第63話 シートヒーター付き
名前 しんたろう
職業 ダンジョンマスタ―
性格 善(堕落)
レベル Lv50
HP 852 MP 0
マP 6200
攻撃力 2470 防御力 236
知力 11 体力 2540
魔法攻撃力 34 魔法防御力 71
すばやさ 33 うんのよさ 100
特殊能力 ネクロマンシー
テクニシャン
なんかこの画面見るのも久々だな。
レベルは順調にあがっているし、それぞれの数値も上がっているけど。
あれ?
マPが6200しかないぞ。
アンデッドダンジョンの時は万を超えてたはずだけど。
「それはなー、あそこはあたしのダンジョンやったからな。あたしの子孫である慎太郎のマPにもバフがかかってたんやろな。ここはこいつが作ったダンジョンやしなー」
うーん、このマPじゃ、たいしたことない悪魔しか呼び出せないんじゃないか?
モニターを見ると、やつらは地下二階に到達したところだ。
たしか、ダンジョンってやつはその階層ごとに呼び出せるモンスターのレベルが決まっていて、浅い階層では強いモンスターは呼び出せない。
ってことは、いずれにしても地下二階くらいであいつらにお仕置きするのは難しいだろう。
でも、いやがらせくらいはできるだろう。
「おいレイシア」
俺は紫髪のサッキュバスに呼びかける。
「はい、なんでしょうか」
「地下二階で呼び出せる悪魔って、なにかいるか?」
「インプくらいでしょうかね?」
「そいつ、強いか?」
「いや、体長数十センチのとても弱い悪魔です。あいつらのレベルじゃ脅威にならないでしょう」
それじゃあ呼び出しても意味ないなあ。
しょうがない、ここは静観しておくか?
そういや、ここのダンジョンって、ご先祖様のダンジョンと違って調度品が揃っていない。
椅子もないから俺たちずっと立ち話だ。
「なんか座るとこないのか?」
俺が聞くとレイシアは、
「いやーあはは……なにせ貧乏ダンジョンなもので……」
と、申し訳なさそうに言った。
そこにご先祖様が口を出す。
「なんや、慎太郎。椅子がほしいんかい? じゃあちょっと待ってろ、ダンジョンマスターにふさわしい椅子を今もってくるわ」
そして隣の部屋に行くご先祖様。
すぐに戻ってきた。
制服姿の女子生徒の髪の毛をむんずとひっつかんで、ずりずりと引きずってきながら。
「あれ、みのりとか言ったっけ? 電源に使わないでいいんですか?」
モニターはまだ映っている。
「いや、その辺うろついていたモンスター捕まえてな、そいつを電源にしたった。ほれ、慎太郎、椅子や」
へ? 椅子?
そんなもん、どこに……?
みのりは鼻を潰されてまだ鼻血をだらだら流している。
ご先祖様がそのみのりの頬っぺたを叩いた。
「痛いぃ……もう許してぇ……。お尻がぁ……こわれちゃったのぉ……」
「なんや、大丈夫や。ちょっと広がっただけや、女子は便秘に悩みやすいからな、これで少しはお通じもよくなってるで。いいからお前、椅子になれや。四つん這いになれ、四つん這いに。ほれ、慎太郎、座れ」
言われた通りに四つん這いになったみのりの背中に座るどすんと座る俺。
「ううう~~重いですぅ~」
みのりが涙声で言う。
俺の尻に、みのりの体温が制服越しに伝わってきた。
「シートヒーター付きだこれ」
「ええやろええやろ」
「でも、ちょっとプルプル震えてます」
「マッサージチェアだと思えばええ」
「うーん、気になるなー」
「じゃあ桜子、ちょこっとだけこいつに治癒魔法かけてやれや」
桜子は俺を背中に乗せて四つん這いになっているみのりの前に立つ。
「……私以外の女の子がこんな目にあってるのを見るのって……なんか、興奮しちゃうね」
おいおい、桜子まで変な性癖に目覚めちゃってるよ。
「んじゃ、中治癒!」
桜子が治癒魔法をかけると、みのりのひんまがった鼻がどんどんもとに戻っていく。
「ふふふ、かわいいお顔ね……」
桜子が超見下した目線で言う。
ほのかさんもやってきて、四つん這いになっているみのりの目の前にしゃがみこみ、そのほっぺたを撫でながら言う。
「えへへ、私を狂うまでレイプしようなんてするからこうなっちゃうんだよ?」
「ううう~~すみません、もうしませんから……反省しましたから……」
「うん、もう許したよ、心配しないで!」
「ありがとうございますぅ~~」
「これから一生このダンジョンでのんびりスローライフを送ればいいよ、自分の子供たちとね! 子供たちのお父さんは誰がいい?」
それを聞いたみのりはドバッと涙を流して、
「勘弁してくださーい……うう……お兄ちゃん、助けてぇ~~~」
だが残念だな。
そのお兄ちゃんは俺がやっつけてやる。




