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「理由をお聞きしても?」
「あそこはダーソン村の狩場なんだ」
「ダーソン村?」
「ああそうだ。そこで狩りの権利を取得する必要がある」
「そうなんですね……」
なんてめんどうな。
それなら、黙って狩れば問題ないのでは?
「黙ってれば狩ってもいい、なんて考えはやめとけ」
「え、そんなこと……」
「子供が考えそうなことだ」
お、おう……。
「管理はあっちの私兵、冒険者がしている。定期的に見回りも入る」
「なるほど」
「だから、やめとけ」
念を押される。
「まぁ、この村に留まっている間は、だけどな」
「はい」
裏を返せば、出て行けば問題ないと。
さて、初対面でここまで教えてくれるのは優しさからか、先に教えられることは教えてあとは聞かれないようにするためか。
にしても、どうお返ししようか……。
考えてる間にも、使っていない小さな廃屋に案内される。
ここが僕に当てられた寝床だ。
屋根と床があるだけマシという最低限の宿。
「さて、やるか」
アイテムボックスから大きな塊を取り出す。
「戦争だ」