第二十七話
お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。
怖い、怖い、怖い、怖い。
勇さんが今言った人々は僕を呪っているのと同じものに呪われたんだろうけど、どう考えても死に方がエグ過ぎる。このままでいったら僕も同じように死ぬことになるのだろうか?
「すみませーん、お仏壇と神棚にご挨拶をさせていただいても宜しいでしょうか?」
僕は勇さんに願い出たんだよね。
「せめてお線香だけでも上げさせて頂けたらと思うんですけど」
お仏壇にはお亡くなりになったというお爺さんが祀られているだろうし、神頼みじゃないけど、自分の命を使って呪いを退いたというお爺さんに線香でもあげてあやかりたい!
「うちのお仏壇に線香をあげてくれるの?」
「是非、是非」
ちょうど居間の隣が仏間だったようで、そこには随分と立派な神棚も設けてあったんだけど・・
「あれ・・これ・・」
僕は神棚を見上げながら勇さんに問いかけたんだよね。
「これ、御霊分け(神社に祀られている神様の神霊を別の場所に分けること)じゃなくて、遷霊(神社の神様の神霊自体を移動させている)させていませんか?」
「流石は神社の息子だね、分かる人には分かるものなんだなあ〜」
勇さんも同じように神棚を見上げながら言い出したんだ。
「爺さんがお祓いをするってことになった時に、神社から御神体をうちまで持って来ちゃって、そのままの状態なんだよねえ」
えっと・・それはアリな話なのだろうか?
「爺さんが死んだ途端に町にあった複数の神社を一つにまとめるなんて話になって、以降、うやむやなまま現在に至るって感じなんだよ」
ああー〜・・。
「先輩、大丈夫ですか?」
天野さんの声が随分と遠くで聞こえるなあ。
「先輩、先輩?息苦しいんですか?ゾンビマスクを外した方が良いんじゃないんですか?」
「え?そのゾンビマスクは外して良いものなの?彼なりのアイデンティティの現れなのかと思ったんだけど」
「町長のご両親が焼身自殺をしたという話の時点でゾンビマスクを装着した先輩ですけど、アイデンティティとか関係ないですよ。ただ、ただ、幽霊とか悪霊とかオカルトな話が怖くて装着しているだけですから」
「え?ゾンビマスクってお祓いの効果があったの?」
「そういう訳じゃないと思うんですけど」
勇さんの話を聞いている途中で怖くなった僕はゾンビマスクを装着していたのだが、全く気にする様子がない勇さんも凄いなあと思っていたんだけど、アイデンティティの現れだと思われていたのか・・そんなこと考えたこともなかったな。
いやいや、そうじゃない、そうじゃない。
本宮の主神がなんやかんやで変わっちゃったことで物凄く怒っていらっしゃるのが神棚から伝わって来て、僕は金縛り状態になっているのだが、
「先輩!先輩!本当に大丈夫なんですか?」
強力な巫女の力を持つ天野さんに腕を掴まれた時点で、僕はその場に卒倒してしまったのだ。
◇◇◇
ムキムキおじさんからとっても怖いオカルト話を聞き出した時点で、ボストンバックから取り出したゾンビマスクを装着した先輩は変態以外の何物でもないんだけど、そんな先輩の姿を見てちょっと驚いた様子を見せたまま自分の話を続けてしまうムキムキおじさんも只者ではないって感じです。
私の住むボロアパートに突然現れた玉津先輩は、
「呪われた!呪われた!災害級に呪われた!」
と、言い続けていた訳ですが、突然、線香をあげたいとか何とか言い出した時点で、
「あれ・・先輩、本当に呪われているのかもしれない」
ここでようやっと先輩が言っていることが理解出来たかもしれないです。
だって、隣の仏間に移動しようとする先輩の足元からそれは長くて真っ黒い何かが不気味な長さで伸びているのが見えたんだもの。
「うわ〜お」
この長くて伸びるニョロニョロしたものが一体何なのか分からないけれど、隣の仏間に移動した途端にそのニョロニョロがグルグルグルッと先輩の体に巻きついたんですよ。
錯覚とか幻の類なのかもしれないけれど、随分と立派な神棚までピカピカと輝きだしているんだから異常事態発生ですよ。
「先輩、大丈夫ですか?」
ムキムキおじさんと話を続ける先輩は明らかに具合が悪いみたいだし、
「先輩、先輩?息苦しいんですか?そのゾンビマスクを外した方が良いんじゃないんですか?」
さっきから息をしている音がゼコゼコ聞こえるんだけど、ゼコゼコって何なの?だいぶ危ないんじゃないのかなこれ?
「え?そのゾンビマスクは外して良いものなの?彼なりのアイデンティティの現れなのかと思ったんだけど」
ムキムキおじさんは一体何を言っているのだろうか?
「町長のご両親が焼身自殺をしたという話の時点でゾンビマスクを装着した先輩ですけど、アイデンティティとか関係ないですよ。ただ、ただ、幽霊とか悪霊とかオカルトなんかが怖くなって装着するみたいで」
「え?ゾンビマスクってお祓いの効果があったの?」
「そういう訳じゃないと思うんですけど」
私が腕を掴んだ時点で先輩はバターンと倒れてしまったので、慌ててかぶっていたゾンビマスクを外そうとしたらビリビリビリッと破けちゃったんだよね。
「ヤッバ!」
「ヤバくない、ヤバくない」
ムキムキおじさんは慌てて座布団を二つ折りしたものを先輩の首の下に差し入れると、
「息はしているよね?舌が喉に詰まったら困るから気道確保はしたけど、うちの神棚って人によってはぶっ倒れちゃう現象が起こるから本当に困るんだよなあ」
恨みがましい視線を神棚に向けてぶつくさ文句を言っているんだけど、
「あの、罰当たりになりそうで怖いんですけど!この家の神棚、霊感ゼロの私でも分かるほどの物凄い神棚じゃないですか?」
だって神棚は未だにピカピカと輝き続けているんだもの!
「うわー、本気でヤバいと思うんですけども!」
「ええ?なにが?」
「だって、神棚がピカピカ輝いているじゃないですか!」
「はあ?神棚が輝いてるだって?」
あ、これ、ムキムキおじさんには見えていないってことになるんだな!
今度は海に移動した霊能力者二人のドタバタ劇をお送りしたいと思います!!
もし宜しければ
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