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少し逡巡し、提案する。
「畑だけならなんとかなるかもです」
「本当か!?」
「はい。なので、1回人を避けてもらいますか?」
この村の畑からなんとかしたかった。
人を避けてもらった後、僕は畑に向かって召喚魔法を使う。
「モーラーワーム」
見た目はモグラだが、ミミズのように胴体が長い。
あと、大人の半分くらいの大きさだ。
「……」
村長の目が白く剥いている。
「好みに合いませんでしたか?」
「あ、いや、すまぬ……いきなりでびっくりしたもので」
「いやぁ、そうですよねー」
初めては驚く、しかもこんなに大きい魔物はここいらには出ないだろう。
獲物なさそうだし。
「なんだこいつは!村長、離れろ!」
ここにて門番の人が来た。
何やらこの子に警戒しているようだった。
「問題ないぞ、ゴーヤン殿」
何やらおいしそうな名前。
「何!?」
「この魔物はこのエルが召喚したのだ」
「エル?あぁ、小娘か」
小娘呼ばわりされた。
仕方ないか。昨日は村長の家の外で見張っていたのだから。
僕も彼の名前知らなかったからお互い様だ。
「はい、僕がエルです」
「お前、召喚士だったのか?」
「いいえ?まぁ、似たようなものです」
「そうか。騒がしくしてすまなかった。村の安全を護ってる身、すぐには警戒態勢崩せなくてな」
「それが正しいと思います」
僕もこの村なら警戒してる。
少しでも長生きするために。
「では続けますね」
「頼む」
僕は頭をひねり、状況がわかってないモーラーワームに向かう。