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マップのことは後にして、前方から向かってくる3人のことだ。
ダーソン村の人なのかはわからないけど、数分もしない内に遭いそうだな。
何もなければいいけど、お世話になった村に何かしに行くのであれば、気分が悪い。
「そういえば……村の名前、聞くの忘れたな」
また知る機会があればいいけど。
「さて」
杞憂に終わればいいけど。
僕が何かしたところで、何も変わらないかもしれないけど……。
視界に入るまで来た。
全員男で、それぞれに胸当てや弓矢を装備してる。
冒険者、というよりかは狩人のよう。
「おい」
素通りしようと思った。
「おいガキ」
が、ダメだった。
「僕ですか?」
「お前以外誰がいる?」
「男か?」
「どっちでもいい」
なんだか不躾だなあ。
「何か用ですか?」
「お前、村のもんか?」
「村?僕は通りすがりの旅人です」
「あ?旅人ぉ?あやしいな」
「そうですか?」
僕はただの旅人で、怪しくないよと堂々としていることにする。
「村に関係しないとしても、こんなところにいるんだ」
じろりと値踏みのような目線で僕を頭から足先まで見て、
「売っぱらえば金の足しにはなるか」
ニヤリとしてそう言った。
しっかり値踏みだった。