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挑戦者 ステーキ

 ーー夢を見た。


「少し、お話をしませんか?」


 遠い昔の事だった。

 まだ人類などと呼ばれるべき者がいなかった世界をただ眺めていた私に彼女は話しかけて来た。


(貴殿は…何者だ?)


「直接脳内にとは……よほど強い力の持ち主ですね。申し遅れました、私はこの世界を変える為に来た者です」


(世界を? 不可能だ。この地は私の力に耐えられず、草木も育たん。無意味なことはやめておけ)


「無意味ではありません。貴方だって見たいんじゃないんですか? だからこうして今も力を持ちながら生きながらえている。違いますか?」


 女はこちらを見え透いたように言葉を並べていく。なんと不遜な女なのだろう。


 とはいえ、興味がなかったわけではない。それに何千年ものあいだ、来客などなかったのだ。


 暇つぶし程度には多少はその話に乗っていいと思った。


(貴殿、名は?)


「私はイザベラ。人の願いから形を得たもの。諦めずに進む人が救われる事を基にした世界を築くもの」


 彼女は私を見上げて、こちらに手を向ける。

 その笑顔は何より、眩しくて。


(アウローラ・エリオス。星の果てを見る為に存在するただの炎だ)


 それが私と女の初めての出会いだった。



 *



「やるんだ、ローラ!」


「常勝挑戦」


「やべっ」


 切れ長の赤い瞳に炎が揺らめき、舞い戻る姿も火炎の如き、攻撃の瞬間で火勢の変わる焔みたいで、とにかく触れたら危険だという事はわかる。


「起きろ愛剣『アウローラ・エリオス』」


 気付けば、ローラの手には光り輝く赤い剣――太陽剣が握られていた。昼間でも眩かったそれは、太陽の没した迷宮では震えるほど美しく輝いてる。


「構えろ、さすれば生き残ることも出来るかもな」


「うっへ、キャラまで変っちゃって」


 ローラが飛翔する。風に乗ったように軽やかに。


 シルバは舞う鳥を落とす勢いで、新たに弾丸を装填し、引き金を引く。


「起こせ」


 しかし、目の前で、浮上する紅の壁――それは炎、火炎の壁。立ち上る業火は赤を通り越し、いっそ白くすら見えるほど。


 普通なら解けないはずの弾丸が溶ける熱量で、生み出された炎のカーテンに彼女の姿が消える。


「君はどうやら視界におさめないとその力は使えないんだろう?」


「ギッくう!」


「なら、炎の壁で遮ってしまえばい」


 同時に聖剣がシルバのナイフに叩きつけられ、ただのナイフでしかないそれは簡単に根本から折れてしまう。


「あー! テメッ、これ高かったんだぞ!?」


 シルバは折れたナイフを投げ捨てて、迫る剣を自分の真下に距離移動させ、振られた腕を銃で撃ち抜いて、彼の真後ろに巴投げで投げ飛ばす。


「!」


 そこにはローラが既に剣を突き出しており、テンラの背後から胸部を貫くと体内から臓器を焼き尽くす。


「焚き火の薪には向かないな」


 ローラは燃えたテンラを蹴り飛ばすことで、剣を抜く。剣先に付いた血は熱により、蒸発する。


「やー参った、参った。ローラちゃん、強いネ。直接戦闘、俺苦手なのヨ」


 困ったように苦笑いながら、シルバは頭の上まで両手を上げる。

 ローラはそれに眉を潜め、


「実に下らん」


 全ての死角から飛来していた急所狙いの刃を、ローラは見ずにはたき落とす。


「マジで〜? 距離操作のこれも聞かないのネ」


「真正面から戦う気が貴様にはないのか?」


「ないヨ!」


「なら死ね」


 爆発による加速で、威力を増したローラの突きを、シルバは腰から取り出したナイフで溶解しながらも、受け流す。


