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見える君と見えない僕  作者: 川端
9/15

“いつかのその日“まで 〜川瀬梨菜の過去〜

今回はいつも以上に長くなっております。

夏祭りに行こう

彼が突然そう言いだした。

「急すぎるよ。梨菜も奏多もそんな簡単に予定空けられないでしょ?それに受験勉強だってあるんだよ?」

「私は平気だよ?勉強はいつでもできるし」

「僕も今のまま行けば合格できるから」

よーし!と朝陽が叫ぶ。

「んじゃ、そのうち連絡すっから首を長くして待っとけよ?」

そう言うと彼は友達に呼ばれそっちに走っていった。

「あんなんで今年の受験は大丈夫なのかしら。あいつは」

「まあ朝陽らしくて良いんじゃない?」

やれやれと言った感じで奏多と芽唯は話す。

「祭りって何着ていけば良いのかな?」

「好きな服装で良いんじゃない?あいつは袴とか着てくるだろうけど。ちっちゃい頃家族で祭りに行った時あの一家浴衣やら袴やら祭りガチ勢ですか?って聞きたくなるくらいだったから」

彼の袴姿を想像してみる……顔もスタイルも整っている朝陽はとても似合うだろうな。

「僕は祭りなんて言ったこと無いからどんな雰囲気なのか分からないな」

奏多がそう言うと芽唯は大袈裟にええ!と叫んだ。

「てっきり朝陽に誘われたりして行ったことあるのかと思った」

「誘われたことは何回かあったけどいろいろ用事がかぶったりして行けなかったんだ。だから、服装とかさっぱり」

同じ境遇の人がいると人間は少し、楽になる生きものらしい。少し強張っていた心が軽くなった気がした。

「じゃあ祭りに行く前に服買いにいこっかみんなで」

中学に入り、彼らと過ごす前は誰かと仲良くすることも無かった。だから友達出かけることなんてまるでなかった。だから、彼らと過ごす日々はは私にとってどれも新鮮で、大切で、楽しい。

「いつにする?」

「祭りの予定も決まって無いからそれに合わせる感じにしようか」

「服買うのも久しぶりだな……今はいくらくらい持っていけば足りるんだ?」

「あんた、15年ちゃんと生きてた?軽く現世に居なかったでしょ。平安くらいにまでタイムスリップしてたでしょ」

そんなわけあるかと奏多が突っ込むと同時に始業のチャイムが鳴った。

家族以外と祭りに行くなんて初めてだ。特定に誰かと親しくなることが私はどこか苦手だった。親しくなった後に喧嘩などで関係が壊れてしまう事をとても恐れた。だから私は話しかけられたら相槌は打つが自分から会話を広げるようなことはしてこなかった。

だが、二年前のあの日、なぜ奏多を助けるようなことをしたのか。それは自分でも分からない。ただの正義感からなるものだったのか、あるいは自分の正義を誰かに見せびらかしたかったのか。何もしてない彼に複数で水をかけた彼女らにムカついたのかもしれない。私を動かした〝なにか〟の正体は未だ分からないが彼を助けることが出来て本当に良かった。

その後に標的が私になる事は予想していなかったけど。流石に懲りるだろうと思っていた私の認識が甘かった。いじめられても助けを求めることはしなかった。いらなかった。机に落書きされても、物を壊されても、何も思わなかった。何も思わないようにしていた、つもりだったが。手を出されてからはそう思う事が出来なくなってきた。体と心が同時に痛むのは耐えられなかった。だからあの日、反撃しようと心に決めていた。殴られようと何されようと我慢の限界だった。でも、三人と一人では分が悪すぎた。制服も破かれ、三人に袋たたきされ、自分が何をしているのか、何がしたいのか分からなくなってきたとき、彼らが来てくれた。目の前に居たはずの人間が飛んで行った。なにが起こったのか分からなかった。でも、助けが来たことに安心していた。まあ、安心して気を緩めていたせいで顔を切ってしまったのだが、これは自業自得だ。彼女らにいじめられ続けるより何倍もマシだ。三人は退学し、私には平和が訪れた。更に、朝陽たちが友達になろうと言ってくれたおかげでクラス内で浮くことも無かった。

