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「冒険者……にしては若いな。もしや、ドワーフ族やエルフ族だったりするか?」
「いいえ、人族です」
「そうか」
もしや人というのは疑わしい?
見た目は子供だから、別種族なら納得がいくということか。
まぁ、ここの子供達も今の僕の見た目と同い年くらいだし、それもそうか。
「この年頃で魔法を使えるのは珍しいですか?」
「うむ。こんな辺鄙な村だ。魔法使える者なんぞおらん。おっても力が弱かったり、町へ行って冒険者を目指す」
「だからこれほどまでに村が貧しくなってるんですね」
「悔しいがそうだ。他には理由があるがな……」
「砂漠が近く、雨が降らず暑さで育ちにくい作物。狩猟が限られてる森。そして、減る村人……ここまで残ってるのが奇跡なくらいだ」
「やはり分かるか。そうだ、村の皆ががんばってくれてるからなんとかなってる」
いろいろ制約があるなか、やりくりしてるからここまでやってこれた……けれど、これからはもっと難しくなるだろう。
それは見て取れるし、子供の成長の妨げになる可能性も出てくる。
雨降らしたのは一宿一飯の恩。
これ以上は最後まで面倒見る覚悟がなければならない。
手を出すならば、手を出した責任が伴う。
けど……。
「何とかできるかな……」
考えずにはいられなかった。