 風邪を切り、大気を薙ぎ払う熱の剣をシルバは興味深そうに眺めながら、迎撃していく。


「へいへいへーい! ローラちゃんびびってるー!」


 シルバは熱による弊害で火傷が肌に浮かぼうと、そのふざけた調子の声は止まらず、叩き潰すためにローラの太刀筋が勢いを増す。


「ーーはい、力んだね」


 シルバが目の前に置くようにしたナイフ4本が、一瞬で姿を消し、ローラの手足全てを縛る杭のように突き刺さる。


「剣は貰って、マヨイちゃん」


『了解です。固定します』


 そして、シルバの手が剣に触れ、彼の手元に来るとマヨイの支配下にある迷宮が牙を剥き、刺さったナイフを基軸に迷宮の床が彼女の手足を呑み込み、完全に固定する。


「舐めるな…!」


 それでも彼女を完全には止められず、赤い輝きと共に彼女の体が炎に包まれていく。縛りごと燃やし尽くす勢いだ。


「やっぱ、剣を取っても炎を操れるって事は………」


『正体が炎を司る種族なのかもしれないです。今、藍に調べさせているのでもう暫く生き残ってください。死神に嫌われてるなら、お得意な筈ですが』


「うーん、ナイス無茶振り」


 と言いつつ、シルバは新しくナイフを取り出し、弾丸を装填。


「まっ、久々に楽しみますかね」


 シルバは心底嬉しそうにまた殺し合うのだった。



 *



「どう、アウローラ? まだまだだけど見れるようにはなったでしょう?」


(そうだな、イザベラ)


 長い年月を経て、地上は私に庇護される弱き者達で満ちた。代わりに意見の行き違いや、文化の壁で多くの戦争が起きた。


 それを悲しいとは思わない。寧ろ嬉しく思った。


 行き違いが起きるのも相手を理解しようとするから、築き上げた文化を認めようとするから。


 人が挑戦し、挫折し、乗り越えた結果、成長してきた事を知っているから。


 いつかは私の存在にも頼らなくても生きていけるようになるだろうと。


「ところで、アウローラ? ちょっと相談があるんだけど」


(なんだ?)


 イザベラは申し訳なさそうに話を切り出す。


「実は私、眷属が欲しいの。これから先、外部からの干渉は不可能になってくると思うし、内部から私の指示で望むべき方向に導く存在が欲しくて」


 確かにそうかもしれない。超常の存在である自分たちが、ずっと導いていては彼らの成長には繋がらないだろう。


(つまり貴殿が言いたいのは私が其方の下で、人間達に紛れて生活しろとの事だな?)


「うん、あはは…やっぱり、嫌だよね。うん、忘れて。完全に気の迷いだったから…」


(いいだろう)


「うん、いいわけ……え!本当に!?」


(ただし、条件がある)


 私はイザベラに言った。

 この御身はあまりにも強大すぎる。このままでは近づくものたちを焦がし、溶かしてしまうだろうと。


(故に、私を人間にしてほしい)


「え、正気? だって、貴方は……」


 彼女の目が私の姿を上から下まで、眺めて問う。

 本当にいいのかを。


 確かに、世の中の女性には負けないであろう美貌も、太陽を司る力も以前のようには出せないだろう。


 更に加えて、恐らくは暖かな日の光で編まれた四対の炎翼も、私が天上の証である光輪さえ無くし、威光は消えるかもしれない。


(それでも私は人間になってみたい。私は今まで選択をしてこなかった。だからこそ、だからこそだ。私も新たな事に挑戦してみたいのだ)


 それでも私一人しかいなかった世界がこうも変革の時を迎えている。

 それを最前線で味わう事は孤独な空で眺めているより、価値あるものだから。


「じゃあ………私の知り合いの鍛治神様に、貴方の力を封じる剣を作ってもらうわ。そうすれば人間として、紛れ込めるはずよ」


(そうか。時に、イザベラは私に何の役割を任せる気なのだ?)


