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かんとりー航路
あまのはら ふりさけみれば かすがなる
みかさのやまに いでしつきかも
これはちょっと切ない裏話があります。
とりま現代語訳。
夜空を振り仰いでみると遥かに見える
あの月は春日の三笠山に出ていた月と同じ月なのだなぁ
春日の三笠山というのは詠み人のふるさとの山です。
故郷から遠く離れた異国で、彼はこの歌を詠んだのだそうです。
異国で見る月も、ふるさとで見る月も同じ月……
ノスタルジックな、とても風情のある歌です。
あまのはら ふりさけみれば かすがなる
みかさのやまに いでしつきかも
さて裏話。
この歌を詠んだ人は遣唐使という中国への留学生でした。彼は日本へ帰る船の上でこの歌を詠んだといいます。
しかし彼の乗った船は運悪く、転覆してしまうのです。
彼は台湾だかどこかに流れ着いて、そのままそこで生涯を終えます。
彼はついにふるさとの月を見ることはなかったというお話。
バッドエンド(泣)