表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/93

第45話 未必の故意

「このまま更生して善人になれるよう、じっくりいたぶった上で洗の……教育してあげるわ。もう今頃は死んで苦痛から楽になりたいとあいつらは思ってるやろけどそうはいかん。しっかりと自分らのしたことをきちーんと反省してもらうで」


 ご先祖様がそういった。


「そもそも、ダンジョン内では犯罪が裁かれないとはいっても、ダンジョン探索直前に、ほのかのパーティに毒入りのドクターパッペーを渡したのは地上でのことや。犯罪の着手は地上だから、これは刑法で裁かれる。それをダンジョン内で飲んだらモンスターにやられて死ぬのは自明だから、いわゆる未必の故意ってやつやな、つまりほのか達に対する殺人罪は現在の日本の法律でもさばけるわけや。だから、ある程度洗脳、じゃない教育したあとは地上に返したる。配信で自分らが犯罪を認めてるわけやし、教育するから自分で自分の罪をペラペラ話すやろ。あとは人間たちが人間たちの法律で裁けばええ。個人的には美香子と春樹の産んだモンスターの人権について裁判所がどう判断するかは興味あるけどな、ははは。日本の法律上、親が日本人なら子供も日本国籍になるんやけど、モンスターとのハーフだったらどうなるんやろ? 興味が尽きへんわ。で、ほのか、それでええか?」


 俺たちの中で命まで奪われたのはほのかさんだけなので、ほのかさんにご先祖様が確認する。


「そうですね、殺されちゃってアンデッドとしてすら復活できなかった私の仲間たちも……それで許してくれると思います」


 ほのかさんはそう答える。

 ま、正直いうと俺は殺してやってもいいと思ってるけどさ。


「でもな、人殺しはやってしまうと一線をこえて戻ってこれなくなるんや。先祖として、わがかわいい子孫の慎太郎にはこれからも心も身体も健康に生きてもらってなんなら結婚とかして子供つくってあたしの子孫をさらにひろげてもらいたいわけや。健康的な家庭をつくってあたしの子孫の血を広めてもらうためには人殺しとかは知らん方がええ、せんでええ人殺ししてどう子供に正義を教えるんやって話になるからな。あたしも慎太郎に殺しは推奨せんわ。大丈夫、こいつらはきっちり洗の……教育したるから」


 ご先祖様がそういうならそれでいい。

 死は救済だそうだからな。

 ん?

 まてよ?


「……じゃあ、アンデッドのキング、不死の女帝たるご先祖様自身は、不死である自分のこと……どう思ってるんですか?」


 ご先祖様はにやりと笑って、


「あたしは満喫しとるよ。あたしのメンタルの強さをなめるんでない。ま、たまーに寂しくはなるけど……そんときは子孫で遊んで気を紛らわすわ」


 といった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最新作もよろしくお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
【奴隷買いの救世主】
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