「本来の貴方の役割たる『壊す』事ではないわ。寧ろ、貴方の真逆の役割を任せようかしら」


 イザベラはこれから先の世界を思い、笑った。


「そうね………女騎士団の団長とか!」


(それはまた、大変そうだ)


 壊す事、破壊を与える事しかできなかった私が何かを守る為に力を振るうなど、彼女に会うまで考えられなかったからだ。


(ありがとう、イザベラ。貴殿は私の良き友だ)


 楽しそうな彼女に釣られて、私の顔に喜びが浮かんでいた。


(もしこの先、貴殿に脅威が迫るならば我が炎の剣を見せてやろう)


「貴方の滅びの力を?」


「いや、星の終わりを」


 それが、彼女にとっての誓いだった。



 *



 現実は回帰する。目の前に火花が散る。


 かつての会話を、自らの正体を思い出す。


「………そうだな、イザベラ。貴殿はどれだけの無念を、後悔を抱いていたのだろうか」


 脳裏に焼き焦げた記憶が蘇る。


 対等であった友の存在を!


「ーー来い!」


「うおっ!」


 手足を縛る迷宮ごと、余りの熱量で変化した白き炎で焼きちぎり、我が名を封印した剣を再び、この手に握る。


「奴隷を解除したって訳かな? 呆れた精神力だ。それで? どうするんだい? 剣なんか握って。あの時、ズタボロに負けた事は忘れちゃったのかな?」


「ーー忘れてないさ。全部思い出しただけだ。陽炎のように揺らめく世界が漸く定まっただけの事!」


 剣の柄を握る。私の願いに、思いに答えるようなその剣は熱された鉄のように熱く滾り、


「真名、開放ーー私は災厄を滅する存在なり!」


 剣を引き抜く。

 炎が走る。

 凄まじい業火が生み出される。


「答えよ!汝の名はーー『レヴァンティン』!」


 炎が集い、形を成す。

 かつて星の終末を見るためだけに存在していた太陽の写し身を。


 闇色の殻を突き破り、眩いほどの翼を広げる朝を背負った翼…ニ対四枚の『白炎の翼』を。

 かつての威光を取り戻すかのように煌めく、太陽の光輪を!


「待て、誰だ君は………ローラじゃないのか!?」


「ローラ………それも私だ。だが、我が真名は『アウローラ・エリオス』」


 真世界における神話上の剣を参考にしたと言われる、我が愛剣『レヴァンティン』をテンラに突きつけ、宣言する。


「貴様を裁くーー暁の剣だ!」


 テンラに終末を渡す、その為に。



 *



『藍の調査結果、終了しました。種族は『大天使』、しかもイザベラが治めていた世界を照らす太陽の写し身だそうなのです』


「予想以上に大物すぎて、笑うしかないんだけどさ………」


『どうかしましたが、シルバ?』


「天使にセクハラした俺ってどうなると思う?」


『ご愁傷様なのです』


 私はどうせそこまで悲しんでも嘆くわけでもないシルバの通信を遮断します。

 それより、優先すべきは迷宮ごと燃やし尽くす勢いの熱。


「外なる神様の加護を受けているはずなのに、これまでとは………流石と言うしかないのです」


 迷宮のあらゆる機能を再生と火炎耐性だけに全振りし、テンラとローラの戦いをモニターします。


「藍、シルバを回収、又はファイヤーウォールを形成して下さい。下手したらここも吹き飛びますよ」


「ファイヤーウォールってそう言う意味じゃないっすけどね。やってみるっす」


 シルバは藍に任せ、私は行末を見守ります。


『常勝挑戦』


 ローラがイザベラから受けたとされる権能を発動します。解析によれば本来の能力は『強化経験値』。つまり、成長しやすいと言うことらしいですが。


近接特化(アタックシフト)


