導入
俺の名前はホンダ、本田啓一だ
この世に生を受けてから丁度19年目の今日、
俺は駅のホームで胸を刺され死んだ
痛みは一瞬で、体内が冷たくなって、皮膚が熱くなったのを感じた
最後に見たのは黒いコートをきた奴が逃げていく様子だった
(俺、今日で死ぬのかな)
(よりにもよってどうして今日なんだよ)
(あぁ、俺まだ童貞だよ)
死ぬ瞬間まで俺はそんなことを考えていた
目の前が真っ暗になった
気がつくと俺は全てが真っ白な駅のホームにいた
(ここは、どこだ?死後のせかいか?)
そんなことを考えていると目の前に白い髭を胸まで伸ばした白髪の西洋風のおじさんが出てきた
「あんたは…俺を天国か地獄に送る神様か?」
いきなり目の前に老人が現れたが不思議と俺はあまり驚かなかった
「その通り、わしはこの世のすべてを司る者、君が考えている神だ」
目の前の老人、もとい神はしわがれた声でそう答えた
「そうか、てことはやっぱり俺は刺されて...」
その言葉を聞いた瞬間、胸が重くなった気がした。悲しかった、ただただ悲しかった。
辛いことも沢山あったけどその分成長もしたし仲間も増えた。でも不思議と涙はでなかった
「君は今、分かれ道に立たされている
ひとつは生まれ変わりまたこの世に生を受ける道、
もうひとつは今までいた世界とは違う世界にこのまま転生される道だ。」
神様は堂々とした喋り方でそういった。
え?、え??
え???別の世界???それってもしかして
「異世界転生ってこと?」
気がつくと声に出ていた
神様はその通りだと言った
いやしかし待て啓一よ
きっと異世界とは言ってもきっと俺が思ってる剣と魔法とドラゴンのファンタジー世界ではない可能性があるそこを確かめなくては
「異世界って、どんな世界なんですか?」
「簡単に言うと剣と魔法とドラゴンのいる今君が考えた通りの異世
「行きます」
「え?」
「行かせてください、その異世界に」
俺は神様の言葉が終わる前にそう言った
ファンタジーの世界に行くことができる!
ゲームや漫画で見た異世界に!!
「そ、そうかならばこの中から能力を選ぶが良い」
すると目の前に3枚の紙が出てきた
最強の魔剣ヨルムンガンド、MP無限、最強の鎧アキレウス
どれも俺の中二心をくすぐる名前のものだった
俺は紙を見つめながら神様になんとなーく疑問に思っていたことを聞いた
「それにしても、神様っていうのはそんなthe神様って感じの見た目なんですね」
「うむ、だが私がどんなふうに見えているかは人によって変わってくるのだ
その人間がどんな存在を神と認識するのかによって私の見た目、声、喋り方は変わるのだ」
へー、凄いなー
と、心の底から感心していると
そろそろ決めてはくれないかと、神様の催促する声が聞こえてきた
俺は1枚の紙を選び神様に見せた