迷子のお知らせ
文化祭用に書いた30秒短編です。
街全体に響く、無機質な声。
街に人の気配はまるでない。
掃除用具入れに隠れてじっと身を潜める少女。呼吸もなるべく小さく、静かに。
"やつら"にバレてしまう。
『マイゴのオシラせをしまス。アカさワゆきなサン、13歳がマイごにナッてイマス。ミツケタ方は至急ゴれん絡クダサイ。繰り返します・・・』
肩が震え始めた少女は、必死に震えを隠そうと小さく体を丸めた。
ただひたすら、自分の呼吸音だけが響く掃除用具入れの外から少女ではない"金属音"が聞こえた。
呼吸をとめ、震えを抑える少女が入っている掃除用具入れがギィっと音を立ててゆっくり開かれた。
「ミィーつけタぁ」
一言セリフ集みたいなのから、「迷子のお知らせ」をお題にして書きました( ᐛ )و