復讐
物語の肝となる部分です。次回から回想に入ります
シーク王国。その国王の謁見の間、そこに俺はいた。レッドカーペットの先にある、きらびやかな装飾をした玉座に座る国王。
国王の周りには勇者様だとか賢者様だとか。ちやほやされていたんだろう俺の元クラスメイト達。
「イカルガ君⁉︎イカルガ君なんだね!」
黒髪ショートボブの眼鏡少女。オカダ・ユイ。【治癒】と言うスキルを持っている。目に涙をため再会を喜んでいるんだろう。
だが、俺はここにいる国王以外の人間を許さない。なぜなら俺はこいつらに殺されかけたのだから。
近寄ってくるオカダに対して俺はスキル【龍化】によって一時的に腕をドラゴンのものにする。鋭く尖った爪でオカダの腕を切りとばす。
「キャャャャャァァアアア‼︎」
オカダの悲鳴が広間に響き渡る。
「お前のスキルなら治せるだろ。腕を切り落とされたぐらいで叫ぶな」
オカダのスキル【治癒】は普通は魔力を使う治癒魔法を魔力無しで使えるとんでもないスキルなのだ。実際オカダは自分の傷を治している。
俺は何も復讐のためにオカダの腕を落とした訳では無い。俺のスキルに関係する。俺はオカダの腕を拾う。俺のスキル【吸収】は手で触れているものを吸収する事が出来る。
吸収した時にスキルや魔力、吸収した物の能力なんかも自分のものにできる。
現に俺はオカダのスキル【治癒】を手に入れた。
「ユイにひどいことするじゃ無いか。イカルガ君」
「よう、ハヤミ。お前の事を忘れた日は無かったぞ」
「僕もだよ」
「とりあえず。殺すとまではいかなくても一生残る傷くらいは付けてやる」
俺の復讐のための1ヶ月。それは…恐らく人生の全ての苦痛が詰まった1ヶ月だった。
初めての投稿で至らない点も多々あると思いますが、できるだけ多くの人に楽しんで読んでもらえる作品にしたいと思います。