15
日が落ちたところで子供達を返し、後片付けしたのちに建物内に入る。
布団まで用意してくれて、感謝だなあ。
「……」
今日を振り返る。
ここはゲームなのか、リアルなのか。
目が覚めたら突然この世界にいた。
眠る前までやっていた、VRMMORPG【ラブ×ファンタジー】に酷似した世界だ。
ウインドウが出ないから、ゲームの中ではないと思うんだけど、リアルにしては元の世界とは離れすぎていて実感が湧かない。
魔法にしても、魔物にしても、ラブファンの時と同じなんだよなあ……変わってるとしたら感覚?質感?
マップはシステムからではなく、魔法の1種になっていて……
「ん?」
マップはシステム?そうか!
魔法の1種ということは、なんでも魔法に置き換えることができるってことだ。
ウインドウを出す感覚ではなく、魔法を使う要領でウインドウを出せばいけるかも!?
「……よし」
魔力コントロール、ウインドウを出すイメージ。
「ウインドウ」
目の前に広がる文字の羅列。
「出た!」
マップと同じように触れないし、ものより後ろにいかない。
これも目に直接映ってるんだ。
「えっと……ログアウト、ログアウト……」
ない。
ログアウトの文字が見当たらない。
やっぱり、ここは……
「実態のある世界」
僕は異世界転生を果たしたらしい。