本当に彼らには感謝してもしきれない。私の恩人だ。だから奏多が病気だと知ったときは驚いたけど命にかかわるものではないと知り安心した。

「…瀬、おい川瀬!」

「……あ、はい!すいません!」

考え事をしていたらホームルームが始まっていたことに気が付かなかった。いけない、集中いないと。


「お、やっと来た。遅いぞ奏多?」

「ごめん、人が多くて……」

「全くレディを待たせるとはけしからん。ね、梨菜」

急に振られたので何と反応すれば良いのか分からず、あ、そうだねと気の利かない返事しかできなかった。

「んじゃ、行きますか~受験前最後だろうし、気合い入れて服を買おう!」

服を買うのに気合いが必要だという事を私は初めて知った。


「よし!大体の物は買えたね」

「なんで僕が荷物持ちなのさ…」

「奏多がじゃんけん弱いからじゃない?」

今度絶対やり返すと呟きながら私たちの荷物を持ってくれている。ありがとう、奏多。

「それじゃあ後は当日、だね!」

「そうだね、てことで芽唯荷物もtt」

「あ、朝陽だ。おーい!」

奏多が無言でこっちを見てくる。仕方ないので少し荷物を持ってやる。

「ありがとう梨菜」

「流石に重たいでしょ?少しだけだけど持つね」

そんなやり取りをしていたら芽唯が居なかった。

「あれ?あいつは何処に?」

「あそこ、朝陽に突撃している」

今いる場所と芽唯らがいるところはなかなか距離が離れているがそれでも余裕で聞こえるくらいの声の大きさで騒いでいる。

「あいつらのところ行くかぁ…」

「体調は大丈夫なの?」

「これくらい平気だよ」

残り数メートルのところで朝陽に声をかけられる。

「お!お前らもいたのか!なんだ、デートか?」

突然そんなこと言われて私は思わず赤面してしまった。

「違うよ、祭りに行くように服買いに来たの。でも、僕も梨菜も祭りに行ったこと無かったから、芽唯についてきてもらったの」

ニヤニヤしながらではあるが、なるほどねと言った朝陽を信じよう。


―祭り当日―

「…………え?!もうこんな時間?!」

祭りの日程は何回か延期になった。朝陽の部活や、祭りがそもそも開催してなかったりとで夏休み前に行こうと言う計画が夏休みに突入してしまった。そして、今日がその日。集合場所は中学校前、集合時間は午後四時である。現在時刻は午後三時二十分。家から駅までおよそ10分、更にそこから電車で30分かかる。ギリギリ間に合うかどうかだ。というか、着替えないと。ちゃんとタイマーかけて寝ればよかった。というか何時間寝ていたのだろうか。

そんなこんなで家を出る。時刻はpm3:25走れば駅にはギリギリ駅には間に合うはずだ。しかし天気は良すぎるほどで、三分でも外に居たら汗が垂れてきてしまうほどだった。こんな中走ったら熱中症にでもなってしまう。でも、走らなければ間に合わない。どうすれば……

その時、

「りぃぃなぁあ!!」

後ろから猛獣じみた叫び声が聞こえてきた。どうやら自転車に乗っているが、姿が確認できない。キィーというブレーキ音と共に、私のすぐ隣で自転車が止まる。

「か、奏多、どうしたの?」

「寝坊した!それより急がないと時間に遅れるから後ろ乗って!」

「で、でも二人乗りはだめなんじゃ……」

「そんな事どうでも良いから!」

と言われるや否や、後ろに座らされる。男の子の力ってこんなに強いんだ…なんてのんきに思う。奏多は二人分の重量を運ぶので精一杯だろうけど。夏の暑い日、湿気もあり、汗が服について気持ち悪い感じだが自転車のおかげでそれは無くなっていった。彼の背中を掴む。早く駅につかなければ間に合わないけど、一秒でも良いから遅く駅に着くことを願った。もう少しだけこのままでいたいと思った事は秘密だ。

今日のことはいつまでも覚えているだろう

そう思った。

電車はそのあとすぐに来た。やってきた電車に飛び乗る。外とは違い、寒いくらいに冷えている車内は気持ちよかった。

「なんとか間に合った……足が棒になる…!」

「お疲れ、奏多」

もともと運動が得意でない彼にとってはかなりつらかったに違いない。

「水分取ってる?熱中症とかになってない?」

「流石にそこまでじゃないけど、軽度の脱水にはなってる」

「これ、飲みかけだけど飲んで」

ここに朝陽や芽唯が居れば間接キスだのなんだかんで盛り上がれたのかもしれないが、奏多の体調がそれどころではないので、気にしないこととする。

「梨菜は大丈夫?気持ち悪くなったりしてない?」

「全然、大丈夫だよ」

私は自転車に乗っているだけで風を感じて涼しかったが、奏多はそれどころではなかっただろう。炎天下に、それも二人の人間を運んだのだから。

「ごめん、少し横にならせて」

八月の平日の電車内には夏休みに入っている学生くらいしかいなく、席に横になったところで誰も彼を咎めはしないだろう。この車両にも私と奏多しかいないし。

いつもなら人でごった返している車内なのに、人が全くいないのでまるで別世界に来ているみたいな、そんな静けさがあった。ダカダンダンという音のなかに時折混ざるキンとい

う金属の音、流れていく景色その一つ一つがいつもとはどこか違く美しく思えた。

このまま駅に着かないで、なんて思ったり。

ぼーっと流れていく景色を眺めていると、奏多が「よっこらしょっ」と、おじさんみたいな声を発しながら起き上がった。

「もう起きて大丈夫なの?」

「うん、だいぶ回復したし、もう駅につくしね」

プシューという気の抜けた音とともに「〇〇駅です。お忘れ物なさいませんようご注意ください」とアナウンスが流れた。そのアナウンスに促されるように慌てて電車を降りる。寒いくらい冷房が効いていた車内に比べ、外はじっとりとした纏わり付く暑さがあった。

