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屍の声  作者: もちづき裕
水の嘔
59/109

第六話

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 安全靴ってスリップ防止のために靴底がボコボコしているんだけど、室内に残された足跡はまさに安全靴で付けた足跡にしか見えなくて、

「うーん、そうですね、お嬢さんが持っている安全靴とはサイズが違うように見えますねえ」

 110番で駆けつけてくれた警察官は私が持っている安全靴と、室内に残った足跡のサイズが違うことを確認して、

「昨日は誰かが遊びに来るとか、そういったことはありませんでしたか?」

 と、尋ねられたんだけど、

「いいえ、誰も私の家に遊びに来たりなんてしていません!」

 と、私は断言しましたとも。


 時刻は夜中の三時過ぎ。

「失礼ですが、お風呂の点検口を確認させて頂いても宜しいですか?」

「え?お風呂ですか?」

「天井から侵入した形跡がないかどうかを確認したいんです」

「ああ!どうぞ!どうぞ!」


 ボロアパートだけど浴室はユニットバスにリフォームしてある関係で、天井にはちょっと押すだけでポコッと外れる四角形の蓋のようなものがあるんだよね。

 制服姿の若い警察官が懐中電灯片手に蓋を外して天井裏を確認すると、

「こちらの方は異常がないみたいですね」

 と、言い出した。


 浴室の天井の蓋、点検口と言うらしいんだけど、換気ダクト、電気配線、漏水などを点検するために設けられていて、

「隣から侵入など出来ないように壁で仕切りが設けられているんですよ」

 と、教えてくれました。

「この壁を故意に壊して侵入するという事件が多いのですが、お嬢さんの場合は天井からの侵入というわけではないみたいですねえ」

 若い警察官がうーんと唸ると、

「全ての鍵は閉められていて、玄関にはチェーンロックまでかけられていたかあ・・」

 と、まるで密室殺人の犯人を探す警察官みたいなことを言い出した。


「そ・・そ・・そうですよね・・鍵はきっちり施錠したのは確認しているんです。だけど、家の中に足跡が残されていて・・」

 どうやって足跡が残されたんだって話になるんだよ!

「お嬢さんはもしかして、普段からストーカー被害に悩まされていたりするんですか?」

 机の上にはそれはゴツくてガチなスタンガンが置かれた状態なんだもの。

 これに気が付いた様子の年取った警察官が問いかけてきたの。

 いや・・あの・・そのう・・

「実は・・アルバイト先のおじさんにストーカーされているかもしれなくて・・このスタンガンも友達から借りたものなんです」

 自衛のためです!自衛!女の一人暮らしなのだもの!自衛は必要じゃないですか!

「それにしても不思議ですねえ」

 床にベッタリと残った足跡の撮影を終えた年とった警察官が疑問の声をあげたんだけど、本当の本当に不思議だよ!


「実は私・・」

 私の通報により、二人の警察官が駆けつけてくれたわけですが、

「学校の先輩に生き霊に取り憑かれているって言われたんです!」

 胸の前で両手を握りしめながら言いました。

「もしかしてこの足跡・・生き霊によるものとかじゃ?」

 二人の警察官はキョトーンとした後に、

「「あははははっ」」

 と、笑い出したのよ。


「いや、流石に生き霊でこれほどはっきりとした足跡がつけられるのかな」

「最近、オカルトブームですもんね」

「お嬢さんがそう考えちゃうのも無理ないけれど」

「「生き霊かな〜?」」


 そ・・そうですよね。

 これだけ科学が発達した世の中で生き霊と言われて、そうだね生き霊だねとはならないですよね?


 私は交通誘導のアルバイトをしていて、一緒に仕事をすることも多かったおじさんに大学の校門前で待ち伏せをされたこと。このおじさんが怪しいんじゃないかという話を二人にしたんだけど、

「交通誘導というと夜に仕事に入ることも多いですし、まずはそのおじさんのシフトを事務所に確認してみた方が良いかもしれませんね」

 と、言われることになったわけ。


「怪しい、怪しいと思われることは多いとは思うんですけど、まずは証拠を集めるところから始める必要があるかもしれませんね」

「思い込みという可能性もあるかもしれませんし」

「とりあえず靴跡の方は撮影をしておきましたので」

「後日で良いので、警察署に被害届を出して貰う形にした方が良いかと思います」


 私はモジモジしながら言いました。

「あのお、もしもこの足跡が生き霊の仕業だったとしても・・被害届けって出しておいても大丈夫なものなのでしょうか?」

 生き霊というところで若い警察官の方が俯きながら笑っているんだけど、

「お嬢さんの持っている靴ではないサイズの靴跡がこれだけはっきりと残されているわけですし、被害届を出しても何の問題もないですよ」

 と、年取った警察官の方は真面目な顔で言い出したのよ。


 家の施錠はしっかりとされているし、玄関はチェーンロックまでしっかりとかけている。そんな状態で明らかに男性と思われる靴跡が室内の床にベタベタと残されていたわけだけれど・・

「なるほど〜、そうですか〜」

 私の被害届は証拠の保全という意味で受理されることになったみたい。


 普通、警察に被害届を出すと警察が捜査を始めるきっかけにもなるはずなんだけど、

「ああ、さつきちゃん?佐竹さんのシフトが知りたいって?ああ、佐竹さんだけど昨日は夜間勤務で国道122号線の道路工事の交通誘導にまわっているねえ」

 と、アルバイト先の事務員さんに言われることになっちゃったのよ。


 一番容疑者に近い佐竹さんのアリバイが確保されたとあって、

「靴跡を残したのはあの人です!」

 と、指名することも出来ず、

「不思議なこともあるものですねえ〜」

 と言われながらも、とりあえず被害届を受理して貰ったけれど、

「うう〜ん」

 思いっきり悩むことになっちゃったんだよね。



さつきとたくみの出会いはこんな調子ですが、心霊なのか?ヒト怖なのか?懲りずに最後までお付き合い頂ければ幸いです!!毎日十二時に更新しています!!

もし宜しければ

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