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「砂漠越えて来たってか?そんな貧相な装備でか?」
「え、えぇ…」
確かに、軽装だからな…。
「おまえさん一人でか?」
「はい…」
細い体だからな…。
「よく生き延びれたな。親とハグれたか?」
「そんな感じです」
気づいたらこの世界に居ましたって、頭おかしいからな。
ここは話合わせておこう。
「モンスターから逃げてきたら、ここにたどり着きました」
「にしては、服キレイだな」
「んぐっ」
疑われてるな。
確かに、汚れは魔法で落としてるから。
こんな歳の子が魔法を自由に操れるのは珍しいかな?
「まぁいい。来い、案内してやる」
「いいんですか?」
「ああ」
通すんだ。
明らかに怪しいだろうに、この人はいい人そうだ。
農村なのか、畑が続き村人達がちらほら見える。
畑はやせ細って、収穫はあまりよくなさそうだ。
そのせいか、村人達もガリガリで健康とはよくなさそうだ。
「ここだ」
「ここは?」
見た中で1番大きく、古そうな家だった。
「村長の家だ」
なるほどだった。