「あ、いたいた。おーい!こっちこっち!」

声の主は、芽唯だった。しかし、どこを探しても朝陽の姿が無い。

「あれ、あいつは?」

「コンビニ行って来るって言ってから見てないよ?」

この暑さだ、どこかでへばっているのかもしれない。もしかして日射病とか?

そんな心配は数秒後にどこかへと飛んで行ってしまった。

突然、首辺りにひんやりとした感触があった。

「ヒャッ!!」

反射的に裏を向くとそこには、朝陽が居た。

「もう!驚かさないでよ!」

「ごめん、ごめん。まさかこんなに驚くとは思って無くて……」

そう言うと彼は持っていた飲みものをこちらに投げてきた。「熱いからそれでも飲めよ」と言い残し、歩き始めた。

「奏多少し顔色悪いけど大丈夫なの?」

「駅に来るとき自転車を猛スピードで私も乗せて走ったから軽く脱水になったみたい」

そんな彼は今、朝陽に絡まれている。少しぐったりとしているが本当に大丈夫なのだろうか。

「大丈夫だよ、みんな。そんなに心配しないで」

「顔が青白い奴に大丈夫とか言われたくないわ」芽唯の突っ込みに奏多は苦笑せざるを得なかったようだ。一度小休憩を取ろうという朝陽の提案を受け祭り会場に近いショッピングモールに入る事にした。



「お前、何してんの?」

「お前のせいで私たちの人生ぐちゃぐちゃなんだけど?責任取ってよ」

「なんだよ、その目。また殴られたいの?私たちに」


「……菜?ねえ、梨菜?どうしたの、汗凄いよ?」

渡されたハンカチをありがたく使わせてもらう。

「梨菜も体調良くないんじゃない?やっぱりどこかで休んだ方が…」

「私は大丈夫だから!二人は今どこに?」

「あいつらは今トイレだってさ」

その言葉に反応は出来なかった。そんな事より、今のは一体?いつの記憶だろうか。だけど、学校以外で私はあの三人に会った事は一度もない。

「いつの記憶なんだろう……」

「え?なんか言った?」

「何でもないよ!大丈夫。それより、あの二人まだかな?」

無理やり話題を変える。その場しのぎにでもなれば何でもよかった。

「もうすぐでしょ。それかどこか寄り道でもしてるんじゃない?」

何だろう、この胸騒ぎは、気持ち悪い。胸の真ん中にもやもやした何かが私を飲み込んできそうで怖い。次の瞬間、胃液が上がってくるのを感じた。

「ごめん、私もトイレ行って来るね」

急いで個室に向って駆ける。周囲の目線なんて気にしない。気にする余裕も無かった。

「……っぐ!………!……………ァ……」

思い出したくもないのに、忘れようとしても駄目だった。あの三人の顔が鮮明に頭に浮かんでしまう。


「お待たせ……」

「じゃあ全員そろったし行きますか!」

気だるい。さっきまではなにも無かったのに。一気に体が重くなったのを感じる。胃の中にはなにもないはずなのにまた吐きそうだった。帰りたかったけど我慢する。

祭りの会場まではそんなにないはず。だけどその距離が永遠のように感じられた。

「梨菜体調悪いでしょ」

誰もいないと思っていたところから声をかけられ驚く。

「奏多か…びっくりしたなぁ」

「それでどうなの体調は」

「さっき少し…」

「分かった。ちょっと待ってて」

皆に知られたくないから奏多を止めようと思ったけど、そんな気力すら今の自分に無い事に気が付いた。中止にしちゃったら悪いな…何回も延期してようやくみんなでって日だったのに。

「梨菜、お待たせ」

顔を見れない。私のせいで今日がつぶれちゃう。皆楽しみにしてたのに。私一人のせいで…

「会場には朝陽と芽唯が先に行ってるって。僕たちは少し休憩してからゆっくり行こうか」

「なんて伝えたの?」

「僕が体調悪いってことにしたよ。流石に僕らの仲と言えどそういうことを言うのはデリカシーが無いっていうか、言ってほしくないことだってことくらい考えればわかる事だしさ」

