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田中、竜に成る  作者: TaNaKa3
プロロロローグ
12/21

十二 田中、強者に出会う

気に入っていただけましたら、いいね、感想、ブックマーク等、よろしくお願いします。

ミッシュブロート「行くぞ!」


ミッシュブロートがこちらに向かい、飛んできた。


リタ「田中さん、構えてください。」


素早い動きで、こちらに向かってくるミッシュブロート


田中は、火炎魔法を使った。


田中("火球五連")


五つの火球をミッシュブロートに向かい、放つ田中。

しかし、ミッシュブロートは素早く回避する。


田中(あの素早さは厄介だな。)


ミッシュブロートがこちらに突っ込んできた。


ミッシュブロート「"角閃"」


角での突進攻撃を仕掛けるミッシュブロート。

しかし、田中はこれを回避する。


ミッシュブロート「"群角"」


角での突進攻撃を何往復も繰り返すミッシュブロート。

これをかわし続ける田中。


ミッシュブロート「ふはははははぁ!避けるのが精一杯のようだなぁ!」


リタ(くっ!長期戦になれば、私が振り落とされる可能性がある。田中が全力を出せないのは私のせいか。こちらが不利か。)


リタの頭の中を不安がよぎる。


田中(大丈夫ですよ。その代わり、ちょっとスピードを上げるので、しっかり掴まってでください。)


田中("火花")


ミッシュブロートがこちらに突っ込んできたタイミングに合わせ、田中は火の粉を辺りに飛ばす。


ミッシュブロート「熱っ!あっちっ!」


ダメージは少ないようだが、火傷で動きが止まるミッシュブロート。


田中("大火槍")


田中はそのタイミングで巨大な槍状の炎をミッシュブロートに向けて飛ばす!


ミッシュブロート「ぎぃゃあぁー!!」


槍状の炎はミッシュブロートに直撃、結果として田中の圧勝だった。


燃えるミッシュブロートに近づき、田中は炎を解除した。


田中(リタさん。)


リタ「何故、私たちを襲ったのですか?しかも、村人全員で。」


観念したミッシュブロートは口を開いた。


ミッシュブロート「お前たちがあの村から来たからだ。」


何故と聞こうとしたところで、昼間の子どもたちが遮ってきた。


デニス「お姉さんたち、悪い人だったんだね」

ザームエル「村長は殺させない。」

カリーナ「早く逃げて、ミッシュブロートさん!」


ミッシュブロート「くっ!この子たちにも、里の者たちにも決して指一本触れさせない。」


完全にこちらが悪者である。


田中(何がなんだか?)


どういうことなのか、訳を聞いてみようとした瞬間だった。


男「ふぁー!随分、賑やかじゃねぇか!!」


恐らく寝ていたのだろう。大きな欠伸をした中年の男は楽しそうにこちらを見やる。


ミッシュブロート「緊急事態だ!ディアマント!助けてくれ!」


村人A「ディアマントさんだ!」

村人B「"鉄壁"のディアマントさんが来た! 」

村人C「もう、これで安心だ!」

子どもたち「あんなヤツやっつけてぇ!」


名前を呼ばれた筋骨隆々の中年ディアマントは、村人たちに軽く手を振った。

背負った一本の大剣が恐らく彼の武器なのだろう。


ディアマント「わかったよ。という訳で悪いが斬らせてもらう。」


そういうとディアマントは、トントンと屋根をつたい、一番高い屋根からこちら目掛けて大跳躍し、斬りかかってきた。


田中(何!?)


一番高い屋根から田中のいる位置までは、5mほどあった。

これに驚きながらも、ギリギリかわす田中。


ディアマント「あぁ、ダメだったかぁ。」


特に悔しそうにする訳でもなく、ポツリと呟くディアマント。

先ほどの大跳躍にしても、斬りかかってきた動きにしても軽い準備運動くらいなのだろう。その動きにはまだまだ余裕が見えた。


田中は、ディアマントのステータスを確認する。



名前 ディアマント

性別  男

種族  人

レベル 71

ジョブ 村の門番

HP  999

MP  468

STR  1246

VIT  9999

DEX  444

AGI  784

INT  568

LUC  899



特技

剣術 Lv.143

身体強化魔法 Lv.78

武の極 Lv.28

石の精霊の加護 Lv.88

交渉技術 Lv.34



田中(これ、ヤバいかも。)


田中の頭の中には"死"がよぎった。


田中(リタさん!!!)


リタ「なんですか?」


田中(この場から全力で逃げます。しっかり掴まっててください。逃げられればですけど。)


状況を理解したのだろう。緊張した顔で頷くリタ。

リタを乗せた田中は全力で飛んだ。


田中はこれまで全速力で飛んだことがなかったため、コントロールが難しかった。

が、幸い、まっすぐ進むだけならなんとかなった。


田中(これだけ離れれば、大丈夫か?)


