人類の救世主だけどケモミミが大好きなので人類相手に無双します。
最初は毎日更新予定です。落ち着いたら二日に一回程度に更新出来ればと思います。
宜しくお願いします。
第○回全国中学校バスケットボール大会決勝
このスリーポイントシュートが決まれば俺達は優勝だ。
インターハイ三連覇を目前にした決勝戦第四クォーター残り一秒、俺が放ったスリーポイントシュートはリングに吸い込まれていく。
『よしっ!決まった。』
シュートを打った瞬間に確信した。
今まで何万回と打ってきた得意な45度からのスリーポイントシュートだ。
目を瞑ってもシュートを決める位に自信はある。
ボールはリングに向かい吸い込まれていく。
俺は右拳を上げる。観客はブザービーターに酔いしれる筈が......
体育館から忽然とシュートを放ったMVP最有力候補四賀尚也の姿は消えていた。
その後、将来の日本代表選手の失踪に世間やマスコミは騒ぐも時間が経つにつれ人々の記憶からは薄れていったのだった。
〜fin〜
見知らぬ空間でギャルっぽいお姉さんが目の前に居た。
「あの〜一ついいですか?」
俺は目の前に居る羽の生えたギャルっぽいお姉さんに質問する。
「何? 何?」
「〜fin〜 って。」
「劇的な幕切れだったょ。」
普通にテレビでも一緒に観ていた様な何処か他人事の様なことを言っているギャルっぽいお姉さん。
背中に羽が付いてるけどコスプレか何かだろうか。
確か俺は全中決勝の体育館に居たはずなんだけど、シュートを打ったら見知らぬ空間に居た。
何だここ?
頭が目の前の現実を理解出来ていないが、どうやらここは日本ではないらしい。
「俺、死んだんですか?」
白い空間、羽の生えた小麦色の肌をしたギャルっぽいお姉さん。
先ず最初に考えたのはここは天国ではないかという事。
「尚也くんは死んではないよ〜 私が呼んだんだよね。貴方には今から世界を救って貰うから。」
「え? 世界を救う? 僕がですか?」
「そうだょ。貴方は選ばれたの。英雄になれる力があるからね。」
「バスケなら自信はありますが、只の中学生ですよ僕? そんな大それた力なんてありません。」
「問題ないって。これから力を渡すから。」
そう言ってギャルみたいな話し方の女神様は俺に飴を渡してきた。
「これ、毒とか入ってないですよね?」
「当たり前じゃなぃ。貴方が死んだら私のしゅっせ......何でもない」
「今、出世とか言おうとしてませんでした?」
「気のせいだょ。」
キャッハ!とか言いながら誤魔化したみたいだけど視線は俺を見て居なかった。
バスケットボールをしていたので感じる視線は分かる。どう考えても何かを隠しているようだ。
「いきなり呼び出しておいて僕に何かメリットはあるんですか?」
「そうねぇ......」
アリエス様は何か考える素振りをしてよい事を思い付いたと言わんばかりに眼を輝かせてた。
「一回デートして上げる」
「は?ギャルっぽい女神様と一回デートする為に俺に世界を救えと言うんですか?」
「そ、名案でしょ」
余程自信があるのか胸を張って腰に両手を当てている。
確かに美人な事には違いない。でも見た目がギャルっぽいんだよな。
四賀尚也はバスケットボールのスター選手だ。
それだけの選手なのだから当然それなりにモテては居たのだった。
しかし釣り合わない様な......
リスクに対してのリターンが少な過ぎるというのは拭いきれない。
なにが不満なの?と言わんばかりに表情をしているアリエスさん。
「余り納得は出来ませんが、困っている人を助けるのに俺の力が役に立つならそれでもういいですよ。その代わり世界を救ったら元の世界に戻して下さいよ。」
やはりまだ向こうでやり残した事もあるし家族も心配だったのだ。
「前向きに善処するよ」
この女神様軽いんだよな。大丈夫なんだろうか?
まぁギャルっぽくても女神様なんだから約束は守ってくれるだろう。
「分かりました。行きますよ。」
「ありがとぅ尚也くん。じゃあスキルは良さそうなの適当に詰め込んでおくね。
「適当って......あっ」
足元に魔法陣の様な物が現れ青と赤の光りが明滅している。
「じゃあねぇ尚也くん、いってらー」
最後まで軽いんだねアリエスさんは。
そして眩いひかりに包まれ四賀尚也は旅立っていった。
人とケモミミ族が戦争をしている異世界へ
アリエス「デート一回とかご褒美過ぎない?」
四賀「寧ろ罰ゲームじゃないかな」
アリエス「神に歯向かう愚か者め」
四賀「ぎゃー、抱きつかないで。当たってる、何か当たってるから」
アリエス「当ててるのよ」