現代社会人の後悔
「ただいま〜…」
夜3時、残業からようやく解放され家に帰ってきた俺は上着を投げすてソファーに倒れこんだ。
(はぁ…今日もきつかった。...あー、まだイベント周回全然出来てないな。次の休みにでも一気に回るか)
いつものようにスマホをさわり、アプリゲームにログインしつつ好きな曲を流して疲れを癒すのが日課となっていた。
...俺はいつからこの生活が辛いと感じるようになったのだろうか。
別に今の生活に不満があるわけではない。周りから見れば、それなりに良い企業に勤め、それなりに給料も高く、それなりに同僚に恵まれておりむしろ羨まれるくらいだろう。
だが、こんな毎日を過ごすことに違和感を感じるのだ。俺はこんな大人になりたかったのか?これが俺のやりたかったことなのか?そんな疑問がわいては、現実的な俺が押さえ込む。現実を見るのは生きていく上で必要で当たり前のことなのに、子供の頃に感じた毎日がキラキラしていて一日一日が新鮮で楽しく思えた時を取り戻したくて仕方がない。今からでも遅くない、そう思うが世間がどう思うか、家族は許してもらえるのか、そもそも金はどうするのか、そんな不安が頭をよぎって前に進めない。
...そうこうしているうちに、また今度考えればいいと疲れからくる理想への逃避を繰り返しては、また一日が始り終わらない後悔は続くのである。