あ~もう!だからこいつは……

「ああ!ホントに!」

いけない、思わず声に出しちゃった。奏多が若干引いてるが気にしないフリで行こう。「と、とりあえずフードコートで休む?」

今日はとことん調子が狂う。とりあえず今は奏多の指示に従っておこう。


夏休みと言えど、世間的には平日でフードコートは学生くらいしかいなかったのでそれ程混んでいなかった。

「はい、オレンジジュースだけど」

「え、良いの?」

体調悪い人に支払わせるなんて酷だよ、とはにかみながら彼は、コーヒーを一口飲む。その顔を見ているのがなんだか恥ずかしくなったので私も慌ててジュースを飲む。一気に飲んでしまったのでむせてしまった。

「り、梨菜大丈夫?」

いきなり席を立ち何をするのかと思ったら私の背後に回って背中をさすってくれた。だけど、突然の出来事すぎて驚いて背中をのけぞってしまった。

「ンンンン!?」

「あ、ごめん……」

彼が慌てて手を離したのが分かった。背中にあった温もりが突然消えたから。

すぐに落ち着いたけど、両者沈黙の時間が続いた。ジュースを飲み終わっても何か話すことも無く、十分すぎるほど休憩して私たちは再出発することとした。


店内がどれほど快適だったのかを外に出てすぐに感じさせられた。

いくら夏と言えどこの暑さは異常だ。立ってるだけでも汗が流れる。朝陽と芽唯は大丈夫だろうか。

そんな感情は杞憂だったと奏多が教えてくれた。肩をたたかれ振り向くと自分のスマホを私に見せてくれた。画面には写真が表示されていた。その写真には、朝陽と芽唯が日陰でかき氷をおいしそうに食べている写真だった。冷房の効いてた施設でジュースを飲んでた私たちが彼らに対して苛立つのは違うという事は分かっているが、私たちが苛立ったのはそこでは無い。その写真と共に送られてきた文章に苛立ったのだ。

『奏多、やってんな。応援してるぞファイト~(o´ω`o)ぅふふ(吉報を待ってるぜ)』

殴りたくなったのは言うまでもない。謎に朝陽の声で脳内再生されたし、これを打ってるときの朝陽の顔を想像したら更にムカついてきた。

会場に付いたら一番にあいつを探して蹴りを入れようと思う。

「そういえば僕らってこういう話一切してこなかったよね」

「こういうって?」

「色恋の話」

意識して避けてきたわけでもないが確かに〝一回も〟と言っていいくらいしてこなかった。皆が皆を知りすぎたせいでそういった感情はどこかに行ってしまった。周りからは揶揄されることはこの年齢なので多々あったが気にしなかった。意図的になのか意識的になのかは分からないけど。

恋愛に興味が無いわけでもない。だけど、恋人を作るより朝陽たちと居る方が楽しいから恋人なんていなくても良いと思っている。

「梨菜にはそのうちいい相手が出来るんじゃない?」

「いや、私別に好きな人もいなし」

「とか言って実はいたりして」

何なんだろう、今日は奏多もムカつく。いつもはこんなに煽ってこないのに。

「……何がしたいの?」

「んっと…梨菜元気なさそうだから元気づけようかなと思って」

本当に今日はとことん調子が狂う。

「はやく行くよ。芽唯たちが待ってる」

少し体調は良くなった。


朝陽に呼ばれたからと会場に着くなり奏多はどこかに行ってしまった。どこに何があるのか分からずあたふたしていると芽唯が私の姿に気が付きこっちに来てくれた。祭りの本番は日が沈むぐらいからで、昼間は前座的なもので人もそんなにいなかった。

今のうちにと言った感じで少し早めではあるが夜ご飯を食べようという事になった。そういえば私は今日何も食べていなかった。先ほど吐いてしまったので食欲はそんなになかったが芽唯に連れられ唐揚げを買う事にした。

「はい、梨菜お食べ」

「別に自分で食べられるのに……」

と言いつつ食べる、おいしい。

「少しは体調良くなった?」

「あ、うん。さっきよりはだいぶ…って、え?」

奏多には話したが、芽唯には話していなかったはず。

「あんたがトイレから帰ってきたとき、あんたは何も無いように振る舞ってたかもしれないけど私にはバレバレ。何年友達やってると思ってるの?朝陽の目は騙せても私の目は騙せないよ」

「あちゃーバレてたか。もっと腕を磨きますね師匠」

「うむ、鍛錬に励むことだ」唐揚げを頬張りながらだったので日本語ではない言語のように聞こえたが多分こう言ってたはずだ。

分かっていても私に何も言ってこなかったのは芽唯なりの気遣いだったのだろう。

「うぇーい、お嬢ちゃんたち元気?お兄さんたち暇なんだけどこれからどう?」

ナンパかと思い振り返る。どっかで聞いたことある声だなと思いながら。

「……馬鹿なのあんたら」

あ、言いたいことを芽唯に取られてしまった。

声をかけてきたのは朝陽と奏多だった。

「なにがお兄さんよ、暑さで頭やられたの?」

「芽唯、こいつの頭がおかしいのは元からだと思う」

「あ、そっか」と納得する芽唯と、「奏多、それどういう意味だ」と疑問に思う朝陽に挟まれた奏多の顔がなんかおもしろくて笑ってしまった。朝陽の頭が正常でないのは私もうすうす感じていた。

