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プロローグ 陰キャと淫キャのお戯れ

新作始めます。

タイトル長いので「サキュ俺」とお呼びください。

陰キャ主人公と淫キャヒロインのお話が幕を開けます!

「なんで俺がお前にアソコを見せないといかんのか!?」

「見せるだけじゃないです! シコシコして先っぽからお汁を出させていただきます!」

「んなもん尚更無理だっての!?」


 俺は涙目で頭を下げているアイギスの懇願を突っぱねた。

 今まさに俺の目の前にいるのは、神官の衣装を身にまとい、はちきれんばかりに大きな胸と美しさの中に少女らしいあどけなさを残したその顔、そして金色のロングヘアーが特徴的な美少女だった。そんな美少女、アイギス・アッシュベリーは必死に俺に対し頭を下げている。

 

「こんなに頼んでも駄目なんですか……?」

「だから何回も言ってんだろ! 俺はお前を戦闘のパートナーとして選んだだけだ! 絶対に、お前が言うようなそんな卑猥なことなんてしねえからな!」


 尚も縋り付いて来ようとするアイギスを俺は突き放す。しかし、それでもアイギスは諦めようとしない。


「あ、アレンさんのお気持ちは分かっています。ですが、今日は材料がないのでいつものスープ(・・・・・・・)も作れませんし、このままでは私はもう自分を抑えられないんです……」


 恐らくそんなことを言っているアイギスも恥ずかしいのだろう。既に彼女の顔は普段とは比較にならないくらい真っ赤になっていた。

 しかし、いくらアイギスが恥をしのんで俺に頼んでいるのだとしても、聞けることと聞けないことがあるのだ。なぜなら……


「だから、早くあなたの熱くてトロッとしたあの液体(・・・・)を飲まないと、もう、私は身体の火照りを抑えることができないんです!」


 アイギスが俺に頼んでいるのは、「俺の身体の大事な部分から放出されるあの白い液体」を飲ませてほしいというとんでもないことだったからだ。


「い、いくらお前がそういう体質だからってできないものはできないんだ! そんなに飲みたいんなら、俺以外の男を当たってくれよ!」

「こ、こんなこと、アレンさん以外には頼めないんです! 私だって、男の人なら誰だっていいわけじゃないんですから!」


 これだけ拒否しているにも関わらず、アイギスは尚も譲らない。えり好みしている場合かとは思うが、彼女だってうら若き乙女だ。確かに見ず知らずの男にそんなことを頼むのは気が引けるのも分からんでもない。かと言ってもちろん俺が一肌脱いでやろうという展開になるわけもないのだが。

 すると、このまま頼んでも埒が明かないと思ったのか、アイギスは「……そ、それなら、これでも、駄目ですか?」と言って、とんでもない手を打ってきたのだ!


「何をしたって俺は……って、お前はいったい何をしてんだ!?」

「み、見たら分かりませんか!? 殿方は女性の下着を見て興奮されるのでしょう? だから、アレンさんに私のショーツを見せようとしているのです!」


 アイギスはスカートの裾を掴み、それをたくし上げようとしていた。だが恥じらいが勝っているのか、彼女の太ももが見えるばかりで、肝心のショーツを晒すにはいたっていなかったのだ。いや、それだって彼女の黒のニーハイとスカートの間の絶対領域が強調されて、既に十分エロいことになってしまっているわけなのだが。


「だからやめろって! ええい、もうこれ以上かまっていられるか! 俺はあっちで寝る! お前は絶対こっちに来るんじゃないぞ!」


 俺は「待ってくださいってばー!」と懇願するアイギスを振り切り、彼女から離れた場所まで逃げおおせる。

 俺が今拠点としているリインフォースという街を出てまだそれほどの時間は経っていないが、それでも一日中歩き通しでは疲れるに決まっている。疲れを癒す為にも俺は眠っておきたいのに、あれだけアイギスの妨害にあっては眠ることもできない。


 そもそもなぜこんなことになっている? かつての俺は、この国・アゼリア王国の勇者であったリオン・マクブライド率いるパーティに所属していた。俺はいつも先陣を切って敵に突撃し、何度も武功をあげてきた。

