表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田中、竜に成る  作者: TaNaKa3
プロロロローグ
8/21

八 田中、異世界の壁にぶつかる

気に入っていただけましたら、いいね、感想、ブックマーク等、よろしくお願いします。

袋の中に入っていた食糧は、あの酸っぱい実だった。


田中(また、あの実を食べるのか、、、)

田中はあの味を思い出し、口の中の唾液が増えた。

リタ「?」

どうしたことかと、覗きに来たリタはその実をみて呟いた。

リタ「あぁ、これはリコの実ですね。こんなに沢山あれば、しばらく、食糧の心配は要らないですね。」

喜ぶリタに、田中は驚愕していた。

田中(まさか、この世界の人たちは、あの実を普通に食べるんだろうか。今さらだが、元いた世界とこの世界で味覚が全然違うとしたら、、、)

急に心配になる田中。

田中(まさか、こんなところで異世界の壁にぶつかるとは、、、)

リコの実を見ながら固まったまま、葛藤する田中。

すると、リタが話しかけてきた。

リタ「食べないんですか?」

田中(酸っぱすぎて、ちょっと、、、)

リタ「でしたら、私がいただいて構いませんか?」

一瞬、躊躇う田中。

田中(今日の食事分として、5コだけもらえますか?

明日からは、他のモノを探すので)

リタ「全然大丈夫ですよ!」

嬉しそうにリタは答えた。


田中がリコの実を食べようとしていたら、リタがリコの実をその辺に落ちていたのだろう木の枝に刺していた。

田中(何やってるんだろ?)

食べるのを止め、それを観察する田中。

すると、リタからこんなことをお願いされた。

リタ「あの、申し訳ないのですが、火炎魔法でこのリコの実を炙っていただけませんか?」

田中(いいですよ。)

よくわからないが、即答した田中。

リコの実を火炎魔法でしばらく炙ると、色が変わりはじめた。

最終的に熟したリンゴみたいな色になったリコの実を嬉しそうに食べるリタ。

なんだかとても美味しそうに食べている。

田中(えっ?もしかして、そういうこと?)

自分の分のリコの実を同じように炙ってみる田中。

田中(そろそろ頃合いかな?)

田中は炙ったリコの実を一口食べてみる。

田中(んっ!)

なんてことだろう。あんなに酸っぱかったリコの実から嘘のように、甘くなっていた。しかも、若干残った酸味が甘味を引き立てる良いアクセントになっている。

田中(こんなに美味しい果物、初めて食べた。)

つい頬が緩み、思わず笑顔になる。

それくらい、リコの実は美味しかった。 

田中(リタさん、やっぱりリコの実をもう少しいただけませんか?)

リタはものすごく悲しい顔をした。

田中(そんなに、嫌なのか 笑)

内心、笑ってしまう田中。

それと同時に少しだけ、本当に少しだけかわいいと思ってしまった田中。

田中(リコの実は諦めるか。)

仕方ないと諦めることにした田中は明日からの食糧をどうしようと悩む。

田中(リタさん!)

不意の呼び掛けに驚くリタ。

顔には、やっぱりリコの実欲しいのか?って表情が出ている。

田中(あ、いやこれからどうしようと思いまして、主さまに関して。)

安心した顔のリタ。

リタ「そうですね。主さまが本来、村に来るのは二月に一度でした。ですので、予定通りなら来月の今頃に来るはずです。」

田中(なるほど。今日、明日、主さまを倒さないといけないというわけではないのですね。)

少しだけ安心する田中。

リタ「私からも質問してもいいですか?」

田中(なんだろう?)

そういう思いながら、頷く田中。

リタ「ずっと聞きたかったのですが、田中さんがよく考えている、元の世界とはなんですか?どうして、魔物なのに、中身がそんなに人間的なんですか?」


当然の疑問だろう。信じてもらえないだろうと思いながらも、答える田中。

田中(実はおれの生まれはこの世界ではないんです。)

リタにこれまでのことを話す田中。

田中(元の世界にいた時、おれは人間でした。

名前は田中英雄。一人暮らし独身のサラリーマンでした。

サラリーマンというのは、そうですねー、商人の見習いがそのまま大人になっても独立せずに働いているような人と言えばいいのでしょうか。そんなサラリーマンとして大学という学校を出た後、働いて人生を送っていたのですが、ある時、突然雷に打たれてしまって死んだんです。)

リタ「ちょっと、色々聞きたいことはありますが、

えっ?田中さんは、既に亡くなっているのですか?」


突然の話に理解が追いついていない様子のリタ。

最後に質問に答えるから、とりあえず聞いてほしいとリタに伝え、田中はそのまま続けた。

田中(そのはずです。その時、どうやってなのかはおれもわかりませんが、気づくと真っ白い空間にいて、目の前に神様を名乗る骸骨に言われたんです。

おれは間違えて死んだこと。代わりに今いるこの世界に記憶もそのままで、生きていけること。それと、何か一つだけ願いを叶えてくれること。)

リタ「それで、なんと願ったんです?」

田中(竜になりたいと。)

リタ「竜というと、伝説に出てくるあの生き物ですか?」

どうやら竜のイメージは伝わっているらしい。恐らく西洋風のでは、あるだろうが。

それに対して続ける田中。

田中(そうです。だけど、どうしてか、この世界に来て水面に写ったおれの姿は、竜ではなく、巨大な魚だったんです。それで色々確かめた結果、飛ぶことができたので、とりあえずこの世界を巡ってみようとして、最初の村に行った結果、今回の騒動を起こしてしまったんです。)

一通り話し終えた田中。

全然信じられないという顔をしながら、リタは尋ねた。

リタ「全く信じられない話ですが、どうして田中さんは魔物なのに、人間的なのかという点に対しては辻褄が合いますね。」

すると確認したいと言い、更にいくつか田中に質問するリタ。

リタ「この国もしくは、王都の名前は?」

田中(わかりません。)

リタ「世界四大種族と言えば?」

田中(わかりません。)

リタ「何人家族ですか?」

田中(両親と妹の四人家族です。)

リタ「田中さんはどこの国出身ですか?」

田中(日本です。)

リタ「私が知らない日本ならではの物を教えてください。」

田中(携帯電話、電車、寿司、銀杏)

他にも色々聞かれたが、わかる物はほとんどなかった。

リタ「質問は以上で終わりです。」

納得いってない顔のリタ。

しばらく考え混んでしまった。

うんうん唸って考え続け、10分ほど経った頃だろうか。リタが何か分かったらしく、ハッとした顔になった。

ようやく納得してくれたかと思う田中に対し、リタは言い放った。

リタ「田中さん、もしかして、魔法の研究が好きな貴族とかに、実験された奴隷だったんじゃないですか?それで、実験の失敗で姿が変わってしてしまってたのでは?」

リタは一人で納得し、そして田中を憐れな存在として見る。

リタ「大丈夫ですよ。私、黙ってますから!!」

リタは、認めざるを得ない非日常的な存在を、それでも、認めたくなく現実から目を背けている、そんな様子だった。

田中(あぁ、もう無理だな。この話題は一旦諦めよう。)

内心、諦めた田中だった。





この作品を投稿し始めて初日に考えた内容までやっと書き切れました。今後の展開も色々考えてありますが、書き切れるのはいつになるやら、、、


書いてみて、苦戦したことは

話の展開<話と話をどうやって繋げるか<<名前


もっとすぐ投稿できるように早く慣れたいです!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