三 田中、果物を食べる
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-------ドクガエル視点-------
俺は森をさ迷っていた。
(な、何か食べ物を、、、どうしてこんなことになった、、、)
昨日まで俺は、普通に人間してた。
ただ、ひょんなことから死んでしまい、神とやらに会った。
「オッス!オッス!気が付いたッスか?」
なんでも、自称神とやらのコイツによると、自分は間違えて死んでしまったらしく、変わりにエーヨンという新しい世界に転生させてくれるらしい。
その前に何か望む能力をくれるとのことだったので、俺は伝えた。
「最強になりたい。」
だがコイツは言った。
「それは無理ッス!!」
正直、少しイラついたが、まぁできないこともあるだろうと、納得した。それらしい理由も言っていた。
だから、次はこう答えた。
「不死身になりたい。」
すると、コイツはまたしても言った。
「それは無理ッス!」
そのあとも、頑丈な身体だったり、何も食べなくても生きていけるようにしてほしいだったり、色々頼んだが、答えはいつも同じだった。
「それは無理ッス!」
最終的に言われたことが一番ムカついた。
「めんどくさいッスね!時間がないので、こっちで決めさせてもらうッス!感謝するッス!」
そして、この世界に来てみたらドクガエルの姿になっていた。
最初にいたのが、この森の中だったので、食糧を求めて森をさ迷って今に至るというわけだ。
森の広さはわからないが、体のサイズが小さくなってしまった分、かなり広く感じた。
そして、最初に出会ったのが、アイツだった。
名前 タナカ ヒデオ
性別 男
種族 竜
レベル 1
ジョブ ホームレス
HP 500
MP 500
STR 534
VIT 520
DEX 506
AGI 480
INT 590
LUC 80
特技
火炎魔法 Lv.1
飛行魔法 Lv.1
天候魔法 Lv.1
防御魔法 Lv.1
料理魔法 Lv.1
清潔魔法 Lv.1
交渉技術 Lv.1
運転技術 Lv.1
俺は瞬間的にわかった。コイツも転生者だと。
それと同時に俺は理解した。今の俺ではコイツには絶対勝てないと。
当にヘビに睨まれたカエルだった。
俺は尻尾で攻撃されそうになったが、なんとかコイツから逃げることに成功した。
(この森は危険だ。早くこの森を抜けなければ。)
森の中に逃げたドクガエルは、一心不乱に森の出口を求めて真っ直ぐ進んで行った。
-------田中視点-------
ドクガエルと会った後、田中は森を一巡し終えていた。
幸か不幸か、ドクガエル以外の生物に会うことはなかった。
代わりに、緑色をしたリンゴっぽい果物を少量見つけた。
他は特に食べ物を見つけることはできなかった。
リンゴっぽい果物に清潔魔法を使い、一口食べてみた。
「すっっっぱっっっ!!」
リンゴっぽい果物は毒はない代わりにかなり酸っぱい。キウイから更に甘味を減らした感じの味だ。
他に食べられる物がないので、我慢して3個ほど食べてた。
これ以上は酸っぱすぎて無理だった。
食事を終えた田中は、今後について考えていた。
(この後はどうするか、、、
水は飲めた。腹はいっぱいではないではないが、食事はできた。
明日は、他の場所に行ってみるか。できれば、他の食べ物を探したい。)
辺りは、日が沈んで、暗くなっていた。
田中は、最初にこの森に来た辺りで寝ることにした。