 彼女の掌に浮かんだ数値パラメータが攻撃力に移行します。なるほど貯めた力をある箇所に振り分けて、強化するのですね。


『祈りを乞え。そうすれば地獄の業火には焼かれないで済むかもな』


『やだね。君の言う事を聞くとでも?』


『知っていたさ。なら、私の聖炎に抱かれて逝け』


 一直線に腕が振り下ろされて、巨大な炎が石畳を焼きながらテンラへと一気に飛びかかりました。テンラ、それに対して避けるんじゃなく受ける構え。


 不死身の残機を持つならばそれは悪くはないでしょうが、覆しようのない弱点が存在する事を彼は理解しているのでしょうか。


『契約に従い、我が名に答えよ、暁の剣』


 揺らめく白い炎が、巨大な剣となります。触れる事さえ躊躇わせる神聖さを漂わせ、灼熱の世界を敷く。


『来れ、浄化の炎、罪を犯し者を、塵に返せ』


 灼熱の炎に身を焼かれながらも、悲鳴を上げないのは素晴らしいと素直に関心します。

 ですが、その白い炎は、きっとーー


『"朝焼けへ響け友の歌アウローラ・ソネット・カントゥース"』


 ーー邪なる物を滅する太陽の剣となる。


『さあ、星の終わりを見せてやろう』


 激しい音を立てて、破壊に巻き込まれる石塊が飛び散り、噴煙が炎を巻いて撒き散らされて、迷宮は灼熱の地獄と化していく。


「とても不味いのです。迷宮破壊度八割を突破! 自動再生全開!」


 ローラの狙いは分かりました。残機で無限に蘇るならば、()()()()()()()()()()()()()こと!


 いくら3秒ほどの無敵時間があろうとも、既にローラのいる部屋は太陽の表面温度と同じ!

