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軽装ながらも物理と魔法に耐性のある中級装備に着替えた。
軽く動いてみる。
ジャンプにジャブ、回ってみたり上着の裾掴んでカーテシー(貴族のお辞儀)してみたり。
「うん、動きやすい」
カーテシーはやってみたかったからやってみたけど、やっぱり少し恥ずかしいな。
女の子なら、お嬢様っぽくあいさつしたいものだ。
勝手な僕の憧れなんだけど。
「では行くか」
夜通し張っていた結界等の魔法を解除をする。
「いい朝だ」
雲が散りばめられ、太陽がこれでもかと燦々と輝いている。
運動日和。体動かして体力付けるのにいい感じだ。
この天気なら外での働きがいあるだろうなあ。
「村人はー、と」
あ、だめだ。
村人がじゃない。
畑がほぼ干からびてる。ここ最近雨も降ってないかのようだ。
まるで水分がない。
「ここはあまり雨が降らない地帯でな」
「村長さん……」
「近くに砂漠があるせいか、雨雲が通ってもすぐ散るのだ」
砂漠もそうだけど、風向きも悪い。
雨雲が留まるような地帯ではない。
「雨降ったのは先月半ば、しかも数刻もない。川の水も引けぬ。水の蓄えもない」
そういうことなら、お返しにちょうどいいかもしれない。
「それなら、お返しに雨降らしましょうか?」
「は?」
何言ってんだこいつって顔された。