 そんな俺に対し、駆け出しの冒険者たちは羨望の眼差しを向けたものだった。そんな俺が今こんな状況に陥っているのは、それは偏に……


「あのクソ勇者が俺をクビにしやがったからだ……」


 それは今から3年前のこと。勇者パーティの一員として、順風満帆の日々を送っていたはずのある日、俺は突如として勇者からクビを言い渡されたのだ。

 リオンはコミュ力が高く、何かと意識の高い男だった。一方俺は、人と話すのは正直あまり得意ではなく、所謂「陰キャ」の部類に属する人間であった。そんな俺とリオンはウマが合わないことが多かった。それでも俺はそれまでしっかり実績は残していたし、王家から敵対するエルフの軍勢の討伐を依頼された時も、作戦の中心的役割担い皆を引っ張ってきたのだ。


『お前なんていなくてもなんとかなる』


 にも関わらず、リオンはこんな言葉を俺に吐き捨てたのだ。

 パーティをクビになるということは、無能の烙印を押されたということと同義だ。しかもそれが、勇者パーティを追い出されたとあれば、俺は国中に恥を晒すことになるのは言わずもがなだ。

 俺は悔しさと恥ずかしさのあまり、このアゼリア王国を飛び出し放浪の旅に出た。そしてそれから3年もの間、俺は祖国の土を踏むことはなかった。

 その間俺は色々な国を見て回った。だが、そこでも俺は持ち前のコミュ障を発揮し、3年間の半分以上をホテルや宿に引きこもって過ごしてしまった。そのせいで、正直あまり友達もできなかったので、俺はいつも早く王国に帰りたいと思っていた。しかし、そんなことを思う度にリオンのあの憎たらしい顔が頭に浮かび、俺は意地でも王国には帰らないと決意を新たにしたものだった。


 しかし、それから3年が経ち、ついに俺の活動資金が尽きてしまったのだ。金がなくてはどうにもならないので、俺はやむなく王国に帰ることにした。だが、そこで俺は初めて衝撃的な事実を知ったのだ。

 なんと俺の祖国は、エルフの軍勢によって滅ぼされてしまっていたのである。


「『エルフなんて無駄に命が長いだけで、他は全部人間の方が優れている』とかぬかしてたくせに、そのエルフにあっさり国を奪われるなんて情けないにもほどがあるっての……」


 俺は誰にでもなくそう愚痴る。しかしかく言う俺も、今は国を救うどころか、美少女に誘惑されるという謎の状況に直面しているわけではあるが。


「まさか彼女がアレ(・・)だとは思わなかったな……」


 俺は初めてアイギスに出会った時のことを思い出す。我ながら勘が鈍ったと思う。昔なら相手の正体なんてそいつが放つ魔力で分かったものだが、今はすぐに当てることができなくなってしまった。ブランクを埋めるのには、それなりに苦労を要することは間違いないようであった。


「アーレーン、さーん!」

「うおっ!?」


 それはあまりに唐突であった。考え込んでいたこともあるが、まさかアイギスに背後を取られるとは思いもよらなかったのだ。

 アイギスによって、俺は口に湿った布を押し当てられる。すると、急激に意識が遠のいていく感覚に襲われたのだ。


「な、何を、したん、だ……」

「ごめんなさい、状態異常系の魔術よりも、睡眠薬を嗅がせる方が有効だと思いまして……」

「お前、なんでそんなもん持って……」

「本当にごめんなさい! 私も、こんなことはしたくないんですが……。ああ、偉大なる神イリアよ、本能に抗えない愚かな私めを、どうかお許しください……」

「いや、許しを請うのは、神様じゃなくて俺だ、ろ……」


 意識が遠のく。このまま眠ってしまっては駄目なのに、身体がどうしても言うことを聞いてくれない。

 気のせいだろうか、なにやら下半身がスースーしているような気がする。かと思えば、今度はそのスースーする下半身が、温かな膨らみのようなもので覆われていくような感覚があった。

 それはとても素敵な感覚なような気もしたが、いかんせんこの時の俺の頭は朦朧としており、それをじっくり感じている余裕はなかったのだ。


「アレンさん、いい子ですね。このまま、好きに出しちゃってくださいね……」


 アイギスが何やら良からぬことを口にしたような気がしたが、急速に薄れつつある意識ではそれを理解することなど到底できるはずもない。


 ああ、一体どうしてこんなことになってしまったのだろうか?

 俺は気を失いながらも、3年ぶりにこの国に帰還を果たしたあの日のことを思い返すのであった。

あなたの性癖に刺されば嬉しい!

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