦は慎太郎の母に頭を下げた。

 頭を下げて表情が見えないのをいいことに、めちゃくちゃいい笑顔で笑っていた。

 ――はははっ、あのバカ、死んだ後までこんなバカにされてるとは思ってもいないだろうな。

 もう笑いが止まらない。

 あの力だけがとりえの、なんの役にも立たないくそ戦士職。

 しかも、俺の彼女の美香子になんか知らんが可能性感じていたらしい。

 ありえんわ、会話もろくにできんクソ陰キャゴミ野郎が。

 あるのはてめえの死の可能性だけだっつーの、俺たちにメイスでぶん殴られた時のあの表情ったら!

 弱い奴をいじめるってまじ楽しいよな。


「こちらこそうちの息子が役立たずで申し訳ありません」


 慎太郎の母も頭を下げる。

 いやまじで役立たずだったよ、ほんと殺してやってよかった。

 いまごろアンデッドキングに食われて、クソにでもなっているだろうか。

 あんたの息子はいまごろクソだよ、と心の中でほくそ笑んだ。

 俺のことを振ったほのかも殺したし、これでクラスメートを殺したのは何人目だったか。 

 ほんと気分がいいなあ。

 慎太郎の家を出た後、美香子が言った。


「あのババア、最高におもしろい泣き方してたよなー。今度さ、慎太郎の死体がみつかったとかであのババアもダンジョンに誘い込んで殺しちゃわない?」


 春樹はあまり進まない顔で、


「やめておこうよ、あんなおばさん殺しても気持ちよくないよ。それよりさ、クラスメートをあと何人かダンジョンの中でやってしまわない? 女の子がいいな、どうせ死体はモンスターに食われるんだし、ほら、イロイロやってから……ね?」


 そんな春樹のセリフに、美香子はいやそうな顔で返す。


「うっわ、またやるの? 春樹はやることえぐいから女の悲鳴が耳に残るんだよなー」


 慎太郎をダンジョンに置き去りにしたあとも、和彦たちはなんどかクラスメートをダンジョンに誘ってはばれないように殺して遊んでいた。


「ねえ頼むよ、女子を誘おうよ」


「そうだな。だれか手頃な女でも加入させてやるか」


そんなわけで、和彦パーティは今日もアンデッドダンジョンに潜るのであった。


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