「おい、梨菜お前今なんか失礼なこと考えてなかったか?」

勘が鋭いのがムカついたので唐揚げを朝陽の口に詰める。

「そればーみんなあづまったふぃかいじょうまふぁるぞー!」

今度はなにを言っているか理解できなかった。


そんなに大きな祭りではないが出店の数は豊富でそれらを眺めているだけでも楽しかった。

「よっしゃー!ほら奏多もやってみ?」

意外な事に朝陽は射的が得意だった。彼はぬぐるみや、良く分からないキャラクターが描かれているハンカチやらそんなにとってどうするんだと言うくらいとっていた。荷物番はもちろん私と芽唯だった。

「あとで私も射的やろうかしら。的は朝陽で」

「楽しそう。一緒にやろうか」

銃も弾も本物でなんてくだらない話で盛り上がっていると景品を取り終わった朝陽と奏多が戻ってきた。

「お待たせ、荷物番ありがとな。これで妹へお土産渡せる」

「え、妹居たの?」

初耳だった。朝陽の雰囲気からは長男という感じが全くなかった。むしろ末っ子という感じだ。

「これでもちゃんと兄貴をしているつもりだ。たまに喧嘩するけどな」

「ひどいと陽茉莉ひまりが私の家に家出しに来るんだよね。一晩中朝陽の愚痴を聞いて寝るってのが定番になってきてる」

仲が良いのか悪いのか。一人っ子の私は、幼少期は妹や弟が欲しかった時期があった。親に何度も「妹か弟が欲しい!」とせがんだことか。年齢を重ねるごとにその思いは無くなっていった。

「兄弟とかが居ないのは私と梨菜だけだね。朝陽には陽茉莉がいるし、奏多には愛奏音あかねがいるし。二人ともホントに可愛いんだから私の妹にしちゃいたいくらいよ」

奏多が長男なのはすぐに納得できたが朝陽が長男なのは未だに納得していない。ものすごく怪しい。

「おい梨菜、なんだそのお前そんなんで妹おったんかいみたいな目。ちゃんといるっつーの」

ものすごく怪しいがここはひとまず信じておこう。

「じゃあ次は~金魚すくいだ!」

おおぉぉ!と妙に気合いが入っている朝陽、芽唯と、その空気感についていけない私と奏多は呆然としてしまった。奏多はどんな顔をしているのか見てみようと目線だけ奏多にやる。その横顔に何となく見とれていたら奏多と目が合った。別にいつも見ている顔だし特になんともないはずなのに妙に恥ずかしかった。耳と手がジンジンしている。

「とりあえず行こっか!」

今日はホントにどうかしている。今まで一回も奏多の顔を見てもドキッとしたことなんて一度も無かったのに。

『奏多、やってんな。応援してるぞファイト~(o´ω`o)ぅふふ(吉報を待ってるぜ)』

何故か昼間朝陽が送ってきた文章を思い出した。駄目だ、これ以上は。変に奏多を意識してしまう。それだけは絶対にあってはならない。この関係を崩すような行為だけはしてはならない。

「恋のにおいがしますね……」

「これは………クロですね」

音もなく突然現れた二人に驚くことすらできなかった。

「何言ってんの?」

「目の前見て見ろ。祭りという場に浮かれて公共の場であろうことか抱き着いているではありませんか。中学生だと言うのに羨ま…いかがわしい!」

「言い直したつもりかもしれないけど出てるから、心の声。不純異性交遊として写真撮って学校に通報してやろうかしら。もしくは写真撮ってA1サイズでコピーして学校のいたるところに貼る?」

なんでこの二人は応援してあげないのだろう……とりあえず目の前の二人は爆散でもすればいい。

「三人して心の声駄々洩れなんだよ。少し慎め」

「じゃあ奏多は何も思わないのかよ~」

「何も思わないわけないだろ?公共の場でいちゃつく奴らはさっさと○×▽□◇*$%#“…!」

「お前が一番ボロクソ言うんかい」

一般的な中学生なんて大体こんな感じだろうと思う。そこら辺のリア充の幸せを願える人なんてそんなにいないだろう。

「くだらない事してないで行くぞ。金魚もたくさんとれたんだし充分だろ?」

朝陽の両手には三袋、芽唯の両手には五袋もあるのに少し不服そうな顔の二人を置いて先へ進む奏多についていく。ふと髪に触れるとそこにあったはずの髪飾りが無かった。どこかに落ちたんだろうか。探さないと…でも奏多は先に行っちゃうし。そうだ、芽唯たちに一言言ってから探しに行けば良いんだ。数分前までいた金魚すくいの屋台の前に行く。が、そこには幼稚園児くらいの子供がいるだけで二人はどこにもいなかった。

