召喚
✳︎✳︎✳︎は場面が変わるという事です。
その日もいつもと変わらない最低な日常だった。人とコミュニケーションを取るのが苦手だ。いつからか無意識のうちに人を避け。1人を好んだ。
イジメというのはどこにも無いようでどこにでもある。大人が気づかないだけで、子供は傷ついている。俺のような内気でクラスに馴染めず力もないものはイジメのターゲットになりやすいらしい。
だが、俺もただただイジメられていた訳ではない。1月の半ば、受験のストレスで俺へのイジメは過激になっていった。
だが、もうすぐそれも終わる。過激になっていった事により、イジメの証拠をより集められた。暴力も増え最悪自分の体を見せれば納得してくれるだろう。
クラスメイトの俺をイジメているときの音声。俺の机の落書きや、クラスメイトたちの非行の写真。数十個の証拠を俺は手に入れた。後は警察に行くだけであいつらの人生は終わる。
そう思っていた。朝、教室に入ると俺を睡魔が襲った。睡魔が襲って来たのは俺だけではなくクラスメイトたちもパタパタと倒れて行く。おれ…も…げ…んか…い。
そこで俺の意識は途絶えた。
✳︎✳︎✳︎
目がさめると俺は白い椅子に座っていた。目の前には同じ椅子に座って、司祭みたいな服を着たお姉さんが微笑んでいる。
「あ、あの」
「あぁごめんなさい。人間に会うのは久しぶりだったから、つい」
「ここは?」
「ここは私が作り出した空間。あなた達は異世界に勇者として召喚されます」
なんだそのベタな設定は。ラノベでももっと複雑な設定はすると思うんだけど。
「あの、達っていうのは?」
「あなたを含めた3年D組組の10名の事です」
最悪だ。あいつらとやっと離れられると思っていたのに、神は俺を見放したのかな。神?もしかしてこの人?かどうかも分からないが目の前にいる人って…。
「あなたは神様何でしょうか」
「はい。私はアイリス、あなた達が向かう異世界の神です」
「なら教えてくだい。俺の復讐は成功したんですか」
「成功しました。ですがあなたのクラスメイトの両親が頑張った結果あなたの考えていたほどの罪にはならなかったようです」
「そうですか」
復讐は成功した。それだけが心残りだったがもう大丈夫だ。
「では召喚の儀式を始めます。まずこれを」
「これは何ですか?」
鉄?でできた手のひらサイズのプレート。何も書いてない綺麗なプレートだ。
「裏についている針で指をさしプレートに付けてみてください」
指示通りに針て指をさす。痛い、あいつらには殴られる時とは別の痛みを感じる。プレート血のついた指を押し付ける。すると何もないはずなプレートから文字が浮かび上がってくる。
でも…。
「読めない」
「向こうに着いたら読めるようになっています。あと、必要最低限の知識も覚えさせておきます」
穏やかな感じに言っているが、俺にはとても恐ろしい事をしているように思える。
「一応あなた達は勇者ですので特別な【スキルを】覚えるようにしておきますね。それではまた、機会があればお会いしましょう」
前が見えなくなるくらいの光が俺の目を襲う。まぶしっ!そして次の瞬間俺は森の中に倒れていた。
次回からここで本編の補足なんかを書いていこうと思います。