第56話 ダンジョン探索部
「それ……! わたしの……!」
市生は唇を歪めて笑った。
「あ、そうなの? ゴミ箱にあったんだ。もういらないだろ? おい豚!」
市生クラスの男子で皆に馬鹿にされている、体重120キロほどの生徒に声をかける。
彼の本名は篠田だ。
市生は篠田にほのかのブラとショーツが入ったビニール袋を投げて渡す。
「お前、これで一発抜けよ」
「なに言ってんの、返して!」
ほのかの叫びを無視して、篠田はその場で下半身を露出させ、ほのかのブラとショーツを顔に押し付け、スーハースーハーと匂いをかぎながら本当に始めてしまった。
クラス内がワッと湧く。
「うわー信じらんねえ、豚のやつ、まじでやってるわウケる」
「あ、なめてる。すげーな豚の性欲」
「なんだその舌使い! エグすぎるだろ! わはははは!」
そして篠田はついに、「ううっ」とうめくと、その体液をブラにたっぷりとかけた。
そしてショーツで股間を拭き取る。
「おい、豚、それをこいつに返してやれよ!」
「うす」
そして篠田は、体液まみれのブラとショーツをほのかに向けて投げてよこした。
「キャッ!」
ほのかは思わず避けてしまう。
床にべちゃっと落ちるほのかの下着。
もう、帰ろう。二度とこんな学校には来ない。
ほのかはそう決心して、でも、ぐちゃぐちゃに汚れているとはいえ、床に落ちているのは自分が身につけていた下着なのだ。
「う、う、うう~~~~」
泣きたくないのに涙が次から次へとこぼれ落ちる。
自分の下着をこのままにはしておけない。
教室のゴミ箱の中からコンビニのレジ袋を拾い、それを使って下着を回収する。
臭かった。
最低だ。
ほのかは逃げるようにして教室から飛び出した。
下着はコンビニの店内にあったゴミ箱にこっそり捨てた。
コンビニさん、ごめんなさい。
街なかを自宅に向かって歩く。
すれちがう人々。
頼りないスカートを、両手でしっかりと抑えながら歩く。
乳首が浮いてしまうので、胸も隠さなければいけなかった。
もう二度と、二度と、二度と、あの学校には行かない。
おかあさんにお願いして、転校させてもらおう。
自宅まであと少しまで来たとき。
同じ学校の女子生徒が声をかけてきた。
「あのー」
無視して通り過ぎようとする。
だけど、女子生徒はあきらめずに声をかける。
「二宮さん! あの、私たち、学校のダンジョン探索部なんです。私たちもあいつら、大嫌いで……。二宮さん、探索者やってたんですよね? それも高レベルだったって聞いてます。 私たちの仲間になって、一緒に、ダンジョンに潜りませんか? 治癒魔法が使えるって聞きました。ちょうど私たち、ヒーラーを探していたんです。お願いします! あいつらがいじめてきたら、私たちが守ってあげますから!」
ダンジョンか。
ほのかは思った。
そっか、ダンジョンなんて久しぶりだけど。
私もダンジョン探索部に入部して仲間を作れば。
もう少し、高校生活を続けられるかな……。
だって、高校で転校なんて、お母さんに迷惑がかかるし……。
ほのかは少し考えたあと、
「じゃあ、一回だけなら……」
「やったー! ありがとう! じゃあ、明日の土曜日に待ち合わせね!」
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おっさん、異世界でうっかり救世主認定される。俺を好きなやつの魔力を吸い取って奇跡を起こせる件。奴隷少女よ、だからといってそんなに俺にくっつくな
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