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第75話 性的に凌辱しましたが

「しかしなあ……あの教師二人、あたしが見たところ、ほんとに実力あるで。慎太郎のマPじゃあちょっとなあ……。とりあえず、なるべく足止めしといてや」


 ご先祖様はそう言うけどさ、足止めってどうやったらいいんだ?

 俺のマPは今6000しかないしさ。


「うーん……とりあえず、ソファがほしいっすね」


 椅子代わりにしてたみのりはもう駄目だ。

 無理させすぎたのか、今は白目をむいて失神してる。

 ほのかさんにいちいち回復魔法をかけてもらうのもめんどくさいしさ。


「じゃ、とりあえず慎太郎のマPでソファを出してもらおか」

「え、そんなことできるんですか?」

「普通に考えればわかるやろ。なんで消えるドアみたいなマジカルトラップを仕掛けられるのにソファが出せないと思ったんや?」


 ……まあ、言われてみればそうだな。

 ええと、どうやるんだっけ。

 とりあえず叫んでみる。


「出でよ、ソファー!」


 POM! というポップな音とともにほんとにソファが出現した。

 おお、便利だ。

 ホイ〇イカプセルみたいだな。

 ちなみにマPは1000ポイント消費した。


「すごいすね、マP使うとこんなこともできるんすね」


 ここの迷宮の元ダンジョンマスター、レイシアも感心したように言った。


「レイシアさんはほんとに何も知らないんだねー。よくダンジョンマスターやってたよ」


 ほのかさんはそう言って、膨れたレイシアの腹を蹴っ飛ばす。

 ケポッ、とこんにゃくゼリーを口から吐き出すレイシア。

 ちょっと汚いけど、なんかそういうおもちゃみたいで面白い。


「ケポポ……へへへ、私はしがないサッキュバスなもんで……。もともとダンジョンマスタ―なんてガラじゃなかったんすよ、へへへ……」


 ゴマをするように笑うレイシアだけどさ。

 こいつ、人間の赤ちゃんを何十人も食った悪魔だからなあ。


「っていうか、お前、サッキュバスってことは、人間の男はどのくらい食ったんだ? いや、性的な意味でさ」


 俺はソファに合うローテーブルと冷蔵庫を出現させながら聞いた。

 食い物や飲み物はウービーイーツで配達してもらえるけど、やっぱり飲み物は冷やしたいもんな。

 あ、電気ケトルも出しておこう。


「へへへ……それがですね、私、ショタコンでして……精通が来ていない年齢の男子が好きなんすが、精液を取り込まないとパワーアップできないのがサッキュバスなもんで……へへへ……低年齢の男子はけっこう性的に凌辱しましたが、へへへ、あんまし意味ないというか……」


 なんつーポンコツだよこいつ。

 っていうかさー。

 っていうか!


「え、ってことは俺くらいの年齢はストライクゾーンじゃないってこと?」

「へへへ、そうすね、ちょっと年寄りすぎですね。馬で言ったら18歳ってとこですよ」

「俺は人間の18歳だよ! っていうか馬だったらもうほとんどじいさんじゃねえかよ!」


 がっかりだっ!

 あーあ、がっかりだ、がっかりだ、がっかりだ!


 実は、サッキュバスって聞いてかなりワクテカしてたのに!

 桜子のいないところでちょっとエッチなことさせようと思ってたのにぃ!

 くそ、ショタコンだったとは!

 ショタにはそのおっぱいはもったいねえよ!

 無駄おっぱいじゃねえか!

 略してむっぱいだよ!

 くそっ、くそっ、くそっ!

 いや待て、まだ希望は捨てるな。


「いや、そうは言っても、大人の男でも誘惑するんだろ?」

「うーん、私はフケ専じゃないすからね、へへへ。ちょっとそれは勘弁してもらいたいすね」

「やってみなければわからないじゃないか」

「うーん? 前にやってみたけど濡れませんでしたしねえ、へへへへ」

「いや、もう一回試してみないか? 試しに! ほら、俺とかと……うおおお! あぶねえ!」


 桜子が見事なフォームで投げた電気ケトルがぶっ飛んできた。

 ほんと危なかった、よけるのがあと0.1秒遅れたらどストライクの直撃だったぜ。


「あ、ごめん、慎太郎。ちょっと手がすべっちゃった。てへ」

「あぶねーなー!」

「すべっちゃったから当たらなかったんだよ? つ・ぎ・は・すべらないからね! あ、マPでロージンバッグを出しといてね。次は殺す」

「はいすみませんでした調子にのりました」


 怖かったので謝っておく。

 くそ、邪魔するからには俺の童貞もらってくれるんだよな?


「いいよ」

「え?」

「慎太郎、思ったこと顔に出るから。いいよ、って言ったんだよ」


 まじで!?

 ご先祖様、俺、子孫を百人作ります!


「ほえー。さすが幼馴染。桜子ちゃんって慎太郎君の考えてること、全部わかっちゃうんだよね!」

「うん。わかるよ。ちなみに今はお詫びに肩もんでやるからな、って顔をしてた」


 違うよ!

 揉みたいのはおっぱいだよ!

 おっぱい揉ませろ!

 おっぱい揉ませろ!

 おっぱい揉ませろ!

 おっっっっっぱい揉・ま・せ・ろぉぉぉ!


「おっぱい揉ませろお!」


 つい口に出た。

 直後、ローテーブルがすっ飛んできて俺の顔に直撃した。


「うわ、慎太郎君の顔がつぶれた! 慈愛の女神の心の星よ、星の光で傷をふさげ、痛みを飛ばせ! 大治癒(ジアルマ)ー!!」


 ……死ぬほど痛かった。

 ってか、今ほのかさんが治癒魔法かけてくれなかったらマジで死んでたのでは? 俺は訝しんだ。


「おい、ふざけていてええのんか? んなこと言ってるあいだにあいつら、地下七階まで来とるで。やっぱりあの教師二人はすごいな。気ぃぬけへんで」


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