 彼に火炎耐性を与えていないことは分析済み、となれば、


『周りが炎に…ッ! これじゃあ、幾ら復活しても…!』


『そうだ、貴様には十字架すら立てるのも失礼だ。ここで燃えて、灰になれ』


 復活した直後に、皮膚の油脂に引火し、またもや焼死体が出来上がる。

 このままでは不味いと、テンラは聖剣を振ろうとするが、


『あぁ!? 俺の聖剣がっ!』


 あーレオが言ってたのです。アマツ様が作り上げた練度の低い装備は、極端な環境には耐えられるようには出来てないと。


『剣を失い、鎧を失い、メッキが剥げたイザベラの後裔よ。貴様は何の為に世界を壊した』


 ローラの怒りを表すかのように、迷宮内の炎の浸食がより早くなっていってます。

 これ以上、ローラが起こると私達も危ないのです。


『ただ、俺は勇者として……物語みたいな主人公に…』


『主人公か。ふっ、笑わせる。誰もが生まれ落ちた時点で自分の人生(ものがたり)の主人公だよ』


 白き炎剣が更に輝きを増します。地球上ではあり得ないほどの高熱の剣。

 それはまるで、宇宙を流れる流星のようにーー


『"燃えて耀け、暁の剣ディールークルム・グラディオ"』


 (いのち)の終わりを見届けた。



 *



 それでは後日談を話そうと思う。

 現在私はシルバの店を貸し切って打ち上げパーティー中だ。


 燃え盛る迷宮の中で、私はテンラが炎に焦がれ、奴の残機が全てなくなるのを見届けた。


 それにより、依頼達成が完了した為に撤退。剣を鞘に戻すと同時に私の天使の力もまた封じられた。


 しかし、その強大な力を真世界で野放しにするわけにもいかず、帰る場所もないことから私は管理者に籍を置く事になった。


「いや〜あん時はマジでビビったね。天使にセクハラしたらどうなるか、片鱗が見えましたワ」


「お望みどおりなら、シルバ? 貴殿が焼いてる牛の肉並みに火を通しても構わないんだぞ?」


「こらこら、だーめ。シルバくんは変態さんだけど、尽力してくれたのも彼なんだから〜」


「はっはっはっは! ボクとしてはそのまま焼いてもらってもいいと思うけどね! 出来たらあの有名なファラリスの雄牛でやって欲しいけど!」


「出せるっすよ! やるっすか!」


「いいですね。ある秘境の民の間では人間を焼窯で焼いて食べるという風習があるくらいですので」


「可愛い女の子ばかりなのに飛び出す言葉がナイフ並みに鋭いのはこれ如何に」


 そうふざけつつもシルバの手は滑らかに、音を立てる鉄板皿の上に置かれた肉の塊と、色のついた米、サラダとスープが私達の前に置かれる。


「そう言えば、マコトやカナデ、レオがいないがどうした?」


「3人なら新しい異世界転移の前段階に入ってるらしいから、友哉くんからお誘い禁止が出ました〜」


「よーするに、邪魔すんなだとさ。こっちだって男は誘ったりしねえよぅだ」


「俺、プログラム上は男なんすけどね」


「さて、皆さんに行き渡ったようです。では、主賓のローラ。一言お願いするのです」


 マヨイの音頭に流されるように、私はマイクを手にとり、挨拶をする。


 新たな世界で生きていく為に、名乗るその役割を。


「私は『挑戦者』アウローラ・エリオス。新参者だが、これから宜しく頼む!」


「よし、えーそれでは、依頼の達成と新たな仲間に祝してーー乾杯!!」


 乾杯が終わり、直ぐに私は脂の跳ねる音と肉の焼ける音に思わず口一杯に広がった唾を飲み込み、ナイフとフォークに手を伸ばす。


「柔らかい……信じられないな」


 牛肉と言うのは総じて硬いと思っていたが、これは違う。吸い込まれるようにして消えていくナイフ、肉自身の柔らかさからの芸当だ。


 大きめに切り分け、持ち上げる。中がほんのりと赤く大丈夫か?と一瞬思ったが、中が生と言うのはシルバの腕ではありえない。


 こういう料理の仕上げ方なのだと思い肉を頬張る。


「……美味い。これが本当に牛肉か!?」


 歯を跳ね返す程よい弾力、中はしっとりと柔らかく、口一杯に肉の脂が広がる。

 塩と胡椒だけでこの味とは、やはりこの世界の料理は侮れん。


「はっはっはっ、美味しいかい? 因みにそのソースもつければもっと旨くなるよ」


 セツナがにんにく醤油とやらに肉をつけて頬張ると、ガーリックライスとやらを女とは思えない凄い勢いで口に運ぶ。


 まるで何日も食事をして無いと言わんばかりのがっつき様だ。


 私もにんにく醤油をつけて、肉を頬張る。


「これは、素晴らしい! ガーリックライスとも合う!」


 にんにくの強い風味とやや辛い、いや違う……上手く説明出来ないが醤油の味が肉の味をそのまま食べるよりも何倍も良くしている。


 そして、独特の食感のガーリックライス。

 これもにんにくの風味が良く利き、香ばしく焼き上げられたにんにくのスライスも入っていて、口に更に深い味わいを与えている。


「おかわりいるか〜?」


「いる!」


 私はすぐに完食してしまった。


 苦笑いするシルバに皿を差し出し、私はおかわりを待つ。


「ーーこれからどうすんの?」


 ふと、シルバはそんな事を聞いてきた。


「ーーとりあえず何か新しい事に挑戦したいと考えてる」


 私は偽りのない答えを返せば、彼はただ微笑んで


「まっ、今はここがローラちゃんの居場所だ。好きな事をやったらいいさ。それを盟友イザベラは望んではずだ」


「そんな事ーー知ってるよ」


 私は皿を受け取り、また新たな仲間の下へと帰っていく。


 かつてのイザベラは私を見つけてくれた。


 何かの思惑があったにしろ、偶然にしろ、


 誕生して以来の、驚きがあった。


 明日を望まず、終わりを拒んだ、燻る炎に、


 声をかけてくれた時から、


 私はお前に何をしてやれるかだけを考えていた。


「これが答えだ、イザベラ」


 私はお前が生まれたこの世界で新たな挑戦を始める。


 お前のような女になる為に、私は神になろうと思う。


「ーーお前の願いは私が引き継ぐよ」


 お前が望んだ世界を作ろう。


 それが私に出来る最高の恩返しだ。

後は設定を載せておしまいです

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