陽が沈みだして人の数は昼間と比べ物にならにくらい増えてきていた。

「梨菜ぁ?どこ行った」

朝陽の声が聞こえる。だけど、人込みに流されてどこにいるのかが分からない。

「皆どこにいるの⁉」

呼びかけてみるけど、返事は、ない。人の流れに逆らおうとして見るがすぐに無理だと分かり諦めた。

 数分後、何とか人混みから抜け出せたので彼らを探す。携帯があれば楽なのだが、生憎充電が切れてしまっている。電話番号なんて交換もしていないのでたとえ公衆電話があったとしても意味が無い。取り合えず会場内を歩いていればいつか会えるだろうと思い、適当に歩く。というか、髪飾りも探さないと。あれは本当に大事なものだから…

と、その時リィンと聞きなれた鈴の音が聞こえた。私の髪飾りの音だった。

「この髪飾り凄い綺麗じゃね?」

「落とし物だから届けるかぁ…」

親切な人が拾ってくれたようだ。

「あ、あの!」

一世一代の勇気なんて言うのは大袈裟なのかもしれないが、見知らぬ人に声をかけると言う行為は私にはとても勇気のいることだった。

「あ、もしかしてこの髪飾りの持ちぬ……え?」

え?と言われても私は何かしただろうか。

「いきなりすいません、その髪飾り私ので………って」

まさか誰がここで再会するなんて思っていただろうか。

誰が、この三人にここで遭遇するなんて思っただろうか。

「これ、お前の?だったら…なぁ?」

他の二人にアイコンタクトを取る。そして肩が掴まれる。ああ、懐かしいなこの感じ。思い出したくなかったけど。

「良いよな……壊しても?」

駄目だ、それだけは。絶対に!

「待って!それはやめて!」

私の反応を楽しむように髪飾りを地面に投げる。

「やめるわけねーじゃん!」

地面に投げつけられた髪飾りに追い打ちを食らわせるかのように、自らの足をそこに向けて下ろす…

直後、パリッという音が聞こえた。


「梨菜!このアクセサリー梨菜に似合うんじゃない?」

そう言われて試しに渡されたネックレスを付けてみることにした。が、

「……やっぱり私にはこういうの似合わないよ…」

普段から服装に気を使っていないし、ましてやアクセサリーの類なんて自分から調べた事なんて一回も無い。

「え~似合ってると思うけどなぁ……じゃあこれは?」

と、今度はイヤリングを渡された。

「これってどうつけるの?」

芽唯の口が開いたままである。

「そんなに衝撃的な事だった?」

「だって私たちの年齢でおしゃれに気を使わない人の方が珍しいし」

そう言いながら耳にイヤリングを付けてくれる。慣れていないせいかくすぐったい感じだ。

「うん、大丈夫だよ。無理に考えなくても」

「いや、友達の誕生日に何もなしは流石にでしょ。ねえ、ふたりとも?」

「芽唯は俺に何もくれなかったこと何回もあったけどな」

と、ここで二人の口論が始まった。いつものことなので特に気にしないが。

「今はこういうのが流行ってんのか、へぇ…」

隣では奏多が真剣にアクセを吟味していた。君は付ける機会あるのかい?

「奏多もアクセ興味あるの?」

「いや、そうじゃ無いんだけどこういうの見たことが無くてさ。新鮮なんだ」

表情をあまり表に出さない奏多だが、この時の顔はなんだか輝いていたように思う。

「奏多はどれが良いと思う?」

なんとなく奏多の好みを知りたかった。

「そうだな、僕はこういうのに疎いから良く分からないけれど……梨菜に似合いそうなのはこれじゃない?」

そう言って彼が渡してくれたのは、

小さな鈴ついている赤い髪飾り。私の背後に回り付けてくれた。

「うん、梨菜によく似合う」

小さな髪飾りだったが、この日、一つの宝物が出来た。


「……どかして」

「あ?」

「どかしてって言ってんの!」

掴んできている腕を振り払い、カトウの足をどかす。突然のことだったからだろうか、カトウ腰を抜かし地面に倒れた。他の二人は驚いているのか動いている様子はない。

急いで踏まれた髪飾りを確認する。

「………ごめんね、奏多。壊れちゃった」

そこにあったのは髪飾りのはずだったもの。今は原型を留めていない。

「お前、何してんの?」

「お前のせいで私たちの人生ぐちゃぐちゃなんだけど?責任取ってよ」

「なんだよ、その目。また殴られたいの?私たちに」

昼に見たあれは、この事を私に教えてくれていたんだな。

「お前なめてんの?とりあえずさ責任取ってね。体で」

体でと言われたので何か性的な事かと思ったがどうやら違ったらしい。突き飛ばされ、服の上から殴る蹴るの暴行。皆と買った服なのにな。芽唯が、奏多が選んでくれた服なのに。