後ろを振り返る田中。

しかし、その一瞬の油断が最悪を招いた。


ディアマント「追いついた。」


ディアマントに蹴られ、地面に突っ込む田中。

地面に叩きつけられないように防御魔法をクッション代わりに使う。

しかし、防御魔法の耐久が低すぎたためだろう。衝撃に堪えきれず割れてしまい、多少のダメージを負う田中。

どうやらスキルLv.1では足りないようだ。

勿論、使わないよりはマシだが。


田中(リタさん!!ここは自分が食い止めます!逃げてください!!)


リタに逃げるよう促す田中。

だが、恐怖ゆえか、逃げても無駄だとわかっているからか、

リタはそこから一歩も動けないでいる。


田中(やるしかないか、、、)


田中は覚悟を決め、ディアマントに向き合う。


ディアマント「もう、いいのか?」


どうやら、待ってくれたらしい。どれだけ余裕があるのだろう。考えただけで身震いする。

故に田中は考えるのを止めた。


田中(ここからは今は命賭けの時間稼ぎだ。もう少し経てば、リタさんが逃げてくれるかもしれない。)


数秒の静寂の後、先に攻めたのは田中だった。


田中「"炎の壁(ファイア·ウォール)"」


足止め用の技で時間を稼ぐ田中。

ディアマント「ふん!」


だが、ディアマントはたった一振りの風圧で、それら全てを消した。


ディアマント「どうした?こんなもんか?」


余裕のディアマント。


田中「"蒼火球五連"」

田中「"蒼炎の槍"」


青白い炎がディアマントを包む。どちらも今の田中の最大限の技だ。田中の読みでは、この攻撃ならどちらか当たるはずだった。


息を飲む田中。

だが、粉塵の中から出てきたディアマントは無傷だった。


ディアマント「飽きた。」


そう言うとディアマントは素早くこちらに移動し、斬りかかってきた。

剣戟の嵐、咄嗟に使った防御魔法も呆気なく破られ、満身創痍の田中。


最後の足掻きで自分のステータスを見ると、防御魔法のスキルレベルが上がっていることに気づく。


田中(戦力差がありすぎるから、あの攻撃を受け、逆に上がったのか?)


ディアマント「冥土の土産に良いもん見せてやるよ。」


そういうとディアマントは力を集中させた。


ディアマント「道を極めんとし、幾星霜」


大気がビリビリと揺れる。


ディアマント「我が進むは"剣の道"」


田中(あの一撃はヤバい。)


しかし、田中にはもう避ける体力もなかった。


ディアマント「奥義"終の一閃"」


そう唱えると、ディアマントのステータスに変化が現れた。

STR以外のステータスが1になっている代わりに、STRの数値がものすごい加算されている。

恐らく、減ったステータス分、STRが増えているのだろう。


ディアマント「これで終わりだ。」


ディアマントが大剣を大きく一振りすると、地面を割りながら、斬撃が飛んできた。

そこで田中は気づく。この斬撃が自分を過ぎたら、リタに当たることに。


田中(それだけは!させない!!)


自分に活を入れ直す田中。


田中(一か八か!)


田中は防御魔法をこれでもかと連発する。

防御魔法により、魔力で作ったシールドを展開する。

しかし、スキルレベルが足りず、容易に突破されてしまう。


田中(くっ!まだまだぁ!)


田中は、更に防御魔法を連発する。


田中(?)


何百回か、防御魔法を連発したあとに、田中は気づいた。

突破されるまで最初よりも僅かに時間がかかっていることに。


田中(もしかしたら、圧倒的なレベル差によって、防御魔法のスキルレベルが上がってるのか?)


活路を見出だした田中は、更に防御魔法を連発する。

それでも、現実は厳しかった。

無情にも田中は体調の異変を感じる。


田中(頭がくらくらしてきた。)


田中の魔力切れが近いのである。

田中は、魔法制御の修行の時にリタから言われたことを思い出していた。


リタ「魔力が切れそうになると、平行感覚がおかしくなり、歩くのが困難になったり、意識が飛びそうになります。」


田中(魔力が完全に切れたら、どうなるのですか?)


リタ「絶対にそうならないようにしてください。仮に魔力が完全に切れた場合は、死ぬことになりますから。」


田中(最後の足掻き!)


田中は、更に防御魔法を連発する。

一つ一つのシールドは強化されたとはいえ、突破されるまでの時間が数秒違うだけであった。

しかし、田中の防御魔法は偶然にも重ね掛けされていく。

数百、数千と幾重にも。


そして、その時が来た。

遂にディアマントの斬撃を防ぎきることに成功した。


ディアマント「なっ??」


結果、偶然に偶然が重なり、奇跡的にも、田中はディアマントの奥義を無力化することに成功した。

しかし、その声は田中には届かなかった。

MPを使い果たし、田中の意識は既になかった。


















魔法の制御の修行の時に火炎魔法に特化して修行した設定載せ忘れてました。すみません。

スキルレベル、敢えて上げないようにしてたので、

今回の戦闘で使ってないのも、そのためだと思ってください。

後で修正します。


それと、8月の更新回数は最低限になるかもしれないです。

ちょっと出かけたりで時間が取れるか不明のためです。

できるようなら、がんばります。

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