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田中、竜に成る  作者: TaNaKa3
プロロロローグ
11/21

十一 田中、ミッシュブロートさん家に泊まる

気に入っていただけましたら、いいね、感想、ブックマーク等、よろしくお願いします。

里の子どもたちに聞いた家に着いた田中とリタ。

リタは家のドアをノックした。


リタ「すみませーん。」


中から足音が近づき、ガチャッとドアが開いた。

出てきたのは、かなり年配の老人だった。


老人「何かの?」


リタ「私は近くの村から来ましたリタと言います。

この里の村長さんでしょうか?」


老人「儂が村長のミッシュブロートだが、はて何用かの?」


リタ「実は、私の村には主さまと呼ばれる魔物が時々やってきて、村の食糧や村人を拐って行くのです。このヒューゲル山からやってくるのですが、具体的な場所がわからず探していたのです。何かご存じないでしょうか?」


ミッシュブロート「あんたの隣のデカイのとは、違うんかの?」


ミッシュブロートは田中を指して言った。


リタ「こちらは違うのです。」


ミッシュブロート「なら知らんな。本当にこの山からやってきてるのか?山には何もなかったと思うがのう。」


田中(困った。手掛かりなしか。)


リタ「そうでしたか。ありがとうございました。」


ミッシュブロート「すまんのう。ところで、お主たち、もし山に何日かいることになったら、またこの里に来なされ。

良ければ、泊めてやろう。」


リタ「ありがとうございます。ではこれで。」


お礼を言い、村長宅を後にするリタと田中。


リタ「手掛かり見つかりませんでしたね。とりあえず、当初の予定通り、山の頂上を目指してみますか。」


田中は頷いた。


ミッシュブロートの里を後にして暫く。

リタが口を開いた。


リタ「先ほどの里、おかしくありませんでした?」


田中(と言うと?)


少し考えたが、田中はわからなかったため、リタに尋ねた。


リタ(先ほどの里には、子どもと女性と老人しか居ませんでした。なのに、子どもたちは、平和そうに遊んでいました。男手が足りないなら、子どもたちは、仕事の手伝いをさせられるのではないでしょうか?)


ふむと考える田中。


田中(男たちは、外に働きに出てたんじゃないでしょうか?

多分。)


リタ「本当にそうでしょうか?だとしても、少しくらいいてもいい気が、、、」


田中(きっとたまたまですよ。)


リタはどこか納得いってない様子だったが、考えてもそれ以上わからなかったからか、それ以上は特に言ってこなかった。


そこから1時間ほど歩き、頂上に着いた。


リタ「ここまで何も見つかりませんでしたね。」


田中(そうですね。まだ行ってない場所を探してみましょう。)


そこから3時間ほど探したが結局見つからず、残りの見てない部分は明日に探すことにした。


田中(日が暮れる前に先ほどの里に戻りませんか?)


リタ「わかりました。でも警戒は解かない方がいいと思います。」


ミッシュブロートの里に着いたのは、日が暮れた後だった。


リタ「すみません。結局、お世話になることになってしまって。」


田中とリタはミッシュブロートの家に泊まることにした。

なお、田中は家には入りきらないので、家の外で寝てる。


ミッシュブロート「気にせんでください。この里に客人など滅多に来ませんから。それで、探してた主さまとやらは見つかったのかのう?」


リタ「全く手掛かりなしでした。」


ミッシュブロート「ふぉっふぉっ!まぁ、今日はゆっくり休んで明日また探してください。」


話が一段落した後、リタは案内された客室で眠った。


夜中。


村人A「そろそろ、時間だな。」

村人B「眠ってくれてるといいけど。」

ミッシュブロート「大丈夫なはずじゃ。夕食にはネムリ草を混ぜたからのう。」


外から声が聞こえた。


リタ(なるほど。あの眠気はそういうことだったか。)


リタは部屋に案内された後、自身にメザメ草を使い、眠気を治したのだった。


リタ(早く田中と合流せねば。)


リタが窓の外を覗くと運良く誰も居なかった。


リタ(警戒が甘いだけなのか、罠なのか。)


どちらにしても、リタの能力値では複数の人相手なだけで捕まる可能性があったため、行くしかなかった。

音を立てないよう、慎重に窓から出たリタは田中の元にたどり着いた。


田中の近くには、村人が5人。そして、肝心の田中は眠っていた。


リタ(どうするか。)


悩んでいると足下にまぁまぁ硬い石が落ちてるのに、気づいた。


リタは、全力で田中にまぁまぁ硬い石を投げた。


田中「クギャー!!」


声にならない悲鳴が聞こえたが、とりあえず田中は起きた。


田中(あれ、どうしたんだろう?人がいる。)


村人C「くッ!起きてしまった。」

村人D「おれが人を呼んでくるから、それまで堪えてくれ。」

村人E「四人でなんとかなるのか?こんな魔物相手に。」


手に桑や棒を持った四人の村人たちを見て、田中は、漸く状況を理解した。


田中(に、逃げないと。)


周りをキョロキョロ見渡しす田中。


リタ「こっちです。」


声のする方を向くとリタがいた。


田中(リタさん!)


田中はリタの方へ移動し、リタを背に乗せると、飛行魔法でとりあえず屋根より高い位置に逃げた。


リタ「攻撃すれば、田中さんなら倒せたんじゃないですか?」


田中(力加減がわからないから、殺してしまう可能性があります。) 


リタ「殺されるかもしれないこの状況でそんな心配ですか。」


リタは呆れ顔で田中に言った。


リタ「それに、魔法の特訓もしたじゃないですか。」


田中(あっ!)


どうやら、田中の頭の中の選択肢は物理攻撃だけだったようだ。田中は、思い出したように言った。


田中(次はそうします。)


田中(ところで、なんで襲われたんですかね?)


リタ「恐らくですが、この里に主さまがいるんだと思います。」


田中(だとしても、村人も一緒にというのは何故ですかね?脅されてるのか?)


リタ「脅されてるなら、嫌々やってる人がいてもいいと思います。理由はわかりませんが、自分たちの意思でやってるんだと思います。」


そうこう話していると、ミッシュブロートの姿が見えた。


村人A「村長、後はお願いします。」

村人B「空から降りてくれば、自分たちも手伝えますから。」

村人C「絶対にヘンピナには帰さないでください。」


ミッシュブロート「あい、わかった。ちと待っとれ。」


すると、村長の姿が変わっていった。

元は年配の男性だったのに、バキボキと音を立て、人ではない姿に変化した。

背中には黒い翼が生え、顔は山羊のようで、黒い二本の立派な角がある。

"悪魔"そんなイメージの姿に変わってしまった。


変身が終わると、ミッシュブロートはこちらに飛んできた。


田中は、ミッシュブロートのステータスを見た。




名前 ミッシュブロート

性別  男

種族  コピーフォックス

レベル 5

ジョブ 村長

HP  100

MP 45

STR 28

VIT 18

DEX 33

AGI 157

INT 62

LUC 78



特技


変身魔法 Lv.Max

飛行魔法 Lv.2

交渉技術 Lv.2



ミッシュブロート「行くぞ!!」







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