隣の席の美少女に告白したら『あんな小鳥でも相手にプレゼントをしているのにあなたは手ぶらなの?』と断られたけど、その小鳥たちがいきなり交尾を初めて、それから彼女の様子がおかしくなった。
短編投下します。
高校3年生になった俺、兵頭貴斗の隣の席はものすごい美少女だった。
孔雀小路柚子姫という学内カーストトップで俺みたいな陰キャとは違う世界の住人なのだけど、授業中によくこちらを見てくるので自分に気があるのかと思っている。
そして俺は偶然教室で二人っきりになったタイミングで孔雀小路さんに告白してしまった。
「好きです!付き合ってください!」
「え?えっと…私たち席が隣だけど話したこともないわよね?」
「でも、授業中とかいつもこっち見てたよね?」
「それは授業が退屈で外を眺めていただけよ。何?まさかそれで勘違いしたの?」
クスクスと笑う孔雀小路さん。
なんだって!
やらかした!
恥ずかしくて俺の顔が凄く熱くなる。
「ほら、見て」
孔雀小路さんが窓の外を指し示すと、目の前の木に小鳥が2羽止まっており、1羽がもう1羽に虫を渡している所だった。
「あんな小鳥でも相手にプレゼントをしているのにあなたは手ぶらなの?」
「う…」
高校生の告白で普通プレゼントなんてしないよね?
それともお嬢様的にはそれが普通なの?
そして虫をもらった小鳥は美味しそうにそれを食べてからぴったりと相手に寄り添っていた。
「ああやって相手の好きなものを渡すとかすれば、あんな関係になれたかもしれないのにねー」
チュンチュン
チュチュチュチュ
ふいに小鳥たちの鳴き声が強くなった。
そして…
俺たちが見ている前でこの小鳥たちは『交尾』を始めた。
「あんな関係になれたかもって…」
「え?あ?ちょ、ちょっと待ってよ!違うの!なに考えてるのよ!変態!」
そう言って孔雀小路さんは教室から走って出ていってしまった。
これは嫌われたな。
まあ、今までも話とかしなかったし。
これまで通りってことか。
そう思っていた俺の考えが甘いことに気づかされるのは翌日以降のことだった。
「ああっ!」
「どうした、孔雀小路?」
「先生すみません。教科書を忘れたみたいです」
「仕方ないな。隣の兵頭に見せてもらえ」
「はい」
机を俺の方に寄せかけた孔雀小路さんは俺と目が合うと固まった。
「何してる。早く見せてもらえ」
「は、はいっ!」
俺の机と彼女の机がくっつくときにはもう彼女の顔は真っ赤だった。
一番後ろの席は俺たちだけなので誰にも見られてないみたいだけど。
「こ、こるは、これはあなたからのプレゼントじゃなくて見せてもらっているだけだからね!隣が兵頭くんしかいないから不可抗力だから!」
そんなに噛むほどテンパらなくても。
だいたい何でプレゼントだと思うんだ?
「お返しに兵頭くんとくっついたりとかしないといけないのかな?」
机くっつけるだけなのに、何で椅子がそんなに近いの?!
授業が頭に入らないけど!
「では小テストを配るからな」
いきなりの抜き打ちテスト?!
「どうしよう…今日は消しゴムも忘れたみたい」
「割れたので良かったらあげるよ」
「本当?!ありがと…だ、だめっ!それをもらったら交…しないといけなくなるから!」
「何をするって?」
「こら!兵頭と孔雀小路!早く席を離せ!テスト始めるぞ!」
先生に怒られて仕方なく消しゴムを受け取って席を離す孔雀小路さん。
翌日。
授業中に孔雀小路さんからメモが渡された。
『お昼休みが始まったらすぐに屋上に来て』
え?
お昼は学食だから早く行って並びたいんだけどな。
それに屋上って立ち入りできたっけ?
『屋上立ち入り禁止だよね?』
そう書いたメモを返すとまたメモが戻って来て。
『旧校舎の屋上』
あっちか!
でもますます食堂から遠くなるけど…。
『昼御飯食べてからにして』
『すぐ来なかったら許さない』
え?何で?
俺って何か怒らせるようなことした?!
そして昼休み。
『先に行ってるから少し遅れて来て』
『少し遅れていいなら、食べてからじゃ駄目?』
『死にたいの?』
『行きます』
そんなやり取りのあとビクビクしながら旧校舎の屋上に行くと、孔雀小路さんが誰かと話していた。
もしかして『この人が私の彼だから変な気起こさないでね!』とか言われるのだろうか?
