第2話
やばい、失敗したかもしれない。
もっとやさしく接すればよかったのか、それとも、もっと直接的に遊びに来てほしいというべきだったか。
あぁ、俺のちっちゃな天使、一体どうして俺から離れていってしまうのだ。
あの子が小さいころから、俺はあの子に魅せられていた。俺にとってなくてはならない存在だった。
でも、昔の俺はそんなことは絶対に認めることができなかった。
今思えば、思春期ってやつだ。
あれ、あの子が生まれたころからそう思っていた気が・・・・。
まあ、いい。とにかく近所で同世代の子供がいなかったことや、親同士が仲がよかったことで俺とあの子は親しくいつも遊んでいたのだ。
いつも俺の後を、よちよちと一生懸命ついてきて、それはもうかわいくて俺はメロメロだった。抱きしめて、そのやわらかい肌を撫で回したくて、あのきれいな首筋に自分の顔をうめたくてたまらなかった。
しかし、反抗期だった俺は自分の気持ちにも反抗して、いつも必死に俺はロリコンじゃないとあの子を見つめながら、心の中で念じていた。でも年々それが大変になっていった。手が自分の意思に反してあの子を触ろうとする頻度が年を重ねるごとに上がっていったのだ。
ついさっき会ったときもそうだ。自分の中のこの激しい衝動を抑えるのにとても苦労した。自分の手はすでにあの子を見たときからうずうずしていて理性で押さえ込んだのだが、その努力はむなしく、欲求に勝てなかった俺はあの子の頭だけだが触ってしまった。あぁ、もうこの手は洗えない。
俺は、もう今すぐにでも三途の川を渡ってもいい、すなわち幸せすぎて死ねる気分だったのに、あの子はどうだ。あんなに甘く唇をかみ締めて何かをこらえるようにしていた。
そんなに俺の前にいるのがつらいのか。はっ、もしかして前回あの子に触った俺の手がもう何ヶ月も石鹸で洗われていないのに気付いているのか。いや、もちろん水で洗うことはあったが、そんなにくさい臭いでもしたのだろうか。
もしかしたら、唇をかんでいたのだってくさい臭いを耐えるためだったのかもしれない。だから、あんなに速く俺の前から立ち去ったのだ。いや、でも、俺が中学生のころまではあの子は俺になついていた。ということは、中学生のころまでは俺はくさくなかったのだ。
あぁ、俺は脱臭のできる男になる。(錯乱中)
だから、お願いだ。もう一度、俺になついてくれないか。
そして、過ぎた願いかもしれないが、俺のことを好きになってくれないか。
俺は君がいないと一生手が臭いままなんだ。というのも、君に触れた手だと思うだけで、それは要防水の対象に入るのだから。