あーあ、最悪な気分だ。

彼らになんて謝ればいいんだろう。

「お前生きて帰られると思ってんの?馬鹿じゃん。私たちの心には一生の傷が残ったんだけど」

加害者の何処に傷が残ると言うのか。笑わせるのもいい加減にしてほしい。

「助けでも乞えば?無駄だろうけどっさ!」

痛いと言う感覚もそろそろ無くなってきた。今蹴られたのは分かったが、どこを蹴られたのかは分からない。

もう、良いかな。

疲れちゃったし。

「ごめんね、みんな」

だんだんと瞼がいう事を聞かなくなってきた。これが私の最期なのかもしれない。

こんな死に方だけは御免だったが、もとはと言えば私が髪飾りを落としたのが原因なので仕方がない、と思う事にする。

瞼が落ちる寸前、見えたのは奏多でも、朝陽でも、芽唯でもなく、カトウの足だった。

いや、顔面は流石に勘弁してほしかった。次瞼を開けることが出来れば良いな。

そう思った時だった。

「……!……!」

「………………‼‼………‼」

なにが起こっているのだろう。ただ、少なくとも私の顔面に足が降りてこなくなった。なにが起こっているのか気になるけど、私は目を開けない。開こうとすれば出来るけど、そこに今は体力を使いたくない。

眠りにつくのと似た感覚に包まれそうになった時、体が持ち上がったのを感じた。

「……!ぃな?おい!梨菜、しっかりしろ!」

ハッと目が覚める。さっきの出来事が夢ではないという事は痛みが教えてくれた。

「…みんな…なんで?」

「なんでって、お前が居なくなって三人で探してたんだ。そしたら奏多が梨菜の髪飾りの鈴が落ちてるって言って、そこから周囲を探しまわってたらあいつの怒声が聞こえてきて、今に至るってところだ。とりあえず、今からお前は病院へ行く。分かったな?」

「……ごめん……!」

「なにがだ?」

「お祭り、こんな事になっちゃって…!」

「ばーか、お前のせいじゃねーよ。悪いのはあの三人だ。お前は何も悪くない。罪悪感をおぼえる必要もない。だから、もう泣くな、良いな?」

「奏多と芽唯は?」

「あの三人を取り押さえるやらなんやらやってると思うぜ。とにかく今はお前の体の方が心配だ」

ここから一番近い病院でも二キロ近くある。朝陽の体は大丈夫なのだろうか。

「俺の体は丈夫だから心配するな。骨折させたかったら鉄骨でも持ってこないと折れないからな」

冗談のつもりなのだろうけど、朝陽だったら本当にそこまでしないと折れなさそうだ。

「……あのさ、なにがあった?」

先ほどのテンションとは打って変わって、真面目な感じで聞いてきた。ならば私も真面目に返さねばいけない。

「金魚すくいのところで奏多についていくか、ふたりについていくか迷って。最初は奏多について行ったんだけど見失って。だから二人についていこうとしたんだけどその時にはいなくて。で、その時に髪飾りが無い事に気が付いて、探していたらあの三人に…ごめんね、、私が今日髪飾りつけて来たからこんなことに…」

「梨菜、さっき言ったろ?おまえが負い目を感じる必要はないって。これ以上自分をせめるような言い方をするな。分かったな」

厳しく、だけど優しく朝陽に言われたので私は黙って頷く。

ほどなくして病院に着いた。検査の結果、特に大きなけがは無かった。まだ痛むところをおさえながら病室を出ると奏多と朝陽と芽唯、それに両親もいた。

「梨菜、大丈夫?」これはお母さん。

「折れたりしてないか?」これはお父さん。

「まだ痛むか?」これは朝陽。

「あの時の奏多、すごい形相だったね」これは芽唯。

「ちょ、そういうことは言わなくて良いから…」これは奏多。

「みんな、心配かけてごめん。そして、ありがとね」

ただいつもみたいに感謝を伝えただけで涙が溢れそうになった。


あれから数日経ち、いろいろな事が起こった。

まず、あの三人について。両親は被害届出す気満々だったが、これ以上事を大事にしたくなかったので頑張って両親を説得、賠償金だけがっつりもらう事にした。正確な金額は言えないが、今の私が無駄遣いをしても余裕で余るくらいの金額である、という事だけは確かな事だ。ありがたく?進学とかの費用に充てさせてもらう事にした。