「なあ、いいだろ?俺のどこが不満なんだよ?俺、ケンカとかめっちゃ強いぜ」
「離してください!」
「こんなところにわざわざ来たのは俺に告白するためだろ?」
「しません!誰もいないと思ったのに!」
あっ、絡まれていたのか。
そういえばあいつ、イケメンだけど凄く女癖の悪い西郷じゃないか!
「大人しくしろよ!」
「きゃっ!」
あっ、彼女の持っているバッグが落ちた!
「やめてください!」
「こんなところ誰も来ねえよ!」
「来てますけど」
ついツッコミを入れてしまった俺。
まあこれ以上放っておく気もなかったけど。
「何だてめえ?隣のクラスの陰キャじゃねーかよ」
すごいな。俺ってそんなに有名なのか。
「兵庫、てめーは邪魔だから消えろ」
名前違うし!
はいはい、陰キャで有名なだけね。
「わかりました。じゃあ行こうか孔雀小路さん」
「え?あ、はい」
「こらっ!俺の女を連れていくな!」
「あなたの女になった覚えはありません!兵頭くんと待ち合わせていたんです!」
「は?何でこんな奴と?」
こんな奴で悪かったな。
確かに勘違いして孔雀小路さんに告白してフラレた愚か者ですけど!
「消えろよ、お前。5秒以内な。いちにいさんし、ドーン!」
バキッ!
いきなり俺は顔を殴られた。
「兵頭くん!」
「早くしねえと、もう一発食らわしてやるぞ!ほれ!」
「兵頭くん!」
また殴りかかってきたので、俺は頭で応戦する。
めきゃっ
「ぎゃああああっ!」
手を押さえて叫ぶ西郷。
右の手首が変な方向に曲がっている。
「な、なんて石頭だ!よくも俺の手を!」
「そっちが勝手に殴って自爆したんだよね?」
「くそっ!先生に言いつけてやるからな!」
「相手の頭を殴ったら自分が怪我したって言うの?」
「くそっ!覚えてやがれよ!」
そう言って逃げようとする西郷の左手首を掴む。
「何だよ?!離せ!」
西郷が必死に振りほどこうとしても俺の手は振り解けない。
「確かに俺は陰キャだけどな、筋トレだけは欠かしてないんだ」
「何だと?」
「握力が130キロあると手首くらい折れるんだぞ。両手とも使えなくするか?」
「ひゃ、130?!」
驚いた顔をしたので俺は手を離してやった。
「覚えてろって言ったけど、覚えておいたほうがいいのか?」
「い、いえっ!忘れてくださいっ!これは俺が転んで怪我をしたので!さいならっ!」
西郷は凄い勢いで逃げていった。
「大丈夫だった?」
「私より兵頭くんよ!顔と頭を殴られたじゃない!」
「大丈夫だよこのくらい」
頭は石頭だから平気だけど、痛む顔は孔雀小路さんが気にするといけないから平気なフリをしておこう。
「嘘ばっかり!腫れてるわよ!」
え?本当?
「待ってて!ハンカチ濡らしてくる!」
「どう?」
「うん、冷たくて気持ちいいよ」
「良かった。でもありがとうね」
「何が?」
「助けてくれて」
「気にしなくていいよ」
「あっ、でもこれも『プレゼント』に入るのかな?どうしよう…返さないと交…」
ん?小さな声でよく聞き取れないけど。
「それで用事って何だったの?」
「そ、そうだったわね!ほら、昨日消しゴムもらったから、そのお返しにこれ!」
孔雀小路さんはカバンから包みを取り出した。
「何?あっ!」
包みを開くとそれはお弁当だった。
そしてふたを開けると中には…
ぐちゃぐちゃになってご飯の上に散乱したおかずがあった。
「これって…」
「ああっ!さっきカバン落としたから!」
西郷のせいか。
「食べていい?」
「だめっ!こんなの食べたら駄目だから!」
「中で移動しただけだから問題ないよ」
俺は地べたに座ると箸を出して卵焼きを食べた。
「美味しい!」
「本当?!」
「うん。料理上手なんだね」
「えへへ。誰かに食べさせたのは初めてなんだけどね」
ものすごい笑顔で俺は固まってしまった。
美少女の笑顔って殺傷力あるんだな。
「あっ、でも違うのよ!これは消しゴムをもらったお礼で、その、あの、あの小鳥みたいなことはできないから!」
あの小鳥みたいなことって何?
とりあえず美味しいのでもくもくと食べる。
すると孔雀小路さんも俺の隣に座って食べ始めた。
○孔雀小路柚子姫視点○
告白されたときにあんなこと言ってから小鳥が交尾を始めたから、きっと兵頭くんは私にプレゼントしたら交尾ができるって思ったに違いないわ!
