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ろんろんろんりーないつ
あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん
これは三十六歌仙の一人に数えられる人の歌です。意味はとっても単純。だけどどこまでも深く心に残る歌です。
山鳥の長い尻尾の、中でも特に垂れ下がった尻尾のように、長い長い夜を一人で眠る
秋の夜長に、会えない人へ、どれだけ夜を長く感じるのかを詠んだ歌です。
私は俳句などの短い字数制限がある場合、どうしても色々な思いを詰め込もう詰め込もうとしてしまいます。
だけどこの歌はただ一つ、長い夜に一人ということだけを五・七・五・七・七で表現しています。
そしてたったのそれだけしか表現されていないから、そこから無限に歌人の心が想像できます。
なぜ彼は夜を長いと感じるのか、なぜ一人なのか。ただ一つのことを表現するだけで、とても奥行きのある表情が表されているのです。
語らないからこそ語る。それは文章表現の究極の形なのではないかと思います。
あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん
要は「とっても長い夜の一人寝!」っていう意味ですね笑