こちらは私が連絡しなくても良いと何回も両親に言ったのだが抵抗も空しく、連絡した翌日学校に私と奏多、芽唯、朝陽が呼び出され当時の状況を詳しく詰問された。とはいえ私はほとんど何も覚えていなかったので喋ったのは主に朝陽だったが。それなりの注意の後、大きなけがが無くてよかったとすごく心配された。とはいえ、事の発端は私なので私のせいなので精一杯反省しようと思う。

その帰り道、まだ暑さの残る午後。

「そういえばさ、こないだ芽唯が奏多の形相がどうとか言ってたけど、どんな感じだったの?」

普段怒りもしない彼がどんな顔になっていたのかとても気になる。

「その時の映像あるけど、見る?」

「いや、見せなくていいから。気にしないで梨菜」

にこやかに動画を見せようとしてくる芽唯とそれを全力で拒む奏多。この状況を楽しんでいる感じの朝陽。

「え…っと見せてもらっても良いかな?」

芽唯の喜ぶ声と、奏多の大きなため息と朝陽のカラカラとした笑い声が夏の空に吸い込まれていく。

『お前ら、人の仲間に何してんだ!』

『うるせえのが来たぞ。邪魔すんな、失せろよ!』

『今すぐ離れろ‼二度と梨菜に近づくな‼お前らの方こそ失せろ‼おい、逃げんじゃねえよ‼』

動画に映っていた奏多を私は見たこと無かった。

「奏多がこんなに感情むき出しなの初めて見た。びっくりしちゃった…」

「私も撮ってて別人かと思ったもん」

「てか、なんで芽唯は撮ってたの?」素朴な疑問をぶつける。

「奏多にここで待ってろって言われたから暇だし…見たいな?」

アハとでも言いそうな顔でなかなかな事を言う。「因みにこの後も続きあるけど、奏多がボコボコに奴らを殴るだけだから、気にしないでね?」と言ってきた。一番気になる映像だがふと目に入った奏多の表情がホントに嫌そうな目をしていたので後でこっそり芽唯に見せてもらう事にした。

「ありがと、奏多。おかげで顔を踏まれずに済んだよ」

「大きなけがしてなくて本当に良かったよ。今後はみんなで固まって行動しような。もう迷子になるなよ」

そう言って、頭をポンポンとされた。

ただそれだけ事なのに、なぜだか心臓の音が大きくなったのを感じた。

心の無しか顔も熱い気がする。

「梨菜、顔真っ赤だけど大丈夫?」

と言い、奏多の手が私のおでこに触れる。驚いて反射的に体を引いてしまう。

「あ、ごめん…」奏多も手を離す。熱でもあるんじゃないかと思ってさと、うつむきながらつぶやく。

「大丈夫!ほら、今日暑いから、そのせいだからあ!」

いてもたってもいられなくなってとりあえず走る。と言っても向かう先は駅しかないのだが。あの祭りから、どこか私はおかしい。特に奏多に対して。今まで至近距離で何されても平気だったのに、何でだろう…

「おやおや、ここからも恋のにおいが…」

「前々から怪しいとは思っていましたが…これはこれは」

奏多はどこに置いてきたのだろう。

「それでそれで?梨菜さん。実のところどうなんですか…?」

答えたくないので無視して歩き始める。

言われなくても分かってる。

私は恋をした。奏多に恋をしている。

あの日から、ずっと。

だけどこの想いを彼に伝えるつもりはない。

この想いを伝えて関係が壊れてしまうのは、何よりもいやな事だから。

―突如、頭の中に何かが流れて来た―

〝始まった〟と思った。あの日と同じだ。頭が割れそうなほど痛い。


異常な数の管に繋がれた白くて細い腕。その腕が私のだと気が付くのにそう時間はかからなかった。必然的にそこは病院だという事が分かった。

ベッドの隣に誰かいた。だけど、〝その中の私〟はその人が誰なのか思い出せていないようだった。

そこに居たのは……


ここで映像は終わった。

視線の先には、奏多がいる。

なるほど、そういう事か。

この想いは心の奥底にしまっておこう。誰にも気づかれないように殺してしまおう。こんな想い。

「んでんで?どうなの?」

「え、なんもないよ?好きな人作るより、皆と居たほうが楽しいもん!奏多ぁ早くしないとおいてくよお!」

今という時間は今しかない。

〝その日〟まで私は人生を精一杯謳歌しよう。


ということで、梨菜の過去編でした。

いかがだったでしょうか? 個人的には良くできたのではないのかなと思っております。

また解説やら裏話やらは活動報告にて、行います。

それでは、また。

追記:5/03 愛奏音と陽茉莉の名前にフリガナ付けなおしました。

追記:9/16 名前を間違えてたのでそこを修正しました

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