だけどそんなことできないから別のことで返そうとしたのに、助けられたうえに崩れたお弁当まで美味しいって食べてくれて…。
また何か返さないといけないよね?
何をすればいいんだろ?
えっと
えっと
交尾の代わりにキスとか無理よね、恋人でもないのに。
でも兵頭くんってあんなに強かったんだ。
どきどきどきどき
うそっ!
何でこんな気持ちになってるの?
誰から告白されてもときめいたりしなかったのに。
でも…何だか兵頭くんがカッコ良く見える…。
そういえば告白されたけど、逃げたから断ってないよね?
今『付き合ってもいいよ』って言ったら…
駄目駄目!
そしたらあの小鳥みたいなことしてもいいって言うのと同じだよね!
そんなこと絶対無理だから!
「ごちそうさま。美味しかったよ、ありがとう」
「あ、はい。お粗末様」
どきどきどきどき
あ、駄目だ。
凄く兵頭くんの笑顔が素敵に見える。
陰キャだとみんなに言われていたけど、意外と男らしいところあるし…。
筋トレしてるって言ってたよね。
良く見ると体も引き締まって細マッチョなのかな?
兵頭くんが立ち上がると、ついそのお尻に目が行ってしまった。
「あっ」
「ん?何?」
「兵頭くんのお尻、真っ白!」
そういえば屋上のコンクリートに直接座っていたんだわ!
「このくらい払えばいいよ」
「あっ、それなら私にさせて!」
ぱんぱんぱん
凄い、お尻が固くて引き締まってる感じ。
どきどきどきどき
腿も固くて…
「あれ?そんなところまで白い?」
「え?あ?うん。もうきれいになったから!」
うっかりあちこち触るところだったわ。
私もお弁当をしまって立ち上がる。
「孔雀小路さんもスカート白くなってるよ」
「あ、本当だわ」
手で払おうとして私はその手を止める。
これって私を助けてくれたという『プレゼント』のお返しに使えないかな?
ほら、女の子のお尻触れるとか男の子なら嬉しいよね?
「あ、あの。私のスカートも払ってくれる?」
「え?!ちょっとそれは無理だよ!」
「私はしてあげたのに?」
「う…わかったよ」
ぱすぱす
なるべくお尻に触れないように浮いているところをはたいてくれる兵頭くん。
紳士なのね。
「汚れてるのはもっと上なんだけど」
「いや、それは…」
「スカート真っ白だと恥ずかしいから早くして」
「わ、わかった」
ぺしっ
「ひゃうんっ」
「孔雀小路さん?!」
「だ、大丈夫。痛くないから」
痛くないけど、お尻を叩かれたら何だかビリっときたわ。
ぺしっぺしっぺしっ
あ、あう、はうん
な、何だか叩かれるたびにおかしな気持ちに…
ぺしっぺしっ
「もうそろそろいいかな?」
もうそろそろいいって、私の『準備』ができたってこと?
そっか、これからスカートをめくられて後ろから小鳥たちみたいに交尾するのね…。
思わずお尻を突き出していく私。
「もうスカートは綺麗になったよ」
「え?あ、あ…そ、そうね!ありがとう?じゃあね!」
正気に戻った私は真っ赤な顔を見られたくなくて全力で逃げ出した。
びったーん
そしてすぐにつまずいて転んだ。
「孔雀小路さん!」
○兵頭貴斗視点○
なるべく当たらないようにしていたけど、お尻柔らかいんだな。
いかん、雑念は消さないと。
「もうそろそろいいかな?」
このくらいなら目立たないだろ。
完全に綺麗にしようとしたら、こっちの理性が持たない。
って、何でお尻を突き出してくるの?
「もうスカートは綺麗になったよ」
「え?あ、あ…そ、そうね!ありがとう?じゃあね!」
そう言うと孔雀小路さんはいきなり校舎の入り口に向けて走り始めた。
びったーん
そしてすぐにつまずいて転んだ。
「孔雀小路さん!」
何を急いでいたか知らないけど、とにかく起こさないと!
「いたたたた」
「大丈夫?」
怪我は無いみたいだ。
「足首ひねったみたい」
「歩ける?」
「う…いたっ!」
無理みたいだな。
俺の顔を冷やしてもらったハンカチを俺が濡らしに行って、孔雀小路さんの足首に当てる。
「うう、またプレゼントされた…」
「ただの治療なんだけど」
しかし冷やしたくらいでは歩けるようにならないみたいだ。
「肩を貸すから保健室行こうか」
「う、うん」
お姫様抱っことか目立ちすぎるからできないからな。
むにゅう
ん?この背中に感じる柔らかいものは?
