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畑の土に触ってみる。
うん、見事に泥だ。
質はどうなんだろう?
確か、スキルに鑑定あったよね。
魔法になってるのかな?
まぁいいか。
「鑑定」
【土質:普通 他:なし】
微妙だ。
ただ、悪くもない。……良くもないが。
輪作だっけ。してないのかな。
「あの……」
「うおおおおおっっ」
「聞こえてないや……」
畑にいた人も驚いてる。
というか、いるのに雨降らして悪かったかな。
風邪引かないといいけど。
「そっか……ホットエアー」
巻き込んだ人ごめんなさい。
服乾かすから許して。
「エル殿」
「……あ、はいっ」
そういえば、名前エルにしたんだっけ。
思い出すのに手間取って返事遅れてしまった。
声も上擦ってしまった。恥ずかしい。
「エル殿は、魔導師であったか?」
「いえ?」
「そうか……大した魔法だ」
「ありがとうございます」
褒められると、照れくさい。
「これほどならば、あの砂漠を抜けられたのは本当のようだ」
「やっぱり疑ってましたか」
「うむ」
そりゃ初期装備に貧相な体つきの子供が1人で何も持たずに来たんだ。疑いもする。
「すまなかった」
「え、え?いやいや、気にしてませんよ」
「ありがとう」
これで本当に受け入れられた……のかな?