「あ、あの…うびとか無理だから代わりにこれで」
肩を貸したら胸を押し付けられた?!
「なんの代わりって?」
「言わせないでっ!」
肩を貸しているというか、背中に半分背負っているような変な体勢で衆人環視の中保健室へ向かう。
孔雀小路さんが足をひきずっていたから他の生徒に変な詮索はされないと思っていたけど
「何だあいつ!あんなに密着して!」
「孔雀小路さんが陰キャの兵庫と!」
だから俺は兵頭だっ!
そんなことを言われながらどうにか保健室にたどり着いてベッドに下ろす。
「あ、うそ。やっぱり胸くらいじゃ足りなかったのね?ここで交…するの?」
さっきから小声が多くて聞き取りにくいな。
「え?うん。ここで先生に診てもらわないと」
「先生が見ているところでするの?!」
何でそんなに驚くんだろ?
「だってここ保健室だよ」
「そ、そうよね。ベッド使うのにも先生の許可がいるのよね。あ、で、でも、やっぱりまだだめ!」
「きちんと診てもらわないと脚が折れているかもしれないよ!」
「え?足?……あ、あっ、そういうことね。うん。保健の先生どこかな?ちょっと探してきてもらっていい?」
「うん、待ってて」
痛みで顔を赤くした孔雀小路さんを早く楽にしてあげたくて、全力で保健の先生を探して連れてきた。
「今日は早退して医者に行きなさい」
「はい」
「じゃあ、俺は教室戻るね。また明日診断結果教えて」
「待って!」
そう言ってスマホを取り出す孔雀小路さん。
「診断結果ならすぐ教えるからCHAIN交換して」
「うん、わかった。じゃあお大事に」
孔雀小路さんとCHAINできるの?!
それって凄く嬉しいけど!
あ、でも俺ってフラレたんだよな。
あーあ。
今日はいっぱいいいところ見せられたと思ったのに付き合えない相手かあ。
○孔雀小路柚子姫視点○
医者で診てもらったら軽い捻挫で良かったわ。
この事を兵頭くんに連絡しないと。
でも、彼からのプレゼントのお礼はまだ返さないといけないよね?
全然返し足りてないよね?
このままだと交尾しないといけないかも。
な、何を返せばいいんだろう?
とりあえず包帯巻いた足首の写真を写して『もう心配要らないです』と。
ぴろん
『軽い捻挫で良かったね』
喜んでくれた!
そういえば足首よりももっと上の方を写したらどうかな?
スカート少しめくって、太ももあたりを…。
こ、これは少しエッチね。
でもこれなら『交尾の代わり』のお返しに使えるよね?
そうしないと、『いっぱいプレゼント受け取っておきながらお返し無いの?じゃあやっぱり交尾しようか?』って言われちゃうもの。
ああ、あの時の小鳥のバカバカ!
どうしてあんなタイミングで交尾するのよ!
お陰で…
ちょっとドキドキすることができちゃったじゃないの。
まだ告白断ってないから明日にでも断らないと。
だってオッケーしたら交尾していいってことになるのよね。
でも断りたくないな…。
決して交尾したいとかじゃなくて、兵頭くんが少しいいなって思えただけだから!って誰に言い訳してるの私?
とりあえず写真を送ろう。
太ももだけでいいかな?
少し下着も…
めくりにくいからスカート脱いじゃえ。
えへ、ほんの少しだけ下着写しちゃった。
わからないよね?
拡大しないと見えてないよね?
でもやっぱり恥ずかしいから送るのはやめ
ぴろん
あ、ああっ!
しまった!送っちゃった!
削除!
え?既読?!
拡大する前に消してもらわないと!
通話通話!
つるっ
あっ、スマホが!
ど、どこいったの?
机の下?
○兵頭貴斗視点○
そっか、軽い捻挫で良かったなあ。
ぴろん
ん?
な?!
太ももの写真が?!
しかもかなり上の方まで写ってるけど!
ぴろぴろぴろん
ぴろぴろぴろん
ん?ビデオ通話?
「はい」
受けるボタンを押すと映像が…
スカートを脱いでパンツ姿の孔雀小路さんの映像が…。
俺はすぐに通話をオフにした。
うん、寝よう。
…寝れるかな?
○孔雀小路柚子姫視点○
スマホあった!
あれ?通話になってた?
でも切れてるよね?
『ビデオ通話。通話時間3秒』
…
…
3秒って見えた?見られたの?!
どうしようどうしようどうしよう
でも…これで借りが返せたよね?
足りてるよね?
明日『これで足りた?』って聞こうかな。
感想とかいただけると嬉しいです!




